「Shibuya Upper West Project」着工 隣接するBunkamuraとの融合により、同地に息づく文化の継承と発展に向けた、文化複合拠点が誕生へ

2025.03.12 13:00
東急
~新施設へ「Bunkamuraザ・ミュージアム」の拡大移転が決定~

東急株式会社、L Catterton Real Estate、株式会社東急百貨店は、3社が出資を決定している渋谷西開発特定目的会社を通じて東急百貨店跡地で推進する 「Shibuya Upper West Project(渋谷アッパー・ウエスト・プロジェクト)(以下、本プロジェクト)」において、株式会社東急文化村が運営する「Bunkamuraザ・ミュージアム」を新施設の7階へ拡大移転することを決定しました。なお、本プロジェクトは2025年3月11日に起工式を執り行い、着工しており、2029年度に竣工予定です。
外観イメージ (Image by Mir, Copyright Snohetta and NIKKEN SEKKEI LTD)

本プロジェクトは、洗練されたライフスタイルを提案するリテール、スモールラグジュアリーホテルとして日本初進出となるホテルブランド「The House Collective(ザ・ハウス・コレクティブ)」、都市型居住を実現する賃貸レジデンスを有し、ミュージアムの移転・開業をきっかけとして、Bunkamuraとのさらなる融合を推進し、新たな大型文化複合拠点として誕生します。
用途配置図

本プロジェクト名称にもなっている「Shibuya Upper Westエリア」とは、多様な開発が進む渋谷の中で、渋谷スクランブル交差点を中心とした渋谷駅周辺と東京を代表する高級住宅地・松濤の結節点である東急百貨店本店跡地から、富ヶ谷、上原、駒場などに向かって西側へと広がるエリアです。なかでも松濤は、明治時代以降、文化人や要人が居を構える住宅街となり、また現在では周辺にBunkamura、松濤美術館、戸栗美術館といった文化施設を擁する文化の集積地となっています。

「Shibuya Upper Westエリア」は、人々の“文化的な暮らし”の歴史が脈々と受け継がれてきた街として、渋谷駅周辺とは一線を画した“もう一つの渋谷”といえるエリアです。そして本プロジェクトは、そのような“もう一つの渋谷”に位置し、東急百貨店本店が55年間、お客さまや地域の皆さまと深いつながりを築いてきたこの場所で、Tokyo’s Urban Retreatをキーコンセプトに、本格的な文化・芸術、本質的な豊かさを志向するこの土地に根付いたDNAを継承し、新たな時代へと引き継いでいくための開発計画です。

また、本プロジェクトのデザインアーキテクトを担当するノルウェーの建築・デザイン事務所「Snohetta(スノヘッタ)」が、新施設の7階へ拡大移転する「Bunkamuraザ・ミュージアム」についてもデザインを担当します。運営面だけでなく、デザイン面でも融合を図ることで、文化発信拠点として1989年の開館以来、お客さまと培ってきたBunkamuraブランドをさらに発展させ、クリエイティビティが求められる新たな時代を象徴する、渋谷のアイコンとなるミュージアムを目指します。

■“もう一つの渋谷” 「Shibuya Upper Westエリア」について
「Shibuya Upper West Project」は、多様な価値観を取り込みながら街づくりが進む渋谷の中で、エネルギーに満ちた渋谷スクランブル交差点を中心とする渋谷駅周辺と東京を代表する高級住宅地・松濤との結節点にあたる唯一無二の場所であり、次々と大型の再開発が進む渋谷駅前とは一線を画した、いわば“もう一つの渋谷”とも呼べるエリアに位置します。
明治時代のはじめ、旧佐賀藩主の鍋島家が茶園を開き、「松濤園」と名付けたことに由来する松濤は、その後、文化人や要人が居を構える住宅街となりました。現在では周辺にBunkamura、松濤美術館、戸栗美術館といった文化施設を擁する文化の集積地となっており、さらにその西には、富ヶ谷、上原、東京大学のキャンパスがある駒場などの洗練された街が広がるなど、人々の“文化的な暮らし”の歴史が脈々と受け継がれてきたエリアと言えます。
そして、歴史あるこのエリアに位置する本プロジェクトは、日本初の大型文化複合施設として誕生以来、36年に渡り文化の「発信」「創造」「交流」「育成」を担ってきた隣接するBunkamuraとの融合を図ることで、本格的な文化・芸術、本質的な豊かさを志向するこの土地に根付いたDNAを継承し、次の時代へと引き継ぐ、新たなランドマークとなります。

