リノベる
~「Green Renovation」をグランドコンセプトに、「新たな暮らし」と「環境との共存」を提案~
東急不動産株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:星野 浩明、以下「東急不動産」)は、不動産ストックの流通・利活用を推進するリノベーションプラットフォーム運営のリノベる株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:山下 智弘、以下「リノべる」)と、築年数の経過により空室課題を抱える賃貸マンションにバリューアップリノベーションを実施し、賃貸レジデンス「コンフォリア北葛西」(以下「本プロジェクト」)を竣工しましたのでお知らせいたします。
本プロジェクトは東急不動産が事業主、リノベるがプロジェクトマネジメントおよび総合企画、設計・監理・施工を担当し、東急不動産が保有する築34年、約3割が空室だった賃貸マンションをリノベーションし、収益の改善を図ったものです。リノベーション前に比べ平均35%賃料を改善、周辺の築浅マンション同等の賃料水準を実現しています。
リノベーションは、建て替えや新築に比べて、コストを抑えながら建物を長寿命化し、CO²排出量・廃棄物排出量を削減(※1)できるサステナブルな手法です。東急不動産ホールディングスが掲げる長期ビジョン「GROUP VISION 2030」のスローガン「WE ARE GREEN」に則り、リノベーションのグランドコンセプトを「Green Renovation」と設定、「新たな暮らし」と「環境との共存」の具現化を行いました。本プロジェクトでは、環境性能に加えて防災やコミュニティ等への配慮を行い、社会・経済に求められる不動産へ再生、ウェルビーイングな暮らしとサステナビリティの実現を目指しました。
※1 リノベる株式会社「賃貸レジデンス『コンフォリア高島平』で産学共同研究を実施。リノベーションで建て替えに比べCO2排出量を75%、廃棄物排出量を96%削減。省エネリノベーションによる効果は、40年間のCO2排出量を5%約1,000t削減」(2023/12/7)(参考URL:
プロジェクトの背景
2023年、東急不動産は賃貸マンションとして稼働中だった従前の建物を取得しました。従前の建物は、取得時点で築32年、共用部は大規模修繕時期を迎え、専有部は間取りも設備も老朽化、約3割にあたる16室が空室となっており賃貸マンションとしての競争力が落ちていました。また、立地特性として自転車利用者が多くいる一方で駐輪場が不足、利便性と管理の両方で課題がありました。そうした課題を踏まえ、大規模修繕と16室のリノベーションに加え、リノベるにおける「COMFORIA」シリーズのリノベーションのグランドコンセプトである「Green Renovation」に則り、価値を高める共用部バリューアップを実施することになりました。
なお、東急不動産が展開する「COMFORIA」シリーズは、「くらしと環境を、一歩先へ。」をコンセプトにした賃貸レジデンスであり、東急不動産とリノベるは、2023年に旧社宅をリノベーションした「コンフォリア高島平」、2024年に賃貸マンションをリノベーションした「コンフォリア川口」と、これまでに2棟の既存建物を再生・収益化してきました。本プロジェクトは、両社によるリノベーション協業第3弾となる取り組みです。
リノベーションのポイント
本プロジェクトは、周辺に特色ある公園が点在し、行政による子育て制度も充実したエリアに位置しています。加えて、都心のビジネス街へのアクセスがよく生活利便性が高いことから、共働きの子育てファミリーが多く住むエリアです。そこで、30代を中心とした子育て世帯をターゲットに設定、「暮らしに愛着を」というコンセプトで共用部のバリューアップリノベーションを実施しました。暮らしの中で小さな気づきや発見を得られるような仕掛け、地球環境に貢献する緑を計画し、子育て世帯が日々の暮らしに楽しみと愛着を感じられる住環境を目指しました。また、利便性や暮らしの質の向上につながる機能性向上も実施しております。
1.エントランスデザインを刷新
建物の顔であるエントランスは、造形的なルーバー壁とベンチにもなるデッキスペースで印象を劇的に刷新。再生木を使用し、植栽やサインを設え、帰宅したときにホッと感じられる、愛着を感じられるデザインとしました。
デッキスペースには、放課後、子供たちが待ち合わせをする姿も。地域からも愛される場所となりました。既存の宅配ボックスを隠すようR(アール)のルーバー壁を設置し、なじませています。
エントランス(after)(撮影:黒岩翼写真事務所)
2.地域の緑との繋がりを配慮した植栽計画
外構や敷地内を緑化し、近隣の公園をモチーフとしたマイクロパークを点在させました。近隣の公園にある樹木をメインツリーとし、サインを設置することで、地域の公園散策に誘う仕掛けとしました。ウェルビーイングな暮らしに寄与することを意図しています。
右:敷地内に点在するマイクロパーク
3.インタラクションを生むサイン計画
