戦後80年、「被爆樹木」から戦争の記憶をふりかえる『新版 広島の木に会いにいく 被爆樹木が見る未来』

2025.06.16 10:00
偕成社
「75年は草木も生えない」といわれた広島の街で、爆風と熱線を生き残った樹木があった-----。
株式会社偕成社(出版社 本社:東京都新宿区 代表取締役社長:今村雄二)は、2015年刊行の書籍に改訂を加えた『新版 広島の木に会いにいく 被爆樹木が見る未来』(石田優子 著)を2025年6月23日(月)に発売します。
高齢化する被爆者の声を次の世代へ届ける役割をはたし、いま注目が高まっている被爆樹木について知る、ノンフィクションです。

▼書籍詳細
原爆を生きのびた被爆樹木をとおして、戦争の記憶を伝えるノンフィクション
1945年8月6日に広島に投下された原爆。約14万もの人が亡くなり、緑ゆたかだった広島の街にあった多くの木の命も失われました。街は「75年は草木も生えない」と言われていましたが、ほどなくして、地面には新たに草が生え、木から新芽がでたといいます。そして現在、原爆を生き延びた159本の木が「被爆樹木」として市に登録され、樹木医による観察と治療をうけながら、広島の街を見守っています。
被爆樹木。(左下)広島城のユーカリ。くねくねと枝が曲がっている。(右下)クスノキ。爆心地側の木肌がみだれているなど、原爆の影響がみられる。

本書は、ドキュメンタリー作家の石田優子さんが、長年これらの被爆樹木の治療を行ってきた樹木医の堀口力さんを中心に、被爆証言と木の思い出を語る被爆者たち、原爆後の広島の樹木をスケッチして研究した当時大学生だった方、被爆樹木が爆心地に向かって傾いていることを調べた研究者などへの取材を通して、戦争の記憶を伝えるノンフィクションです。

戦後80年をむかえるにあたり、2015年に刊行したものに改稿をくわえ、このたび、ソフトカバーの新版として刊行しました。10年前に瀕死の状態だった被爆樹木ソメイヨシノのいまの様子もつたえます。
2014年の取材時に撮影した、山陽文徳殿のソメイヨシノ。樹木医の堀口力さんが見まもりつづけている。

本書に登場する被爆体験者の何人もが、戦後、木に芽吹いた新芽をみて、絶望から救われ、「生きる力」をもらったと証言しています。その被爆樹木たちは、被爆体験を直接聞くことが難しくなっている今、戦争の記憶を後世につたえる「語り部」としての役割をにない、ますます重要な存在となっています。この本で、「木」を入り口に、子どもたちが原爆、命の大切さについて考えるきっかけを作れたらと願います。巻末には、被爆樹木マップも掲載しています。
●被爆樹木について
広島で被爆樹木として登録されているのは、爆心地を中心におよそ半径2m以内にある159本の木です(2025年現在)。そのすべての幹に、被爆樹木であること、どのような木かの説明が書いてあるプレートがかかっています。一見ほかの木と違いはありませんが、よく観察すると、爆心地の側の根のはりかたがすくなかったり、爆心地側の木肌はがみだれていたりと、原爆の影響が見られます。



⚫️樹木医・堀口力さん(80歳)について
堀口力さんは1945年満州國四平省生まれ、宮崎県出身。大学卒業後、広島の都市緑化に関わった28歳のころに日本初の「樹医」山野忠彦氏との出会い、被爆樹木という無言の証人を残すことをライフワークにしようと決心。1991年、広島県で初の樹木医の資格を取得し、 以来、広島市の被爆樹木に関わって、保存活動をおこなっています。2015年「広島市民賞」受賞。2020年「広島市みどり生きもの協会賞」受賞。



⚫️2024年のノーベル平和賞授賞式と被爆樹木
被爆樹木の2世の種や苗は日本中、世界中へ届けられています。日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞授賞式の際には、オスロ大学の植物園で被爆樹木の種を植えるセレモニーがおこなわれました。
【イベント情報】著者 石田優子さんと、樹木医 堀口力さんの講演会
⬜︎「広島の木に会いに行く 被爆樹木が見る未来」(講師 :石田優子氏)
日時:2025年8月3日(日)13:30~15:30
場所:広島市植物公園

⬜︎「被爆樹木を未来につなぐ」(講師:堀口力氏)
日時:2025年7月20(日)13:30~15:30
場所:広島市植物公園

定員はいずれも先着100名程度

★著者の石田優子さんは、被爆樹木の映像取材を継続中のため、6月から8月に来広予定があり、広島で取材が可能です。ぜひこの機会に貴媒体でのご紹介をお願いいたします。
著者紹介
石田優子:1978年東京生まれ。慶応義塾大学卒業。大学在学中から映画美学校にてドキュメンタリー作家佐藤真に学ぶ。その後映画製作会社シグロにて「エドワード・サイード OUT OF PLACE」(監督/佐藤 真)の助監督などを経験。漫画家・中沢啓治の被爆体験の証言を記録したドキュメンタリー映画「はだしのゲンが見たヒロシマ」(2011年)が初監督作品となる。第17回平和・協同ジャーナリスト基金 審査員特別賞などを受賞、国内外で上映が行われる。ほかに教材用DVD「はだしのゲンが伝えたいこと」(2011年)、「ルルド、車いすで歩く」(2014年)などがある。被爆樹木のドキュメンタリー制作を継続している。



書籍詳細
『新版 広島の木に会いにいく 被爆樹木が見る未来』
著:石田優子
定価1,650円(税込)
判型:19cm×13cm
ページ数:223ページ
対象:小学校高学年から
発売日:2025年6月23日(月)

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