■キーコンセプト 「Tokyo’s Urban Retreat」 について
渋谷の喧騒から離れ、自らのエネルギーが落ち着きを取り戻し、創造的な発見が出来る都心のオアシスとして、身体的、精神的、知的にも満たされ、包括的なウェルビーイングを体験できる空間を創造します。

■環境への取り組み
本プロジェクトは、東急グループとL Catterton Real Estateが掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて、環境とサステナビリティに配慮した国際認証などの取得を目指します。環境への取り組みへの一つとして、建設現場の仮囲い壁面緑化に取り組んでいます。
・苔を活用した建設現場の仮囲い壁面緑化
本プロジェクトの着工にあたり、キーコンセプトの「Tokyo’s Urban Retreat」に基づき、仮囲いを活用した緑視率向上に取り組んでいます。2024年12月より建設現場の仮囲いにて苔シートを活用した壁面緑化施策を実施中です。取り付け・取り外しが容易なマグネット式により、建設工程に合わせてフレキシブルなレイアウト変更に対応し、2025年3月12日現在、仮囲い面積約320平方メートル に対して、約130平方メートル の壁面緑化を実現しました。
50cmごとに苔(緑)と仮囲い(白)の壁面で縞模様をつくり、各ラインの長さをなだらかにした街並みに調和するデザインで渋谷の街の景観維持を目指すと共に、苔シートの設置により建設現場の落書き防止をしています。苔シートへの関心が高いことを受け、2025年2月より、「苔に触れることができる」体験コーナー設置し、苔シートの性能や緑化活動に関する情報を発信。今後も竣工までの間、仮囲いを活用した施策を継続的に実施予定です。
 苔による壁面緑化は、東急株式会社がスタートアップを中心とした企業との事業共創を推進する「東急アライアンスプラットフォーム」で、2023年度に「渋谷賞」を受賞した株式会社グリーンズグリーンとの共同社会貢献活動として取り組んでいます。今回は、-20~70℃の寒さ・暑さに耐え、自重の10倍もの水分を蓄えられるなど力強い生命力と順応性を併せ持つ「スナゴケ」を採用したことで、通常の壁面緑化のような常時潅水対応はなく、基本的な水分供給は雨水で補い、潅水作業は週1回のみ実施しています。また、半永久的に二酸化炭素を固定する苔はヒートアイランド現象の緩和など、環境対策のマテリアルとして期待されています。本プロジェクトでは、今後、環境保全活動の一環として仮囲い緑化の多面的な機能について、株式会社グリーンズグリーンと共に調査予定です。
苔を使用した建設現場仮囲い全景
仮囲い近景

■計画概要
■事業者各社概要
東急株式会社
216社7法人(2024年9月末時点)で構成される東急グループの中核企業として、「美しい時代へ」というグループスローガンのもと、東急線沿線を中心としたお客さまの日々の生活に密着したさまざまな領域で事業を進めています。渋谷においては、「日本一訪れたい街・渋谷」「エンタテイメントシティSHIBUYA」の実現を目指し、Greater SHIBUYA(広域渋谷圏)(※)エリアの面的魅力向上に向け複合施設開発などさまざまな取り組みを行っています。
(※)Greater SHIBUYA(広域渋谷圏)とは東急グループの渋谷まちづくり戦略において定めた、渋谷駅半径2.5kmのエリアのことを指します。

L Catterton Real Estate
L Cattertonは、全世界で18のオフィスを構え、360億ドル以上の資金を有する、世界最大かつ最もグローバルに展開するコンシューマ業界特化の投資会社です。L Cattertonのチームは380名以上の投資およびオペレーションのプロフェッショナルから成り、投資先の経営陣と世界中で連携し、深い業界知見、オペレーショナル・エクセレンス、そしてさまざまなパートナーとのネットワークの有効活用を通じた経営戦略を実行していくことで、投資プロジェクトの成長を支援しています。L Cattertonは1989年より、業界を代表するコンシューマ・ブランドへの投資を約300件行ってきました。L Catterton Real Estateは、L Cattertonの一員でグローバルな不動産開発投資会社です。 LVMHとAgacheにより設立され、GINZA SIX(日本・東京)、マイアミ・デザイン・ディストリクト (アメリカ・フロリダ州)、ロイヤルマウント(カナダ・モントリオール)など、世界の主要都市において次世代型のアイコニックな複合施設開発を展開しています。


株式会社東急百貨店
東急グループにおけるリテール事業会社として、渋谷ヒカリエ ShinQsや、渋谷 東急フードショー、+Q (プラスク)、東急フードショーエッジなど渋谷を拠点とし、東急線沿線を中心に百貨店・ショッピングセンター・専門店を展開しています。2024年11月に創業90周年を迎え、今後も新たな顧客価値創造に向け、百貨店事業で培った目利き力、編集力、販売力といった強みを生かし、フードやビューティー、EC、外商などの取り組みを推進するとともに地域の生活者の豊かな暮らしづくりに貢献します。


