「いい香り」がパチンコ店にもたらす価値。表参道の香水メーカーとマルハン北日本カンパニーが仕掛ける、新たな顧客体験。

2025.07.07 07:07
来店時の顧客体験の充実を重視してきた大手パチンコホールのマルハン北日本カンパニーと、香りで人々のライフスタイルを彩るフィッツコーポレーション。異色とも思えるこの2社がタッグを組んで生まれた、ブランドマーケティング戦略の裏側に迫ります。両社の担当者が語る、なぜ「香り」が必要だったのか?そしてこのプロジェクトの鍵となった、フィッツコーポレーションの新規事業とは?
―――最初に、マルハン北日本カンパニーが顧客体験の充実を重視してきた経緯を教えてください。
株式会社マルハン 北日本カンパニー 営業戦略部 販売促進課 課長 遊佐孝一郎氏


【遊佐】
マルハン北日本カンパニーのパチンコ事業では、事業コンセプトを「ジャパニーズ娯楽」と定め、ブランディング活動に取り組んでいます。まず、その意味や想いからお伝えさせていただければと思います。
パチンコは100年近い歴史があり、日本全国で楽しめるもっとも身近にある娯楽として、長年人々の生活に寄り添ってきました。海外にはない日本独自の産業であり、もはや文化でもあると私たちは考えています。近年はさまざまなエンターテイメント・娯楽のオンライン化が進んでいます。時間をかけず・携帯で全てが完結する。便利な反面、今だからこそ、パチンコが昔からもっている「日常のもっとも身近にある、リアルで体験できる非日常」という本質的な価値を伝えるべきだと思っています。


その本質的な価値である「リアルで体験できる非日常」をより磨いていくために、改めて重視したのが“五感”です。実はマルハン北日本カンパニーでは、この3年間でブランディングの一環として、五感で感じる顧客体験について、様々な取り組みを1つずつ進めてきました。デザインやビジュアルを統一する視覚、パチンコ店ならではの玉やメダルなどの触覚はもちろんのこと、聴覚では入店・営業中・退店などに合わせて流す楽曲を有名ミュージシャンに提供していただいたり、味覚は弊社のマスコットキャラクターのベビーカステラをつくりイベントで提供したり。ただ唯一、トライ&エラーを繰り返す中で軌道に乗っていなかったのが、嗅覚=香りだったんです。マルハン北日本カンパニーが運営する全店舗に展開できるサービスやメーカーさんがなく、あってもコストが見合わないなど、最終的な意思決定までに、高いハードルがありました。




―――それをこのタイミングで改めて再挑戦されたのには、何か理由があったんでしょうか?


【遊佐】
実はマルハンでは大切にしている日がありまして。それが、渋谷の道玄坂に「マルハンパチンコタワー渋谷」が完成した平成7年7月7日なんです。パチンコのイメージを変え、人気を高めるパーセプションチェンジになった店舗が誕生した日から、今年の令和7年7月7日でちょうど30年。私は3年前に現在の部署に異動したのですが、その時からこの日を見据え、最後の課題だった嗅覚=香りを全110店舗に導入することを達成しようと心に決めていました。香りで、30年前のあのパーセプションチェンジの続きをやろう!と。なぜなら私自身、香りマーケティングの書籍などを読み、その重要性をとても感じていたからです。マルハン北日本の店舗に入った瞬間に、ふっと良い香りがして非日常に迎え入れられたことを、意識しなくても誰もが感じられる…そんな体験をぜひお客さまにしていただきたいと、強く思っていたんです。


そんな時にご縁をいただいたのが、フィッツコーポレーションさんが展開している業務用アロマディフューザーのレンタルとサブスクサービスでした。まさに私たちが探していたサービスだと感じ、お話を進めさせていただきました。




―――富樫社長にお聞きします。業務用アロマディフューザーのサービスは、フィッツコーポレーションの新規事業の一環だとお聞きしています。香水販売というtoCメインの事業が主軸の中で、toBの新事業を立ち上げたことには、どんな背景があったのでしょうか?
株式会社フィッツコーポレーション 代表取締役 富樫康博


