神田外語大学スペイン語専攻卒業生が共訳デビュー

2025.06.10 18:12
佐野学園
― 留学と卒業研究がつないだ翻訳出版への道 ―

神田外語大学(千葉市美浜区/学長:宮内孝久)イベロアメリカ言語学科スペイン語専攻の卒業生・五十嵐絢音さん(2022年卒)が、在学中の卒業研究として取り組んだスペイン語文学作品『Panza de burro』の試訳が、翻訳家・村岡直子氏との共訳を経て、書籍『両膝を怪我したわたしの聖女』(国書刊行会)として刊行されました(2025年5月14日発売)。五十嵐さんは、在学中にスペイン・カナリア諸島に留学し、現地の大学で学ぶ中で本書と出会いました。カナリア諸島特有のスペイン語表現に着目し、言語の多様性と地域文化への理解を深めながら、卒業研究として全文の試訳と表現分析に取り組みました。その成果がプロの翻訳者との共訳につながり、一般書籍として出版されるに至ったことは、語学教育と地域研究の融合を目指す本専攻の学びの象徴ともいえる成果です。本書は、少女たちの過激で破滅的な友情を、カナリア方言の奔放な口語体で描いた話題作で、スペイン国内で6万6000部以上を売り上げ、18言語に翻訳されています。本学のスペイン語専攻では、現地の文化・社会への理解を深める実践的な学びを通して、言語運用力だけではなく、国際的な視点と専門性を備えた人材の育成を目指しています。
■ 書籍紹介
決 壊 す る 文 体
――圧倒的な感情がほとばしり、膨れ上がり自壊する言葉の群れが未熟な欲望を覆い尽くす。10歳の少女らを閉じ込めるひどく退屈な夏休み、早熟なふたりの過激で破滅的な友情。
スペイン最南カナリア諸島発、世界18カ国語に翻訳の問題作。

書名:『両膝を怪我したわたしの聖女』
出版社:国書刊行会
発売日:2025年5月14日
ISBN:978-4336077714
判型・ページ数:四六判・208ページ
定価:3,190円(本体2,900円)
著者:【著】アンドレア・アブレウ 【訳】村岡直子/五十嵐絢音
■ 目 次(一部抜粋)
あんなに大胆で、あんなに怖いもの知らずに
ほんのちびっとだけ
イソラ・カンデラリア・ゴンサレス=エレラ
松葉の下のキノコ
これは雨になりそうだ
クリームを、首にクリームを
タイヤをきしませながら行くメタリックのビマー
ヨソモンは臭い
ウサギを嚙まずに丸ごと食べちゃう
フアニータの叫び声は十字路の向こうまで響いた
イソラを食べてしまう
まだはつ明されてないような愛ぶをしてやるぜ
イソラの足がアスファルトを踏む
猟犬みたいにやせっぽち
こすりつける
両膝を怪我したわたしの聖女
イエス・キリストの小さな顔
その日はキャベツシチューしかなかった
iso_pinki_10@hotmail.com
ペペ・ベナベンテのBGM
クロウタドリの羽みたいに黒い目
エドウィン・リベラ
ジャガイモひとつごとに半キロ
胴体にナイフ
イソラが存在しなかったときみたいに
女に残る最後のもの
わたしたちはこんなふうに夜の蛾のように
ひとりでこする
這い回るトカゲ
広場の上につるした色紙

訳者あとがき
■ 著者紹介
アンドレア・アブレウ
(Andrea Abreu)作家、詩人。1995年スペイン・カナリア諸島のテネリフェ島北部で生まれる。島内のラ・ラグーナ大学でジャーナリズムを学び、マドリードのレイ・フアン・カルロス大学の修士課程を修了。新聞社のインターンとして働いたものの辞職し、ランジェリーショップの店員の仕事に就く。詩人としての著作に、詩集『まぶたのない女』(2017)、詩誌『血を流す春』(2017)など。同じくテネリフェ島育ちの作家サビーナ・ウラカに師事し、2020年、『両膝を怪我したわたしの聖女』(原題 Panza de burro)により小説家としてデビュー、専業作家となる。危うい年頃の少女の姿を、カナリア方言を駆使した口語調で活写した本作は、発売後3年足らずのうちにスペイン国内だけで6万6000部を販売、18言語に翻訳され、新人作家としては異例のヒットを記録。ドゥルセ・チャコン賞(2021)、シャンベリー・デビュー小説賞(2021)を受賞した。

村岡直子 (ムラオカナオコ)
スペイン語翻訳者、(有)イスパニカ翻訳講座講師、校正者。兵庫県出身、同志社大学文学部卒業。グラナダ大学セントロ・デ・レングアス・モデルナス留学。訳書にピラール・キンタナ『雌犬』(国書刊行会)、マイク・ライトウッド『ぼくを燃やす炎』『ぼくに流れる氷』(サウザンブックス)、フェデリコ・アシャット『ラスト・ウェイ・アウト』(早川書房)、トニ・ヒル『ガラスの虎たち』(小学館)、共訳書にペドロ・バーニョス『地政学の思考法』(講談社)、マリア・ピラール・ケラルト・デル・イエロ『ヴィジュアル版スペイン王家の歴史』(原書房、青砥直子名義)などがある。

五十嵐絢音 (イガラシアヤネ)
東京都出身。神田外語大学外国語学部イベロアメリカ言語学科スペイン語専攻卒業。在学中にスペインカナリア諸島グラン・カナリア島のラスパルマス・デ・グラン・カナリア大学に留学し、カナリア諸島特有のスペイン語に魅了され現地の言語を学ぶ。アンドレア・アブレウ『両膝を怪我したわたしの聖女』原作 Panza de burro を留学時代の恩師から紹介されたことをきっかけに、神田外語大学卒業研究として本書全文を試訳するとともに、小説内で用いられるカナリア諸島特有の表現について調査した。
■ 参 考
【神田外語大学】
【スペイン語専攻】
【国書刊行会】

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