士業事務所の家に生まれ、アトトリとしての婚活経験がきっかけに。家業を継ぐ方々の「結婚したい」をあきらめさせない結婚相談サービス「アトトリ婚」誕生の裏側

2025.03.07 08:50
【「アトトリ婚」をはじめた私の話】
はじめまして。1tonari代表の村井真子と申します。


私は司法書士である祖父が営む士業事務所の家に生まれました。家業の顧客は中小企業経営者の方々で、私は小さなころから祖父や両親が経営者の方々の相談に応じる姿を見て育ちました。経営者の皆さんは多岐にわたる悩みを抱えていました。事業そのものの将来性、資金繰り、人材の採用・定着、そして自身の生涯をかけた仕事をどのように残すか、あるいは閉じていくのかといった課題は、企業規模を問わず多くの経営者の方々の悩みでした。


そんな環境下に育ち、私は自身が独立開業する2014年まで家業手伝いとして文字通り「親と一緒に働く」経験を積んできました。さらに20代後半には、私自身も事業承継を視野に入れたアトトリ(=事業承継者)候補として、ともに事業を行う配偶者を探すために婚活も体験しました。大手結婚相談所に入会後は、わずか3か月の間に100回ものお見合いを経験。相手のことなど顧みず、がむしゃらに自分の欲、自分の希望だけで行ってきた婚活は高額を投じたものの一切実を結ばず、疲弊した経験だけをもたらしました。そして、それは自分だけではなく親や、自分を後継者として認識している顧客の期待を裏切る結果でもあるのではないか、と自分に対する強い葛藤になりました。


 アトトリの婚活は、その当事者個人だけのものではないのではないか――この経験から、「家業を継ぐ」という特別な状況にある方々の結婚について、私は長年ずっと想いを温めていました。本ストーリーでは、私が「アトトリ婚」を始めた理由やその意義、具体的な事例についてお話します。
中小企業・ファミリービジネスにおける後継者の結婚問題。自身の経験が生んだ「アトトリ婚」の発想
 近年、日本の婚姻件数は減少傾向にありますが、それでも「いずれは結婚したい」という未婚者は多く存在します。国立社会保障・人口問題研究所の調査では、「いずれ結婚するつもり」と考える18~34歳の未婚者は未だ男性81.4%、女性84.3%存在しています(参照:
)。また、「理想的な相手が見つかれば結婚してもよい」と考える未婚者の割合は高く、年齢が上がるとともにその割合は上昇しますが、その半数近くが「理想的な相手が見つかるまでは結婚しなくてもかまわない」と考えていることもまた事実です。


こうした状況下で、中小事業やファミリービジネスにおいては「事業を受け継ぐ」という脈々と続くニーズがあり、その一つの形として後継者の結婚問題が生じています。事業ごと結婚することができる配偶者の選定は通常の婚活におけるパートナー探しより狭き門です。アトトリと結婚するということは、単に当事者二人の幸せを目指すものではなく、親や取引先も含めたステークホルダー全員の幸せを得ることが目的になるからです。さらに、アトトリの子どもに事業をつなげていくためには、その子どもへの教育が非常に重要になってきます。そのためには、当事者ふたりの価値観の一致だけでなく、事業そのものへの共感も重要な要素となります。


しかし、この「事業への共感」は既存の婚活サービスでは拾いきれていません。事業の経済的成長だけでなく、顧客、従業員全員に対して責任を負う事業主やその後継者の悩みに寄り添い、その悩みを解決するスキームは「婚活」のフレーミングでは提供されていないからです。さらに、株の分配やステークホルダーへの接遇、後継者教育など個別には様々な専門家がサービスを提供していますが、それを「アトトリの結婚」として提供するサービスは稀少です。