【富樫】
弊社はこれまで、時計や車、ファッションなどさまざまなブランドからお声がけいただき、コラボレーション香水などの企画開発を行ってきました。その時感じたのが、「香りの拡張性」が持つ可能性です。香りは目に見えないものだからこそ、業種や企業の垣根を軽々と超えていける存在なのではないか。そして、これまで親和性が高いと思っていた業種はもちろん、医療や介護など、多種多様な分野と掛け合わせることで、新しい価値の創造や、社会問題の解決の一助になるかもしれないと感じていました。


そんななか、新卒で入社したある2人から、業務用アロマディフューザー展開の原型となるビジネスモデルの提案があり、これはまさに香りの拡張性の芯を捉えた発想だと感じ、新規事業としてスタートしてみようと決断をしました。なぜそんなチャレンジを?と思われるかもしれませんが、それは私自身が30年以上前にこの会社を立ち上げたように、フレッシュな若手に挑戦する機会を作りたかったから、それが自分の役割だとも思っていたからです。その背景には、私の大きなテーマでもある、「事業の継続」という目的もあります。長く経営をしていると、どの会社でも必ず出てくるのが「事業承継」という課題。誰か優秀な人材にバトンを渡してあとは任せた!でも済むのかもしれませんが、私はそれでは相手にも社員にも無責任だと思うのです。事業を承継するには、それが継続できる事業であることが大前提。継続とは、その事業が社会に求められ、貢献し、サステナブルであることだと思っています。そしてそのためには、時代を感じとる若い感性がとても大切。だからこそ、弊社では新卒採用や人材育成に力を入れ、今回のような挑戦も後押ししています。




―――立ち上げメンバーの森野さんには、どんな想いがありましたか?また、具体的にどんなサービスをスタートしたのか教えてください。
株式会社フィッツコーポレーション every air チーム 森野達平


【森野】
いつでもどこでも良い香りの空気をお届けしたいという想いを込め、香りで空間演出できる業務用アロマディフューザーのレンタル×サブスクサービスを開始しました。これまでも、高級ホテルのロビーなど、香りで空間演出をしている場所はありましたが、先ほど遊佐さんが「挑戦したが実現しなかった」とおっしゃったように、一般の店舗や施設で継続的に使用するには導入費用が高額だったり、ディフューザーの操作や香料の調整が難しかったりで、導入ハードルが高いものだったんです。だったら、香水を手軽に楽しむ文化をつくってきた私たちフィッツコーポレーションが、空間の香りをもっと手軽に楽しめるようにしていこう!新しい香り文化を広げるために、手に取りやすいサービスを作ろう!と考えたのがこの新規事業のスタートでした。


手軽でリーズナブルであることを前提にしながらも、香水メーカーとして香りの質には徹底的にこだわりました。香りは、慣れた香り(=身近でよく感じる香り)の方がなじみやすい・自然と受け入れやすいと言われているのですが、反面、なじみのあるどこかで嗅いだことのある香りだと、非日常感がなくチープに感じてしまうことも。私たちが提供したい香りは、やはり特別なものだったり、マルハン北日本さんがおっしゃっているブランディングに通じるものだったり、非日常を感じるものでありたい。そんな想いも込めて、業務用アロマディフューザー「Laaveen(ラヴィーン)」では、5つ星ホテルでも導入される高品質の香りも含め、全6種類を用意しました。「リラックスできる空間にしたい」「華やかな香りがほしい」「インテリアに合わせて」などさまざまなご要望に向き合いながら、レンタルのディフューザーと共におすすめの香りを提案しています。


現在は、オフィス、温浴・サウナ施設、宿泊施設、クリニック、サロンなどさまざまな業種でご利用いただいていますが、今回のマルハン北日本さまとのお話は、まさに私たちが目指している香りでの体験価値やブランディングを明確に志向されていたこともあり、本当に嬉しいコラボレーションでした。




―――マルハン北日本カンパニーが「Laaveen」を導入された決め手はなんでしたか?
マルハン北日本カンパニーの110店舗に導入される業務用アロマディフューザー「Laaveen」