住まいや地域に愛着をもつきっかけとして、居住者の意識に影響を与えるようなサインを館内に設置しました。
エントランスホールに近隣の公園の位置を壁面に書いた公園マップを設置。メインツリーのサインと共に周辺の公園に誘う仕掛けです。
エレベーターや階段室には、子供が楽しめる動物のモチーフを用いたグラフィックウォールを設置。床面に配置された動物の足跡をたどることで階段の昇り降りが楽しく、健康的で環境に配慮した暮らしへの第一歩になることを目指しました。
左・左中・右中:階段室のウォールグラフィック。階ごとに動物が異なり、足跡も異なる。右:エレベーター内部をグラフィックウォールに(撮影:黒岩翼写真事務所)
ごみ置き場には、グラフィックで分別やごみ削減、美化を促すメッセージを設置。自然とサステナビリティを意識する仕掛けとしました。
ごみ置き場入口ドアのグラフィック(撮影:黒岩翼写真事務所)
各階の共用廊下・バルコニーの軒天を異なる色で塗装。階ごとに異なる表情となり、子供を含む居住者が「私の階」と愛着を持てるような色彩計画としました。
北側外観(撮影:黒岩翼写真事務所)
4.子育て世帯の暮らしを考えた住戸デザイン
専有部16室は、リノベるの住宅リノベーションで培ったナレッジを活かし、子育て世帯の暮らしを考えたリノベーションを実施しました。ベビーカーや外遊びの道具を置けるよう玄関土間を広く取り、間取りは2LDKにも使えるスライド引戸で仕切れる2SLDKや3LDK、ウォークインクローゼットを新設し大容量の収納を確保しました。
LDK、可動間仕切りで仕切れる洋室(撮影:黒岩翼写真事務所)
ユニットバス・キッチン・洗面・トイレ等水回りは新調し、バス乾燥機・食洗機を設置、子育て世帯に嬉しい家事をサポートする設備を導入しました。また、対面キッチンや黒板クロス、R(アール)形状のインナーテラスを設置し、家族の会話が生まれるファミリーフレンドリーなデザインとしています。
棚や室名表示サインには、岡山県西粟倉村産の間伐材を使用、ウェルビーイングな暮らしとサステナビリティに貢献します。またエアコン設置不可の部屋にはエアコンを実装、機能的なリカバリーも行いました。
上右:対面キッチン、左:間伐材を使用した室名表示サイン、中:ウォークインクローゼット、右:間伐材を使用した棚板(撮影:黒岩翼写真事務所)
■物件概要
建物名称:「コンフォリア北葛西」(従前)ニューガイアリルーム北葛西No.58
所在地:東京都江戸川区北葛西5-16-11
交通:東京メトロ東西線「西葛西駅」 徒歩15分
都営新宿線「船堀駅」 徒歩20分
構造規模: RC造地下1階地上8階
敷地面積:1,369.57平方メートル (414.29坪)
延床面積:4,211.91平方メートル (1,274.10坪)
用途地域:第一種住居地域
許容建ぺい率:70%
許容容積率:300%
竣工年:1991年(新築時)
リノベーション竣工:2025年4月
戸数:56戸(今回リノベーション実施16戸)
間取り:2SLDK・3LDK (今回リノベーション実施16戸)
物件HP:
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東急不動産ホールディングス株式会社の中核企業であり、都市や住宅、再生可能エネルギーなど各種事業を展開する総合不動産企業です。デベロッパーとしてこれまで培った開発力をもとに、環境へ配慮したまちづくりをおこない、新しい住まい方、新しい働き方、新しい過ごし方を創造・提案します。
社名 : 東急不動産株式会社
設立 : 1953年12 月
本社 : 東京都渋谷区道玄坂1-21-1 渋谷ソラスタ
代表者 : 代表取締役社長 社長執行役員 星野浩明
主な事業内容 : 住宅事業、オフィス・商業施設事業、インフラ・インダストリー事業、リゾート事業、シニア 住宅事業、ソリューション事業、投資マネージメント事業、海外事業
◆リノベる株式会社◆
リノベるは、ミッション「日本の暮らしを、世界で一番、かしこく素敵に。」の実現に向け、個人・法人が保有する既存ストックの流通・利活用を推進しながら、サプライヤーであるリノベーション事業者とのマッチングを実現する統合型リノベーションプラットフォームを構築しています。全国500社のパートナー企業と連携し、個人顧客向けに国内No.1の実績(※2)を持つ中古マンション探しとリノベーションのワンストップサービス「リノベる。」や、法人顧客向けにCRE戦略推進と有効活用ソリューションをワンストップで提供する「都市創造事業」を展開。また、サプライヤーには、リノベーションに最適化された経営・運営・DX支援も行っています。3つのプラットフォームの連携により、個人、法人、サプライヤーが抱える課題を価値に変えて成長を加速させ、循環型社会やカーボンニュートラル社会の実現を目指しています。
コーポレートサイトURL:
※2 リフォーム産業新聞1622号(2024/10/28発行)『マンションリフォーム売上ランキング2024』にて、ワンストップサービスを手掛ける事業者として首位