大人の社会ならパワハラとされるような行為が学校ではいまだに後を絶ちません。文部科学省は不適切指導が子どもの自殺や不登校のきっかけとなることを指摘しています。しかし多くの教育関係者や保護者は不適切指導の危険性どころか、存在すら知りません。子どもを不適切指導から守るために実態調査と啓発を実施いたします。
本プロジェクにご関心を寄せていただき、ありがとうございます!
私たち『安全な生徒指導を考える会』は、不適切な生徒指導が原因で起こる不登校や自殺などの悲劇を少しでも減らしたいと願い、2021年9月に指導死遺族を中心として発足しました。(※指導死とは、教員による不適切指導を背景とした子どもの自殺のことをいいます)
発足以来、文部科学省やこども家庭庁などに要望書を手渡したり、シンポジウムを開催したりと精力的に活動してきました。私たちの願いは、「指導しないこと」ではなく、「子どもが安心安全に成長していける適切な指導が行われること」です。
大人の社会ならパワーハラスメントとされるような行為が、学校ではいまだに後を絶ちません。
不適切指導を受けても、安全に相談できる窓口は少なく、調査の仕組みも不十分で、多くの子どもが泣き寝入りするしかない状況です。さらに、多くの教育関係者や保護者が不適切指導の危険性どころか、不適切指導の存在すら知りません。気付かぬうちに子どもたちが追い詰められ、不登校や自殺が発生しています。不適切指導に気づきながらも、それを止められず苦しい思いをした教師や生徒もいます。
子どもの命と心を守るために、不適切指導の実態を明らかにすることと、不適切指導を多くの人に知ってもらうことが必要です。
今回クラウドファンディングをさせていただいたのは、少しでも多くの方にこの企画に関わっていただきたいという願いからです。不適切指導から自分たちを守ろうとしてくれる大人がたくさんいるのだということを、この調査と啓発を通じて子どもたちに届けたいです。
子どもの自殺や不登校に胸を痛めてくださる皆様、ぜひ、一緒にこの取り組みに参加してみませんか。子どもの自殺や不登校には、私たち大人が防いでいかれるケースがまだあります。不適切指導のない学校にしていけるよう、ご協力お願いいたします。
◆不適切指導は不登校や自殺のきっかけになると認められた
「安全な生徒指導を考える会」の発足のきっかけは、教職員向けに文部科学省が作成している生徒指導の基本書「生徒指導提要」が初めて改訂されると知ったことでした。
文部科学省への要望と面会を繰り返し、2022年に改訂された「生徒指導提要」では、不適切指導の具体例が7つ紹介され、「不適切な指導等が不登校や自殺のきっかけになる場合もある」と記されました。
この「生徒指導提要」改訂によって、暴言や過度な叱責、思い込みによる指導など、大人社会でハラスメントとされることは、指導名目であってもやってはいけないのだと初めて公的に認められました。
◆不適切指導は、周りの生徒や教師も傷つく
指導死で亡くなった子は素行不良の子ではありません。夢を持って勉強や部活に励んでいた子も多く、指導がなければ今も楽しく生きていたはずの子どもたちです。また、やってもいないことで激しく指導される冤罪の指導死も少なくなく、どんな子でも不適切指導の被害に遭う可能性があります。
次に怒鳴られたり吊し上げられたりするのは自分かもしれないと怯えながら学校に通う子もいます。友達が不適切指導で傷つけられているのを止められず無力感を感じることもあります。学校の先生方の中にも、不適切指導の問題に心を痛めている人がいます。不適切指導を疑問に思っていても指摘できなかったり、指摘したことで自分がハラスメントを受けてしまった教員もいます。
不適切指導は、その学校に通う多くの人に影響を与えるものです。
◆不適切指導の根強い正当化
指導死を起こした教員は子どもが自殺した後も、良かれと思ってやったことだ、指導されるようなことをしたのが悪い、と思っており、指導方法に変化が見られないことが多々あります。
私たちの誰もが子どもの頃に生徒指導を受けた経験があります。その経験から、体罰や不適切な指導によって成長できたという声、叱られるようなことをした子どもが悪いのだという声など、生徒指導の在り方にはさまざまな意見が存在します。