【遊佐】
110店舗に導入するにあたり、各店舗のスタッフが管理しやすい機器だったこと、コスト面、フィッツコーポレーションの皆さんが真摯に対応してくださったことなど多々ありますが、やはり決定打となったのは香りです。“嗅覚”というテーマに対して、消臭というアプローチではなく「いい香り」をお楽しみいただきたいというこだわりがありました。だからこそ、どこにでもある香りではなく、今お話にあった5つ星ホテルなど高級感や上質な体験をする場で支持されている香りは、まさに非日常を演出したい私たちが求めるものでした。各店舗で、お客さまをお迎えする風除室と、お手洗いにそれぞれ違う香りを設置していきます。


【森野】
風除室には高級ホテルでも採用されているホワイトティーに、アクセントとしてシトラスなどを調香したオーシャンノートという海辺を感じるような香りを加えた香料を使用しています。まるでリゾートに訪れたような非日常感と高揚感を感じていただけると思います。お手洗いにはホワイトティーにソフトなフローラルの香りを重ね、5つ星ホテルのロビーを思わせるような香りを採用していただきました。清潔感と高級感を兼ね備えた香りがふんわりと広がり、ほっと一息つきける空間を演出しています。


【遊佐】
実は事前にテスト導入した店舗がいくつかあったんですが、お客さまがすぐに気づいてくださって。「この香りはどこの香り?」「売ってないの?」「どこで買えるの?」などたくさんのお問合せをいただいたんです。しかも男女差や年齢層関係なく、です。こういうお声を直接いただくことって、なかなかないので。7月7日から始まっていく本格導入で、もっとたくさんの方にマルハン北日本の店舗での非日常体験をしていただけるのが楽しみですね。
―――最後に、皆さまが考えるブランドの未来、事業の展望などをお聞かせください。


【遊佐】
最初にお話しましたが、何よりも目指しているのは「一番身近にある非日常をリアルに体験できる場所」として、一人でも多くの人にパチンコのファンになっていただくことです。今は、昔のようにパチンコ=タバコを吸う場所でもないですし、音も静か。玉に触れる時間も短いので手が汚れることもありません。ノンユーザーの方や、昔遊んでいた方などが、ちょっと行ってみようかなと思える場所。ふと足を運んだ時に「余暇の選択肢としてこれもありかな。パチンコっていいじゃん」と思っていただけるような場所にしていきたいですね。そう思っていただけることが、我々の事業コンセプトである「ジャパニーズ娯楽」、パチンコファンを創ることの実現に向かうと考えています。香りが導入され、五感が完全装備された、リアルな顧客体験ができる、マルハン北日本カンパニーの店舗へぜひ足を運んでみて頂けると嬉しいです。
【森野】
現在、私たちのチーム名は「every airチーム」というのですが、これは「every air =すべての空気」と「everywhere=どこでも」のダブルミーニングです。シンプルに「香りがないより、ある方がいいよね」「いい香りのある空間で過ごすって心地いいよね」っていうことを、私たちがいろんなところに香りをお届けすることで、もっと伝えていきたいですね。また、今回マルハン北日本さんとタッグを組めたことで、香りが今後のブランドマーケティング戦略の一助になれたとしたら光栄ですし、every airチームとしてさまざまな業種と香りが掛け合わさることで広がる可能性を、もっと追求していきたいと思います。
【富樫】
ファッションや健康、美容など、これまで香りと親和性が高いと思われていた業界から、「every air」というチームが誕生し、新たな事業がスタートしたことで香りが飛び立ち、今回はエンターテイメントの文化を育んできたマルハン北日本さんとのコラボレーションが実現しました。


これからの時代は企業の大小を問わず、例えば本屋さんとカフェが協業するというように、専門性を持つ事業者同士がタッグを組むことで新しい価値が生まれると感じています。先ほどお話したように、今後はさらにさまざまな業種、例えば医療や介護などと香りの関係なども模索していくつもりです。その際に大切なのは、私たちが「香りといえばFITS」と誰もが想起する存在になること。単に香水を輸入する事業者ではなく、オリジナルでものづくりをしていることに誇りを持ち、香りが持つ可能性を信じ、香りを通じて生活者の未来のライフスタイルを共創する。そんな香りのプラットフォーマーとなることを、これからも目指し続けます。そして、そうあることが、先ほどお話した「事業の継続」にも結びつく。そんな未来を描いています。


【プレスリリース】

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