私自身、総合士業事務所を営む家庭の長女として育ち、事業継承にまつわる課題やプレッシャーを肌で感じてきました。さらに、また、お見合いを100回経験した立場から「事業継承をすることが前提となっている当事者の結婚」における難しさを実感しています。だからこそ、「結婚するお二人の幸せ」はもちろん、「親御さんや家族、そしてビジネスを含めた全員が幸せになれる結婚」を実現したいと思い、“アトトリ婚”を立ち上げるに至りました。
家業を継ぐ結婚に求められる価値観の理解。価値観診断ツール「ドボン診断」を活用した相互理解
家業を継ぐことが前提の結婚は、当事者同士の恋愛や相性だけでは完結しません。親、そして家が育んできた価値観を理解する必要があるのです。たとえば、「家業の後継者を育てたい」「家が代々受け継いできた理念を守りたい」という想いは、当事者の成育環境や家の歴史そのものに深く根ざしています。


成育環境とは、その人が育ってきた家庭・家族の価値観や、周囲の人々の影響、生活様式、文化的背景など、子どもの頃から無意識のうちに吸収・形成してきたものです。たとえば、「祖父母や親がどのような仕事観や人生観を持っていたか」「家族の間でどんなコミュニケーションが行われてきたか」などは成育環境に大きく作用する典型的な例です。特に家業やファミリービジネスを営む家庭では、次のような点が成育環境に大きく影響します。
1.家業との距離感
小さな頃から家業の現場を見て育つと、「当たり前」に受け継がれている会社や仕事に対して敬意や責任感を自然と育みます。一方、成長する過程で家業へ参加する機会が少なかった場合、反発や疎外感を覚える可能性もあります。
2.家族内のコミュニケーション・規律
「言いたいことを素直に言えるのか」「家の中にはどんなルールやしきたりがあるのか」といったことは成育環境の大きな要素です。家業を継承してきた家には、長い歴史のなかで培われた不文律や伝統がある場合が多く、それが結婚後の生活にも影響を与えます。
3.家業継承への期待やプレッシャー
祖父母や親世代から強い期待を受けて育ったアトトリは、「自分が家業を守っていかなければならない」というプレッシャーを早い段階から感じることが少なくありません。その一方で、親が進路を自由に任せてきた場合でも、周囲から「跡取り」と見られてしまうなど、無意識のプレッシャーがかかりやすいのが特徴です。
4.家業の価値観や理念
どのような想いで事業を起こし、どうやって継いできたのか――こうした家の歴史や理念は、次世代を担う子どもたちの人格形成にも大きく関わってきます。子どもが自然と「仕事は人の役に立つもの」という考え方を身に付けている場合もあれば、逆に「大変だからやりたくない」と思っていることもあり、そのどちらにも家族の成育環境が色濃く影響します。
このように、一人ひとりがもつ成育環境は、結婚においても重要な役割を果たします。とりわけ「アトトリ婚」のように事業継承が前提になると、当事者同士だけではなく、そこに関わる親御さんや家族全体の価値観を含めた相性が極めて大切になります。成育環境をしっかりと理解することは、「なぜ自分はこう思うのか」「相手はどんな背景をもっているのか」という相互理解につながり、より良い家庭や事業の未来像を共に描くための第一歩なのです。


一方、アトトリと結婚することになるパートナーの親にとって、結婚はあくまでも大切な子どもの幸せが目的になります。そのため、アトトリ側も「相手をパートナーとしてきちんと守り、尊重し、家族として大切にできるか」という姿勢が試されます。事業があることが前提となっているからこそ、アトトリやそのパートナーが双方の「家の規律」や「家族の価値観」に共感や敬意を持てるかどうかは重要です。アトトリ側だけに共感するのではなく、アトトリ自身がパートナーを信頼し、委ね、尊重することこそが、パートナーの幸せにつながっていくからです。


