amu
漁具を回収した地域や漁法、環境貢献量を公開することで、サステナブルな取り組みの推進をサポート
「漁具から、価値の常識をひっくり返す。」 をミッションに、廃漁網の回収・リサイクルに取り組む漁網アップサイクルベンチャー amu株式会社(本社:宮城県気仙沼市、代表取締役CEO:加藤広大)は、レディースファッションブランド 「emmi(エミ)」池袋PARCO店に廃漁具デザインタイル「amuca(R)タイル」を提供しました。渋谷ヒカリエShinQs店に続き、2店舗目の導入となります。
amuca(R)タイルは、漁師が使い終わった廃漁網や、漂着ごみ問題が深刻化している石垣島で回収された海洋ごみを原料に活用しています。また、従来のセラミックタイルに比べて、製造時のCO2排出を抑えた、環境に配慮したサステナブルなタイルです。
emmiは心と体、そして地球にやさしいライフスタイルを提案するブランド思想を店舗設計にも反映しており、amuca(R)タイルを採用する運びとなりました。
また、原料の回収地域やemmiでの導入背景をまとめたトレーサビリティレポートを公開・提供しています。 本レポートでは、amuca(R)タイルのプロダクトストーリーやCO2削減量をビジュアルととも表現しています。単なる建材提供にとどまらず、「伝わるサステナブル」を実現するところまで一貫してサポートしてまいります。
廃漁具由来デザインタイルがemmi池袋PARCO店に導入。渋谷ヒカリエShinQs店に次いで2店舗目
amu株式会社は、レディースファッションブランド 「emmi(エミ)」 池袋PARCO店に廃漁具デザインタイル「amuca(R)タイル」を提供しました。emmiは、株式会社マッシュスタイルラボ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 近藤広幸)が展開する、デイリーウェアおよびウェルネス&トレーニングウェアを手がけるライフスタイルブランドです。
emmiは、自社製品へのリサイクル素材の積極的な活用、リアルファーの全面廃止や生産体制におけるCO2排出削減など、環境負荷の少ないサステナブルな取り組みを推進してきました。「女性の美しさは外見だけで決まるものではない」という言葉をブランド誕生当初から掲げ、心と体、そして地球にやさしいライフスタイルを提案しています。そのブランド思想が店舗設計にも反映され、渋谷ヒカリエShinQs店に引き続き、池袋PARCO店でもamuca(R)タイルが採用されました。
海洋ごみとCO2排出を同時に削減するサステナブルなタイル
日本の海岸に漂着している海洋プラスチックごみのうち、漁業関連ごみは質量ベースで59.5%を占めています(※1)。海洋に流出した漁具は、ゴーストギアとして海洋生物を捕獲したり、マイクロプラスチックとなったりと生態系に大きな影響を及ぼします。海洋に流出する前に適切な処理を実施していかなければなりません。
しかし、使用済みの漁具は塩分や汚れを含んでおり、素材ごとの分別が必要な場合も多いため、リサイクルや処分方法は確立されていません。産業廃棄物として焼却や埋め立て処理されることはあるものの、焼却によるCO2の排出や埋め立てによる環境負荷は高いうえに最終処分場の利用状況も逼迫してきています。これらの産廃処理にかかる高額な処分費用を漁業者が負担する必要があり、漁師に経済的な負担を強いることになっています。
また、沖縄県の石垣島では、海外から流れ着く大量のごみが、景観悪化による観光業への影響、注射針やガラス片などによる人的被害、流木による船舶の航行妨害、生態系への弊害などの深刻な問題を引き起こしています(※2)。
地元自治体の予算や処理施設の不足、ボランティア人員の限界などの理由から大量の海洋ごみが十分に処理できず島内に蓄積され続けています。
今回のタイル製造にあたっては、宮城県気仙沼市で回収された廃漁網に加えて、沖縄県石垣市で海洋ごみ問題の解決に取り組む株式会社ソルトラボ石垣島の協力のもと、石垣島で回収された海洋ごみも原料として使用しています。
