村上春樹『街とその不確かな壁』(上・下)がいよいよ文庫化! 新潮文庫より4月23日発売

2025.03.19 11:00
株式会社新潮社
純度100パーセントの村上春樹ワールドへ――著者にとって6年ぶりの長編作品が文庫化されます。

株式会社新潮社は、村上春樹さんの最新長編『街とその不確かな壁』(上・下)を新潮文庫より4月23日(水)に発売いたします。
『街とその不確かな壁(上)』
『街とその不確かな壁(下)』

村上春樹の<秘密の場所>へ――十七歳と十六歳の夕暮れ。川面を風が静かに吹き抜けていく。彼女の細い指は、私の指に何かをこっそり語りかける。何か大事な、言葉にはできないことを……高い壁と望楼、図書館の暗闇、古い夢、きみの面影。自分の居場所はいったいどこにあるのだろう。<古い夢>が奥まった書庫でひもとかれ、呼び覚まされるように、封印された「物語」が静かに動き出す。

著者は1980年に中編小説「街と、その不確かな壁」、さらに1985年にはその主題を発展させた壮大な長編小説『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞受賞)を発表しました。
幻想世界と冒険活劇の二つのストーリーが展開するこの長編に描かれたのが、「世界の終り」の“街”でした。人々が影を持たない「謎めいた街」……。この小説は世界中の読者を魅了し、今も多くのファンが愛読しています。
今回文庫化される『街とその不確かな壁』は、40年の歳月を経て、著者がその文学的原点である“街”に立ち戻り、新たな物語を構想し、完成させた渾身の小説です。

■ 書籍内容紹介

『街とその不確かな壁(上)』
十七歳と十六歳の夏の夕暮れ、きみは川べりに腰を下ろし、“街”について語り出す――それが物語の始まりだった。高い壁と望楼に囲まれた遥か遠くの謎めいた街。そこに“本当のきみ”がいるという。<古い夢>が並ぶ図書館、石造りの三つの橋、針のない時計台、金雀児(えにしだ)の葉、角笛と金色の獣たち。だが、その街では人々は影を持たない……村上春樹が封印してきた「物語」の扉が、いま開かれる。

『街とその不確かな壁(下)』
図書館のほの暗い館長室で、「私」は子易さんに問いかける。孤独や悲しみ、“街”や“影”について……。そんなある日、「私」の前に不思議な少年があらわれる。イエロー・サブマリンの絵のついたヨットパーカを着て、図書館のあらゆる本を読み尽くす少年。彼は自ら描いた“街”の地図を携え、影を棄てて壁の内側に入りたいと言う――二つの世界を往還する物語がふたたび動き出す。

■ 著者紹介

村上春樹(むらかみ・はるき)
1949(昭和24)年、京都市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。1979年『風の歌を聴け』(群像新人文学賞)でデビュー。主な長編小説に、『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞)、『ノルウェイの森』、『国境の南、太陽の西』、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『海辺のカフカ』(世界幻想文学大賞、ニューヨーク・タイムズThe 10 Best Books of 2005)、『アフターダーク』、『1Q84』(毎日出版文化賞)、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』、『騎士団長殺し』(第1部 顕れるイデア編、第2部 遷ろうメタファー編)がある。最新長編は『街とその不確かな壁』(2023)。 『神の子どもたちはみな踊る』、『東京奇譚集』などの短編小説集、『村上春樹雑文集』『ポートレイト・イン・ジャズ』等のエッセイ集、『辺境・近境』等の紀行文、カーヴァー、サリンジャー、チャンドラー、カポーティ、フィッツジェラルド、マッカラーズの翻訳作品など著書・訳書多数。海外での文学賞受賞も多く、2006年フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞、2009年エルサレム賞、スペイン芸術文学勲章、2011年カタルーニャ国際賞、2014年ヴェルト文学賞、2016年ハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞、2022年チノ・デルドゥカ世界賞(フランス)を受賞。2023年、スペインのアストゥリアス王女賞文学部門を受賞。2024年早稲田大学より名誉博士号授与、同年アメリカン・アカデミー・オブ・アチーブメントよりゴールデン・プレート授与、英国王立文学協会インターナショナル・ライターに選出。

■ 書籍データ

【タイトル】街とその不確かな壁(上・下)
【著者名】村上春樹
【発売日】2025年4月23日
【造本】新潮文庫
【定価】上巻:990円 / 下巻:935円(いずれも税込)
【ISBN】上巻:978-4-10-100178-4 / 下巻:978-4-10-100179-1
【URL】

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