クリーブランド美術館蔵「南蛮屏風」の高精細複製品を長崎県に寄贈 長崎歴史文化博物館内の一般開放エリアにて展示

2025.03.07 15:00
キヤノン株式会社
キヤノン株式会社(以下、キヤノン)と特定非営利活動法人 京都文化協会(以下、京都文化協会)は、「綴プロジェクト」(正式名称:文化財未来継承プロジェクト)の第17期作品として制作した、クリーブランド美術館蔵「南蛮屏風」の高精細複製品を、長崎県へ寄贈します。寄贈作品は、2025年3月8日(土)から3月16日(日)まで長崎歴史文化博物館の一般開放エリアに展示されます。
「南蛮屏風」高精細複製品

■「南蛮屏風」の高精細複製品をキヤノンのイメージング技術と京都伝統工芸の融合により制作
日本に渡来したヨーロッパ人との交易の様子を描いた「南蛮屏風」は、16世紀後半から17世紀初期にかけて数多く制作され、国内外で100点以上の作品が現存すると言われています。その中でも、本作品は、登場人物が300人以上に上り、人物描写が多彩であることに加えて、南蛮船周辺のダイナミックな荒波の動きなど、華麗で装飾的な表現が見られることが特徴です。桃山時代(17世紀初期)に描かれたもので、左隻に入港する南蛮船や交易品、右隻に上陸した南蛮人の行列、それを興味津々に出迎える日本人の男女という構図がとられています。

また、本作品は、江戸時代後期から台頭した長崎を代表する商家の6代目当主で、実業家・文化人であった永見徳太郎の旧蔵品であり、同氏が南蛮屏風研究に突き進む原動力となった作品として広く知られています。永見徳太郎のコレクションの中でも、特に重要な作品として長く愛蔵された本作品は、その後、流転の運命をたどりましたが、現在は海を渡り、米国のクリーブランド美術館に所蔵されています。このたび、高精細複製品を制作することで、永見の故郷であり、南蛮貿易の中心地であった長崎への里帰りが実現しました。

制作にあたっては、キヤノンのフルサイズミラーレスカメラ「EOS R5」でオリジナルの文化財を撮影し、独自開発のカラーマッチングシステムを用いた画像処理を行った上で、12色の顔料インクを搭載した大判インクジェットプリンターで出力しています。さらに、京都の伝統工芸士が金箔などを用いた装飾を施し、屏風に仕立てることで、オリジナルの文化財を限りなく忠実に再現しています。

■ 長崎歴史文化博物館にて寄贈作品を展示
寄贈作品は、2025年3月8日(土)から3月16日(日)まで、江戸時代から近代にかけての海外交流に関する資料や、南蛮芸術の収集と研究につとめた永見徳太郎ゆかりの作品を多く扱う長崎歴史文化博物館のエントランスホールに展示(※)されます。この展示では、写真撮影やガラスケース無しで間近での鑑賞を楽しむことができます。また、本作品は、その後も同館内常設展の海外交流史を紹介するゾーンで展示(※)されるほか、県内各地での特別展示や、地域連携による体験プログラムをはじめとした教育分野などでの活用が予定されています。

※ エントランスホールへの入場は無料です。常設展は別途観覧料が必要です。開館時間や展示場所の詳細については、長崎歴史文化博物館のホームページをご覧ください。(


〈「綴プロジェクト」について〉
「綴プロジェクト」は、キヤノンと京都文化協会が2007年より共同で推進している文化支援活動です。日本古来の貴重な文化財には、歴史の中で海外に渡った作品や国宝として大切に保管されている作品など、鑑賞の機会が限られているものが多くあります。「綴プロジェクト」では、キヤノンの入力、画像処理、出力に至るイメージング技術と、京都伝統工芸の匠(たくみ)の技との融合により、オリジナルの文化財を忠実に再現した高精細複製品を制作しています。制作した高精細複製品は、文化財にゆかりのある社寺や自治体、博物館などへ寄贈し、寄贈先での一般公開や学校教育の現場など、さまざまな場面で活用されています。これまでに、葛飾北斎や俵屋宗達、尾形光琳の作品など、60作品を超える高精細複製品を制作しました。

詳細は、「綴プロジェクト」のホームページをご参照ください。

あわせて読みたい

「開創1150年記念 特別展 旧嵯峨御所 大覚寺 -百花繚乱 御所ゆかりの絵画-」(東京国立博物館)開幕レポート。120面超の重文障壁画を展覧
美術手帖
写真・映像作家を発掘するオーディション「GRAPHGATE」第3回を開催 表現の可能性に挑戦する新人作家を幅広いジャンルで支援
PR TIMES
真っ白ないちごを使用した「天使のいちごプリン」期間限定販売
PR TIMES Topics
京の老舗帯屋『大庄』発の新プロジェクト『HOUSE of DAISHO』より、西陣織帯ドレスが誕生。2月13日より展示開始。
PR TIMES
世界のカバン博物館と東京藝術大学 美術学部 デザイン科との産学協同特別展示『2025 モチハコブカタチ展 ~美しい暮らし~』2025年1月25日(土)~3月8日(土)開催
ラブすぽ
まるで洋菓子のような「季節のYO KAN KA」新登場
PR TIMES Topics
【京都府京都市】和歌と日本画に表現された愛にあふれた企画展、「アイラブ百人一首」開催
STRAIGHT PRESS
若冲のあの象さんがぬいぐるみに! その名も「じゅかぞう」! 3年ぶりに特別展示される静岡県立美術館所蔵の伊藤若冲《樹花鳥獣図屏風》をモチーフにしたグッズを、ミュージアムショップにて発売
PR TIMES
グルテンフリーで作られたさつまいもの桜スイーツを販売開始
PR TIMES Topics
静岡県立美術館の所蔵作品、伊藤若冲と横山大観の名作をモチーフにしたPENONオリジナルアートグッズを限定発売
PR TIMES
若冲の象がぬいぐるみに。静岡県立美術館の伊藤若冲《樹花鳥獣図屏風》グッズが登場
美術手帖
【船橋屋】3日間限定販売「さくらの六穀おはぎ」
PR TIMES Topics
【長崎県美術館】2025年度展覧会スケジュール&開館20周年記念イベント
ラブすぽ
カメラと写真映像のワールドプレミアショー「CP+(シーピープラス)2025」に出展 クリエイターのニーズに応える幅広い製品と3Dイメージング体験を紹介
PR TIMES
季節限定桜を使用した Sakura クッキーセットを販売
PR TIMES Topics
【京都府京都市】大谷大学博物館で、2024年度冬季企画展「京都を学ぶ 絵と図で見る京都」開催! 
STRAIGHT PRESS
一旗プロデュース「SAIKU CULTURAL ART NIGHT 2025」を三重県明和町「さいくう平安の杜」で開催。文化財をモチーフとしたプロジェクションマッピングとパフォーマンスで彩る特別な夜。
PR TIMES
他にはない特別なランドセル「ICHIGO ランドセル」誕生
PR TIMES Topics
“黒”に着目して江戸絵画を観る「エド・イン・ブラック 黒からみる江戸絵画」が3月8日~4月13日、西高島平『板橋区立美術館』で開催
さんたつ by 散歩の達人
福島市立松陵中学校閉校イベントでの発表作品制作やプリントサービスで事前準備からイベント当日まで長期的にサポート~東日本大震災の復興支援活動「みんなの笑顔プロジェクト」~
PR TIMES
明治の文豪も愛用!? 歴史ある胃腸薬に込められた製薬会社の思い
antenna