■新施設へ拡大移転するミュージアムについて
本プロジェクトのデザインアーキテクト同様、オスロ、ニューヨーク、サンフランシスコ、インスブルック、パリ、アデレード、メルボルン、香港、深圳という9つの都市にスタジオを持つ国際的なデザイン事務所、Snohettaがデザインを担当。本プロジェクトとシームレスにつながる開かれたミュージアム空間が特徴です。複数の展示室から構成されるユニークなスペースの展示面積は約1,000平方メートル 、展示室の一部は最大約6mの天井高で計画しています。展示面積の拡大と最新の展示設備の導入により、幅広い分野の大型展覧会の開催が可能となります。
移転するミュージアムでも、これまでBunkamuraザ・ミュージアムで開催してきた西洋近代美術、日本美術、写真、デザイン、ファッションなどの展覧会テーマを継承しつつ、現代アートなど今取り上げるべきアートを新しい切り口でキュレーションし、心を揺さぶる体験価値を創出します。

<Snohettaコメント>
新施設の7階に移転するBunkamuraザ・ミュージアムのデザインアーキテクトを務めることを光栄に思います。
本プロジェクトのデザインコンセプトは、渋谷の脈動するエネルギーを象徴する一筆書きのイメージからインスピレーションを得ています。このコンセプトは、地上から天空へと優雅に螺旋を描きながら上昇する渋谷の躍動感と興奮を表現しています。もう一つの渋谷エリアから次世代の文化を牽引する存在として構想された本プロジェクトでは、東京の新たなランドマークとして、自然と景観にも配慮した持続可能な文化複合拠点となることを目指しています。本プロジェクトのデザインは様々なプログラムやコミュニティを一筆書きのようにつなぎ、ミュージアムにおいてもリボンのような壁が複数の展示室を蛇行しながら、アートを愛する人々を誘います。オープンプランのデザインは、多様なニーズに応える柔軟な展示システムに支えられ、あらゆる芸術表現やパフォーマンスを可能にします。
新しいミュージアムのデザインにおける私たちのビジョンは、都市と空、近代と幽玄、過去と未来、デジタルとフィジカル、商業と文化といった二元性が融合する空間を創造することです。この融合が、異なるそれぞれの特徴をより際立たせ、本プロジェクトと渋谷全体の文化的環境が高まることを期待しています。


■Bunkamura概要
ひとつの空間で多様なジャンルの文化・芸術を楽しめる日本初の大型複合文化施設として1989年に開館。当時としては珍しい複合的な施設形態とともに注目を集めたモダンな建築デザインは、世界的権威で知られるフランス人建築家、ジャン=ミシェル・ヴィルモットが手掛けています。建築プロジェクトの総括を株式会社石本建築事務所が務め、ヴィルモットデザインの特徴ともいえるシンプルで静謐な美しさが見事に表現されています。開館以来、新しい文化や優れた芸術に出会えるカルチャープラットフォームとして多くの文化・芸術を発信してきたBunkamuraは、オーチャードホールを除き休館中ですが、この休館期間を自由な発想で新たな挑戦をしていくチャンスととらえ、渋谷を含め東急線沿線周辺施設や東急グループ各施設などで、これまで大事にしてきた人々の心を動かす文化・芸術の創造と発信を続けています。また、これからを担う次世代に文化をつないでいくために、新しい才能を発掘し、今後の活躍の後押しとなる場の提供と自らの可能性を発見するきっかけとなる学びや体験機会の創出にも積極的に取り組んでいます。
Bunkamuraが全館営業を再開する時は、本プロジェクトとともに文化複合拠点としての新たな幕開けとなります。新施設とザ・ミュージアムの建築を手掛けるデザイン事務所Snohettaと、ジャン=ミシェル・ヴィルモットがBunkamuraの建築デザインに込めた建物や空間に対する思想を融合させることでより魅力的な一体空間に生まれ変わる予定です。


■株式会社東急文化村概要
東急グループによる文化事業の中核的機能として、文化・芸術の創造と発信を社会との関わりの中で事業として捉え、創造する側と鑑賞する側との橋渡し役として、文化・芸術を支え、ライブ(生)の感動を伝えること、すべてのお客様に最大の満足・感動をしていただくことを目指しています。東京・渋谷にある3つの文化施設(Bunkamura、東急シアターオーブ、セルリアンタワー能楽堂)を運営。いずれの施設も会場の特徴を生かしたオリジナル企画を軸とし、良質な文化を創造し発信しています。

以 上

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