しかし、指導とは言えない行為(無視など挨拶を返さない、保健室に行かせない、孤立させる等)や冤罪(無実の罪で厳しく指導)等で、教員が子どもを追い詰めることも、学校現場では発生しています。
また、仮に子どもに落ち度があったとしても、子どもの命をかけてまで償わせるような指導が正しいと言えるでしょうか。
◆不適切指導は子どもの権利の侵害
2023年に政府の策定した「こども大綱」でも、不適切指導は子どもの権利侵害の一つとして紹介されました。
「子どもは、生まれながらにして人権(権利)を持っています。その権利は、義務と引き換えに与えられるものではなく、何かをしなければ取り上げられるものでもありません。
◆不適切指導には調査の仕組みがない
体罰やいじめは年に数回、学校から生徒や保護者へアンケートが行われるところが多いです。しかし、ほとんどの学校で不適切指導にはそのようなアンケートがありません。
いじめによって不登校や精神疾患の発症が生じた場合は「いじめ防止対策推進法」に則って調査委員会が設置されます。しかし、不適切指導にはそのような法律はありません。
自殺事案であれば「子供が自殺したときの背景調査の指針」に則って調査委員会での調査が行えます。しかしこの指針の存在が遺族に知らされておらず調査を希望できないことがあります。さらに、調査は学校と教育委員会が主体となって行うことになっているため、不適切指導に真摯に向き合ってもらうには遺族が何年も交渉を続ける必要があります。
◆不適切指導の被害は見える形になっていない
子どもの自殺は過去最多を更新し続けています。文部科学省は自殺した児童生徒が置かれていた状況を集計し公表していますが、令和3年度までは「体罰・不適切指導」は選択肢すらありませんでした。選択肢に追加された令和4年度は2件、令和5年度は1件が「体罰・不適切指導」として計上され公表されました。これは学校や教育委員会が自ら「体罰・不適切指導」と認めなければ上がってこない数字です。大半の子どもの自殺は「不明」とされています。
不登校でも、学校から計上される不登校の理由では、「教職員との関係をめぐる問題」は1、2%とされています。しかし同年度に生徒と保護者に調査をすると、不登校の約3割が先生との関係をきっかけとしています。
そのような中、文部科学省により令和5年度 公立学校教職員の人事行政状況調査で、不適切な指導に関する処分の詳細がはじめて公表されました。この調査によると、令和5年度、国公私立の学校で2102人もの子どもが処分相当の不適切指導を受けたことがわかりました。
しかし不適切指導の処分基準を設けていない自治体もあり、この数は氷山の一角です。処分されない不適切指導で不登校や自殺が起きている可能性があります。
◆解決のための相談窓口がない
いじめや虐待、権利侵害の相談をする窓口は多数ありますが、「不適切指導」という文言が書かれている窓口は見つけられません。教員の問題を安全に相談でき、かつ解決に結び付ける相談先がありません。
多くの自治体では体罰やいじめのように定期的に行われる調査もないため、子どもが実名で学校や教育委員会に相談や告発をしなければ問題が明るみに出ることはありません。
◆被害者も加害者も「不適切指導」に気がつけない
学校ハラスメント(不適切指導)は、子ども同士のいじめと同じように、どの子どもにも起こり得る問題であると言えます。しかし、子どもを自殺へと追い詰めてしまう不適切指導は、その問題の深刻さに対して社会的な認知はまだまだ低いのが現実です。
多くの学校関係者、保護者が、身近で行われている生徒指導が適切か不適切か考えずに過ごしています。指導される理由があったとしても、それを理由に何をしても良いということではありません。指導方法は教育的効果があるものなのか、権利侵害にはなっていないか、立ち止まって考えられる大人は多くはない状況です。そして、指導を受ける子ども自身も、理不尽な目に遭っても、それが不適切指導とは気がつかず、真摯に反省したり激しく混乱してしまい、追い詰められてしまいます。
◆生徒指導についての大規模調査
全国初となる「不適切指導に関する大規模な実態調査」を、自治体の協力を得て実施します。
