2024年4月の分社化から1年が経過した日立ヴァンタラ。
日立ヴァンタラの誕生により、ゼロから営業部の立ち上げを行いました。日立のモノづくりの強みである「国内製造」「日本品質」はそのままに、製販一体によりスピード感をさらに強化し、お客さまへの提案を進化させています。
今回は、そんな日立ヴァンタラの営業部で課長として各チームを牽引するリーダーの4人に話を聞きました。本ストーリーでは、分社化から営業部の挑戦や苦労、飛躍の2年目にするための意気込みについてお伝えします。
日立ヴァンタラの新たな挑戦の舞台裏を覗いてみましょう。
左から営業部の課長を務める、植田、北原、松村、土橋
日立ヴァンタラの誕生によって生まれた、大きな挑戦。その裏にあった、それぞれの想い
2024年4月に設立された日立ヴァンタラは、日立製作所でデータストレージやサーバーなどのデータインフラストラクチャとハイブリッドクラウド事業において製造開発を行っていた国内部門であるITプロダクツ事業部門と、グローバルでデータインフラストラクチャを提供してきた米国Hitachi Vantara内のデジタルインフラ部門が連結運営する形になり設立された会社です。
新会社として立ち上げられた背景には、経営の意思決定の迅速化を図りたいという想いがありました。世の中の変化のスピードがより一層早くなっており、組織を分けることで事業環境にあわせた意思決定を迅速化させるほか、マーケットインのプロダクトや国内ビジネスの強化、オペレーションの最適化を図ることが設立の狙いでした。
分社化の話が社内で発表されたのは2023年10月末。4人の課長たちは、それぞれ別の部署でその話を知ることとなりました。11月ごろから日立ヴァンタラの設立準備に携わり、方針の策定にも取り組んだ北原は、「日立製作所のものづくりを引き継いでいく存在になるため、かなりの重要性を担った会社になるんだろうなと思いました」と当時を振り返ります。
続けて、「また同時に、世の中でクラウド化が進んでいます。その環境下で、サーバーやストレージなどデータインフラを主要ビジネスする新会社はどのような戦略で勝ち残っていくのだろうかと当時は考えていました」と率直な感想を語ります。
当時の様子について、懐かしさを交えて話す北原(写真、右)
松村は、話を聞いた当時のことをこう振り返ります。
「以前、グローバルにビジネスを広げていく拠点を日本にも作る構想や検討について話を耳にしたことがあったため、今回の話を聞いたときは『いよいよか』と感じました。私は外資系日本法人のお客さまに営業活動をしてきたのですが、海外営業メンバーと連携を取ったり海外出張へ行ったり、シンガポールに駐在した経験から、日本にはない海外の活気や盛り上がりを感じてきたんです。日本でもそういった感覚を味わえるようになるのかなというワクワク感がありつつ、一方で『あの雰囲気は日本の風土に合うのだろうか』という想いもあったという感じでしたね」(松村)
松村も、期待と不安が入り混じる当時の心境について話してくれた
0から立ち上げた営業部。その躍進を支えた前向きなカルチャー
こうして、2024年4月1日付けで始動した日立ヴァンタラ。従来からお付き合い頂いているお客さまに加えて、新規にお取引するお客さまの拡大やグループ内での製品活用を推進する役割を担い、少数精鋭のアライアンス営業部という組織がスタートしました。
営業部が独自に掲げているミッションには、「市場のニーズをいち早く理解し、製品やサービスへフィードバックする」という「売るだけではなく、今後のより良い製品開発に反映していく」という内容も盛り込まれています。ただ売るだけではなく、日立ヴァンタラにおける継続的なビジネス拡大を使命として営業活動を重ねてきたと北原は振り返ります。
今では少しずつ形になっている営業部ですが、立ち上げには様々な苦労がありました。役割毎にそれぞれの難しさがあるなか、特に新しく取引を始めるお客さまへの営業活動は「どこから始めればいいのかわからず、苦労の連続でした」と植田は話します。
「私個人として、新規営業の経験が無い中でのスタートでした。どこから手を付ければいいのかもわかりませんでしたし、コンタクトを取る先があったとしても適切な話の進め方がわからず、新規開拓の手順を調べながら進めていきました。ただ、設立当初は『日立ヴァンタラ』という名前も知られていませんでしたから、電話をかけてもなかなか話を聞いてもらえるところまでいけませんでしたね。さまざまな手段を駆使して、少しずつ歩みを進めていった形です」(植田)
初めての経験が多くあった中でもチャレンジを重ねた植田
課長の4名は課長会を毎週開き、進捗の報告や意見交換を行っています。参加している全員が、課長会が自身にとって良い場になっていると口を揃えます。過去の経験が異なる4人だからこそ、お互いの参考や刺激になる有意義な場となっているのです。土橋は「異なる視点からの意見を聞くことで新たな発想が生まれることもあり、お客さまへのより良いご提案につながっています」と話します。
課長会のような能動的に会話する機会を設けるなど、前向きな雰囲気で事業を推進している営業部ですが、植田はチーム内のカルチャーについても詳しく話しました。
「バックグラウンドの異なるメンバーに悩みを相談し気づきを得られることで、可能性を広げられているなと感じます。あと大きいのは、『迷ったらGO』というスタンスですね。『とりあえずやろう』というマインドがあり、執行役員と話すなかでも『がんがんいこうぜ』と背中を押していただいています」(植田)
設立から1年経ち、多くの引き合いをいただくなど盛況となっている営業部。更なる価値提供に向けて、営業体制を強化するべく採用も強化しています。
今までの良さはそのままに、新たな強みが育つ。「製販一体」によるスピード感、対応の柔軟さをお客さまへ
立ち上げ期の様々な苦労を乗り越え、すでに日立ヴァンタラという新たな組織を作った変化は見えていると北原は語ります。
