16歳のとき長崎で被爆、両親と3人の弟を失った「わたくし96歳」が8月15日終戦記念日『徹子の部屋』出演

2025.08.09 08:00
株式会社講談社
「わたくし96歳」こと森田富美子さん(写真左)と長女の森田京子さん。『徹子の部屋』収録にて

80年前に長崎で被爆した「わたくし96歳」が16年ぶりに長崎に
2025年8月9日、16年ぶりに長崎の地に立つ被爆者の方がいる。森田富美子さんだ。富美子さんの「わたくし96歳」というXのアカウントには、8万7000人をこえるフォロワーがいる。
富美子さんは長崎で生まれ育った。1945年8月9日の「あの日」は16歳だった。学徒動員で島にある工場で被爆、実家は爆心地から200メートルほどしか離れておらず、両親と3人の弟を一度に失った。
しかしその体験を70年家族の誰にも語れずにいた。
語るようになったきっかけは、2000年8月9日、当時の安倍首相が広島の原爆式典とまったく同じスピーチをしたことがきっかけだった。

「何も知らないから、知ろうとしないから、そんなあいさつ文を読んでしまうのだ」

こうして初めて、自身の被爆体験をTwitter(現在のX)に投稿したのだ。
富美子さんのアカウント。91歳からX(Twitter)の投稿を始めた

それから5年、アカウント名は年齢を重ねるごとに変化し、2026年8月現在「わたくし96歳」に変わったが、富美子さんは毎日、自らの被爆体験や政治のこと、日々の出来事についても楽しいことも、怒りも、ときに厳しく、でもユニークなマインドも忘れずに、富美子さん自身がアップしている。
戦争の体験も含めたそんな富美子さんの生き様をまとめたのが、6月4日に刊行された書籍『わたくし96歳 #戦争反対」』だ。これは長女の京子さんが富美子さんの戦争体験を細かく聞き取った富美子さんのパートと、京子さんのパートから富美子さんの生き方がつづられている。「ハハが体験したことをそのまま体験してほしい」と何度も詳しく話を聞いていったのだという。

当時、富美子さんは爆心地から離れたトンネル工場にいた。11時2分のことは、本書にはこのように書かれている。

“ドーンと凄まじい爆音がしたかと思うと、猛烈な爆風で全員がトンネルの奥に向かって飛ばされるように押しやられ倒れ込んだ。あらゆる物が一ヵ所にグッと集められ固められたような感覚だった。それが11時2分だった。

いったい何事かと私たちは怯え動けなかった。ほどなくして、
「長崎駅が燃えとる!」
「長崎がやられた」
そう叫ぶ声が聞こえた。私たちはトンネルを飛び出し、丘の上に駆け上がった。
キノコ雲が見えた。それは、崩れかけ、緩み、広がり、黒く不気味に変化し始めていた。そして、まるで後光でもさしているかのように金色に光り輝いていた。『わたくし96歳#戦争反対』より“

富美子さんは、急いで家に行こうとしたが、長崎市内は危険で入れず、山で夜を明かす。そして早朝家を目指して歩きはじめたこと、そこで見た壮絶な光景、家族との悲しい再会……2000年に投稿したその体験を、さらに詳しく具体的に伝えている。

96歳の夢がひとつ実現して『徹子の部屋』に
この本の刊行時、黒柳徹子さんの話が出た。2023年には東京大空襲にあった体験なども綴った『続・窓際のトットちゃん』を刊行した黒柳さんは、同じく戦争があってはならないことであると伝え続けている。
「『徹子の部屋』で徹子さんとお話しできるなんて夢のまた夢」
富美子さんはそのように語っていた。

そしてその夢が叶い、2025年8月15日の『徹子の部屋』(テレビ朝日系 13時~)に森田富美子さんが長女で『わたくし96歳#戦争反対』の共著者である森田富美子さんとともに出演する。

富美子さんの人気の理由は、ただ被爆体験を語っているからではない。78歳のときに生まれ育った長崎から「家出」をし、東京でひとり暮らしをする京子さんと暮らし始めたのも、「新しい人生をスタートさせたかったから」。Twitterアカウントをもちはじめたのは90歳。肺がんや急性期脳梗塞、大腸ポリーブや交通事故等々、様々な困難も軽やかに乗り越え、自分らしい生き方を貫いている。その姿に多くの人が魅せられるのだ。
8月10日には、メトロ書店長崎本店にて富美子さんと京子さんのトークイベントが開催される。6月4日の発売日にジュンク堂書店池袋本店で開催したときには、多くのフォロワーの方々がかけつけ、まるでアイドルのようにプレゼントであふれかえっていた。


『徹子の部屋』では、黒柳徹子さんが家出の話などを聞くシーンもあるかもしれない。「徹子さんには率直に語りたい」と言っていた富美子さんと徹子さんとのやりとりも注目だ。
『わたくし96歳 #戦争反対』
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『わたくし96歳#戦争反対』からの一部紹介記事はこちら

前編「母は小さく手を振った…1945年8月9日長崎、16歳の「わたくし95歳」母との最後の朝」
後編 「わたくし95歳」1945年8月9日長崎で、16歳の「わたくし」が見た家族の最期
渡邊渚さんが森田富美子さん・京子さんにインタビューをした記事はこちら
前編 渡邊渚が「わたくし96歳」に聞く戦争の話「PTSD治療から退院した直後、長崎に行ったんです」
後篇 PTSDを患った渡邊渚が「わたくし96歳」に聞く心の話「原爆のトラウマに苦しまなかった理由」 

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