調査対象自治体については、既に政令指定都市の一つから内諾を得ており、その他複数の自治体とも交渉を進めています。調査対象者は生徒と教師あわせて数千人を予定しています。
調査分析については、全国規模の社会調査を実施した経験のある大学研究者や、不適切指導問題に精通した大学研究者など、複数の有識者から協力の確約を得ています。
自治体を通じて子どもと教職員、双方にアンケート調査を実施し、不適切指導が起こりやすい状況、不適切指導の種類別の発生頻度、教師が不適切指導に至る経緯、不適切指導が子どもにもたらす影響について明らかにしたいと思っています。
調査で明らかになったことは公表資料としてまとめ、公開する予定です。
◆啓発グッズ作成
日常的に不適切指導を意識できるよう、しおりやクリアファイルなど身近なもので啓発のグッズを作り、リターンとしてお配りできるよう準備を開始しています。
生徒指導提要改訂により、同僚の不適切指導を指摘しやすくなったという声もいただいております。不適切指導の啓発のグッズが、不適切指導を止めたい方の勇気に寄り添えることを願っています。
・今回使用しているクラウドファンディングのプラットフォーム(CAMPFIRE for Social Good)では、支援額の100%がプロジェクトの支援となり、別途、ご協力費として支援金額の12%+税はご支援者さまのご負担となります。大変恐縮ですがご了承のほどよろしくお願いいたします。
・リターン不要でご寄付くださる方は、備考欄に「リターン不要」と明記してください。
・リターン提供時期は目処が立ちましたら随時こちらの本文を更新予定です。
感謝の気持ちを込めて、お礼のメッセージをお送りします。
1回分のZoomシンポジウムにご招待いたします。安全な生徒指導を考える会が年に数回行っているZoomのシンポジウムの開催をメールでお知らせします。Zoomシンポジウムお申し込みの際に、支援者様であることを選択する項目を作りますので、そちらをご選択ください。
自治体を通じて不適切指導の実態調査を実施し、研究者等の協力を得て調査結果を分析し、報告資料を作成します。完成しましたらメールにてご連絡し、支援者様限定の調査報告会(Zoom)にご招待いたします。開催日時にご都合がつかなかった方には録画をお送りいたします。
不適切指導に関するイラストを掲載したしおりを完成し次第お届けいたします。
商品サイズ:文庫本サイズ(約40mm︎×125mm予定)
不適切指導に関するイラストを掲載したクリアファイルを完成し次第お届けいたします。
商品サイズ:A4サイズ(約220mm×310mm予定)
支援者様のみをご招待して交流会をZoomで行います。不適切指導に対する思いなどを語り合えるお時間にできますと幸いです。開催日時は調査報告会以降を想定しております。詳細はメールにてご連絡いたします。ご都合がつかなかった方は、1回分のZoomシンポジウムご招待、不適切指導啓発のしおり、不適切指導啓発のクリアファイルのいずれかに変更可能です。メールにてご相談ください。
★スペシャルリターン
ご希望に応じてオンラインで講演をさせていただきます。メールにてご連絡させていただきますので、ご希望の時期、時間帯、テーマなどをお聞かせください。講演会の企画、呼びかけ等は支援者様にて行っていただきます。オンラインでの開催費用は支援者様にてご負担ください。他の支援者様と合同ではなく、各々の支援者様と調整し、ご講演させていただきます。
ご希望の場所に出向き、対面での講演をさせていただきます。オンラインでのハイブリッドも可能です。支援者様とのご連絡はメールにてさせていただきます。ご希望の場所、時期、時間帯、テーマなどをメールにてお聞かせください。登壇者の交通費と宿泊費は別途お支払いいただきます。会場は支援者様にて選定いただき、会場費やオンラインでの開催費用は支援者様にてご負担ください。講演会の企画、呼びかけ等は支援者様にて行っていただきます。他の支援者様と合同ではなく、各々の支援者様と調整し、ご講演させていただきます。
今回のプロジェクトを通して、学校をもっと子どもたちが安心して通える場所にしたいです。
たくさんの方のご協力で実現したいと思っております。ぜひご支援お願いいたします!