ソルトラボ石垣島:
さらに、CO2排出削減の観点からも、amuca(R)タイルは従来のセラミックタイルとは異なるアプローチを採用しています。一般的なセラミックタイルは、製造工程で約1000~1300℃の高温焼成が必要となり、大量のエネルギー消費とCO2排出を伴います。これに対し、amuca(R)タイルは焼成を伴わずに製造されており、同量のセラミックタイルと比較して78.43kgのCO2削減、削減率58.71%(※3)を実現しています。
※1 : 環境省 海洋ごみをめぐる最近の動向
※2 : 参照元:環境省データ :
「伝わるサステナブル」を実現するプロダクトストーリー
製品に使用されている廃漁具の回収地域や、emmiによる内装材導入の背景をまとめた「トレーサビリティレポート」を初めて公開・提供しました。
原料のルーツや活用に込められたストーリー、そしてCO2削減量といった環境貢献の指標を、視覚的にわかりやすく表現しています。 製造側でしか見えない原料の回収やタイルの製造工程、そして最終的に店舗で活用されるまでの流れを、ひとつひとつの背景や意味と合わせて丁寧に紐解いています。これにより、「リサイクル製品を導入しても、その背景や意義が社会や顧客に十分伝わらない」といった課題に対し、単なる製品提供にとどまらず、「伝わるサステナブル」の実現までを一貫して支援しています。
なお、本レポートはブランドごとにカスタマイズが可能であり、実店舗内での導線設計も可能です。消費者にサステナブルな取り組みを直接伝えられる仕組み作りを提案します。
ブランドの思想をすべて込められる内装材。什器への活用も可能
amuca(R)タイルは環境貢献、美しいデザイン、素材のストーリー性を兼ね備えたデザインセメントタイルです。リサイクルが難しい漁網やブイ、ロープなどに加え、その他産業廃棄予定だったものもまとめて埋め込みを唯一無二の色や質感を持つタイルに変えることができます。
合同会社ESSHが開発する、異素材をまとめて固化できるセメント混和剤「Z.E.R.O」を活用することで、素材の分別をせずに廃材のアップサイクルを実現し、一般的な焼成タイルと異なり、焼かずに製造しています。焼成工程がなくなることによるCO2削減量の提示も可能です。
合同会社ESSH:
また、使用後のタイルも新たなタイルの原料としてアップサイクルでき、持続可能なサーキュラーエコノミーも実現します。色や模様のオーダーメイドが可能で、ブランドイメージに合わせたデザインを実現できるほか、タイルとしてだけでなく什器や家具の素材としても活用することができます。
今後の展望
今後、amuはディスプレイデザイン企業や空間設計企業を中心に、amuca(R)タイルを販売していく予定です。店舗の内装やインテリア、什器などにamuca(R)タイルを使用することで、お客様のストーリーやコンセプトを際立たせて表現することが可能です。また、タイル以外にもオーダーメイド製品もご相談いただけます。これからも、さまざまな形で漁具をアップサイクルを実現して、廃漁具リサイクルの推進を目指していきます。
emmi 池袋PARCO店 概要
オープン日:2025年5月2日(金)
場所:池袋PARCO 本館B1F
所在地:東京都豊島区南池袋1-28-2 池袋PARCO 本館B1F
TEL:03-6907-3031
営業時間:11:00-21:00
「廃漁網アップサイクルベンチャー」amu株式会社について
全国の漁港から回収した廃漁網をアップサイクルして価値ある製品を生み出す、宮城県気仙沼市発の廃漁網アップサイクルベンチャーです。「いらないものはない世界をつくる。」をビジョンに世の中のゴミ、無価値とされているものを再資源化して新たな価値を吹き込みます。
会社概要
社名:amu株式会社
本社所在地:〒988-0017 宮城県気仙沼市南町2丁目2-25
代表取締役:加藤広大
出資元:ANRI株式会社/UBE株式会社/株式会社ANOBAKA
事業内容: 廃漁網の回収、プロダクト開発販売
設立: 2023年5月
HP: