『流星と吐き気』金子玲介 著──実を結ぶことはあるか、終わった恋への執着

文字から栄養。ライター・瀧井朝世さんの、よりすぐり読書日記。 『流星と吐き気』　金子玲介 著　講談社　1,980円 元カレ・元カノをめぐる短篇集。「恋なんて遠い日の花火」状態の人は他人事だと思ってニヤニヤして読むだろうし（私だ）、元恋人の思い出を引きずる人が読んだら正気に戻るかもしれない（失礼）。 恋人と別れた後の精神状態は、その恋によってケースバイケース。忘れられなくて引きずることもあれば、「相…