だからこそ、私たちは学術的エビデンスに基づき自社開発した価値観診断ツール「ドボン診断」を活用し、一人ひとりの成育環境や価値観を丁寧に理解することが欠かせないと考えています。誰しも譲れない価値観はありますが、それは大切に守りあいつつ、譲れる部分は思い切って譲歩する。相手にゆだねる――私たちはそんな結婚の在り方を提案します。
【アトトリ婚の事例】
Case.製造業の娘(31歳)ーー譲れなかったのは、自分が育ってきた場所に住むこと
製造業A社を営む経営者の娘(31歳)は、当初、清潔感、金銭感覚の一致に加え、将来的に自分と共にA社を継げる相手を望んでいました。しかし「ドボン診断」の受検により、娘自身も母のように子育てに専念したいという希望をもっていることが判りました。一方、経営者はA社を社内選抜かM&Aで承継する予定を固めており、娘のパートナーには事業への直接関与を求めない方針です。そこで、娘が結婚後に育児や家事に専念しやすい環境を整えてくれる相手を探し、3か月で8件のお見合いを実施しました。その結果、刈谷市在住のエンジニア男性(34歳)と婚約に至ります。男性は在宅勤務が可能で自身の母親も専業主婦だったため、娘の希望を深く理解でき、経営者もA社経営に過度に干渉しない点を好感したことが決め手となりました。
Case.旅館のアトトリ娘(41歳)ーー譲れなかったのは、血縁者に事業をつなぐこと
温泉旅館を営むB社の経営者を母に持つ娘(41歳)は、自らB社を継ぎたいと強く考え、そのうえで将来は姪(姉の子・5歳)を養子とし、後継者として育てる可能性も視野に入れていました。この条件を受け入れてくれる男性を探す必要があるため、相手への要望はできるだけ緩和する方針で活動を開始しました。「ドボン診断」では娘が旅館経営に情熱を注ぐ一方で、家事・育児をパートナーに期待しがちなことが分かりました。そこで家庭のタスク分担について柔軟性を重視する方針を再確認し、最終的には46歳で自身も飲食店を営む男性と真剣交際に至っています。双方とも子どもは望まず、夫婦の時間を充実させたい意向が一致しました。男性は旅館経営そのものに強い関与はしないものの、旅館敷地内への飲食店移転を希望しており、現在は改装資金などを含めて顧問税理士らと協議を進めている状況です。
【アトトリ婚のサービスの流れ】
1.ドボン診断による価値観の可視化
まずは学術的エビデンスに基づく診断ツール「ドボン診断」を使い、結婚する当事者はもちろん、ご両親や家族の価値観を把握していただきます。「何を大切にしてきたのか」「どんな仕事観・人生観を持っているのか」を整理することで、結婚後に生じるトラブルを未然に防ぎます。
2.面談・カウンセリング
診断結果を踏まえ、専門カウンセラーやキャリアコンサルタントが面談を実施。家業の現状や後継者への期待・想いを詳しくヒアリングし、「本当に譲れないポイント」や「どこなら歩み寄れるか」を整理します。
3.親御様・ご家族との連携
「事業継承が前提」となると、親御様の想いも重要な要素です。サービスの段階で、ご両親のお気持ち・ご希望を丁寧にうかがい、後々の家族間トラブルを防ぐためのコミュニケーション方法をサポートします。
4.マッチングとご縁組みのサポート
お互いの価値観や家業への関心、スキル・経験を総合的に踏まえた上で、事業や親御様との相性も考慮しながらお相手をご紹介。さらに、お見合いの進行や婚約後のフォロー、結婚に至るまでの実務的なサポートまで対応します。
5.アフターサポート
ご成婚後は、家業を踏まえたキャリア形成や、義両親との関係構築などが新たな課題となることも珍しくありません。1tonariでは、このような継続的な家族関係・ビジネス継承のお悩みに対して、各種専門家との連携によるサポートを行っています。
「結婚したい」を諦めさせない。アトトリとその家族がともに幸せになるために
「結婚するお二人」と「家族の事業」がともに末永く発展していくためには、相互理解と敬意が不可欠です。私自身も家業と向き合ってきた経験を通じて、家族の価値観を尊重しながら、自分らしい道を切り開くことの大切さを学びました。アトトリ婚は、そんな体験を活かしつつ、すべてのご家族が温かく、そして豊かに続いていけるご縁組みを実現するためのサービスです。


結婚したい、をあきらめさせない。
すべてのアトトリの幸せのため、事業の発展のために、アトトリ婚をぜひご利用ください。


【問合せ先】1tonari事務局(村井社会保険労務士事務所内)

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