「今までもお取引のあったお客さまから『ヴァンタラとなり、これまで以上に対応スピードが早くなった』『より深い提案をしてくれるようになった』おっしゃっていただいています。日立ヴァンタラは営業部門と設計・開発部門が一体になっているため、確かに格段にスピードが上がっています。
お客さまからの要望を営業が設計・開発部門に直接伝えられるようになったのも、分社化により起きた良い変化のひとつです。社長にもすぐコミュニケーションが取れるほど風通しが良いため、お客さまから機能要望を受けた際も、長期間お待たせすることなく『できます』と回答できるようになりました。新商品の開発においても、当初めざしていたビジョンを実現させ、営業のフィードバックや希望を反映した製品開発ができるようになったのです」(北原)
日立ヴァンタラの特徴について、植田は「工場との近さ」をあげます。
「重要な局面で幹部を巻き込みやすいので、設計担当者に現場でプレゼンをしてもらうこともできますし、『日立』の冠をかぶった品質保証部のトップに出向いてもらって説明してもらうこともできるようになりました。お客さまにとっても非常に説得力が増すでしょうし、営業としてかなり心強いです。工場側が営業を応援してくれている姿勢も感じられ、見積もり提案のスピードも上がっていますし、尖った提案もしやすくなりました。やりがいもありますし、動きやすくなったのは分社化して良かった点だと思いますね」(植田)
このように分社化による良い変化がある一方で、日立製作所時代から引き継がれている良さもあります。その一例として、土橋は「工場に来場して頂いたお客さまから、『こんなに整理整頓されている工場は見たことがない、素晴らしい!』とお褒めいただいたことがあります。これは日立製作所時代から引き継いでいる良さですね」と話します。そんな土橋は、日立ヴァンタラの特徴として「海外との連携」に触れ、「だんだんと絆が太くなってきている」と続けてくれました。
「海外拠点での成功事例を日本でも知れるようになったことで、日本のやり方との違いもわかるようになりました。海外のプレゼン資料を見ると、的を射ていると感じますね。AIの提案をはじめとして、もっと学べるところがたくさんあると思っています。海外ではファイルストレージも大きく成功しているので、連携を生かして日本でももっと成功させたいという想いが強まっています」(土橋)
日立製作所の持っていた良さ、そして海外拠点がある独自の強みについて話す土橋
「海外」というワードに関連し、北原は「米国Hitachi Vantaraでの教育機会があることも日立ヴァンタラ独特の強みだと思います。海外に足を運び、現地でのビジネスの仕方を学ぶことができるんです。今度は松村が行くことになっています。また、米国Hitachi Vantaraとビジネス連携する場面とともに、グローバルで若手が活躍できる場が増えてきています」と語りました。
地盤の固まった1年目。次は1兆円をめざし、いざ飛躍の2年目以降に
ビジネスを広げていくための地盤固めに力を注いだ1年目。組織として整備されていなかった点を整え、マーケティングやインサイドセールス担う、打って出る基盤が作られました。分社化したことで風通しが良く製品の改善をしやすくなり、お客さまの声を営業が伝えることでアジャイルな意思決定ができる正のスパイラルを生める組織体制が構築されています。
2年目以降の日立ヴァンタラは、新生Hitachi Vantara、Hitachi Digital Services、Global Logicの3本の矢で海外ITサービス事業の売上高1兆円をめざした挑戦を本格化させ、日立ヴァンタラの特長である「日本で磨き上げた高信頼なモノづくり技術」「グローバル販売チャネル/マーケティング戦略」を活用し、突き進んでいます。
今後の営業部について、課長たちは「1年目の仕込み期を終え、2年目は飛躍の年にしたい」と意気込みを見せます。
「これは日立ヴァンタラではなく日立そのものの文化でもあるのかもしれませんが、弊社には人を大事にしてくれる文化があると感じています。現在、日立ヴァンタラは経験者採用を進めていますが、採用や研修に投資してもらえているなと。また、人だけではなく、営業が開発側に伝えた市場の声を反映した製品開発にも投資してもらえています。こうした投資は営業の武器を増やそうとしてくれていることだと理解していまして、期待の表れだと捉えています。その期待に応えられるよう、今年も来年も新規のお客さまを増やしていきたいです」(植田)
「この1年をかけ、国内市場を主に見るやり方と海外だけを見るやり方との視点の違い、考え方を融合してきました。これからは互いの強みに磨きをかけ、今まで踏み込めなかったお客さまに対しても、相互の総合力を集結して踏み込んでいけることで、活躍の場を広げられるのではないかと考えています」(松村)
米国Hitachi Vantaraの強い製品の逆輸入の流れも出てきており、新たな製品ラインアップも加え、より大きなビジネスができる会社へと着実に歩みを進めています。また、日立グループで掲げる「One Hitachi」に基づき、グループ間の連携を強化し、ノウハウの集約からお客さまへの価値提供の最大化も推進しており、サーバーやストレージを軸に貢献を強めています。
日立ヴァンタラはこれまで金融・社会・公共・産業とすべての業種のお客さまのミッションクリティカルシステムへデジタルインフラを提供しており、米国Hitachi Vantaraはフォーチュングローバル100の86%のお客さまにご採用頂いております。この幅広いお客さま層と多くの導入実績とノウハウを生かし、パートナー様・クラウドベンダ様・テックベンダ様との幅広いパートナーリングにて更なるお客さまへ付加価値を提供していき、社会インフラを支えて行きたいと考えております。
しっかりとした土台を固め、いざ飛躍へ。お客さまがビジネスを広げられる一助となるべく、グローバルNo.1の営業集団をめざしてまいります。
■お問い合わせ先
日立ヴァンタラ株式会社
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