国産い草家具をミラノで発信 アダル ミラノサローネに二度目の出展

2025.03.06 10:00
株式会社アダル
うねり(Weavers)をテーマにした日本文化のムーブメントを生み出すべく新商品を発表

創業72年、レストラン・ホテル・オフィスなど多業界に家具を納入する業務用家具メーカーの株式会社アダル(本社:福岡市博多区、代表取締役社長:武野 龍、以下「アダル」)は、イタリアのミラノで毎年開催されるSalone del Mobile.Milano/ミラノサローネ国際家具見本市(以下、ミラノサローネ)に出展します。今年のミラノサローネは2025年4月8日から4月13日まで、ロー・フィエラミラノ (Fiera Milano, Rho) で開催。国産い草を使用した3つの新作発表も予定しています。
ミラノサローネは、世界3大家具見本市の中でも最大規模で、デザイナー、建築家、バイヤーなど30万人以上が集う国際的なイベントです。毎年世界中から37カ国、約2000のブランドが出展するなか、日本企業の出展はわずか0.4%ほどです。
アダルは2019年からミラノサローネと同時期に市街地で行われる「フオーリサローネ」に継続して出展し、昨年初めてミラノサローネの舞台に挑みました。本年も“い草”を使ったサステナブルブランド《Look into Nature》を世界最高峰の舞台で展開します。
テーマは [うねり(Weavers)]
「自然は人の一部ではなく、人は自然の一部である」
この言葉は、日本独自の風土性を象徴しています。《Look into Nature》は、その自然観を基軸に、サステナブルな社会の在り方を伝えるプロダクトブランドです。
新たなコレクションでは日本文化に根付く風土性や素材、そして織元・染工・家具職人が一体となり、大きなムーブメントを生み出すべくテーマ、 [うねり(Weavers)]を掲げています。い草の特性を活かした曲線美を用い、プロダクトの造形を通じて、このメッセージを具現化しています。
Designed by CANUCH
HAORI日本の着物の上着をモチーフにしたチェアで、包み込むようなデザインに隙間を設けることで空間を創出しています。
MONN日本庭園の「見立て」の要素を活かし、インテリアとエクステリアの境界を曖昧にしたテーブルアイテムです。再利用可能な素材を用いたこのデザインは、サステナビリティの新たな方向性を示したプロダクトとしての挑戦です。



<CANUCHのコメント>
《Look into Nature》は、ADAL社のプロダクトの役割を問い直すことから始まり、日本企業として世界に提示すべき価値を再考するリブランディングの一環です。日本人の空間づくりは自然との調和を重視し、四季の移ろいや素材の使い方に独自の自然観が表れています。この視点はサステナブルな思考に基づいており、世界に誇れる価値であるため、プロダクトを通じて発信することを目指しました。
《Look into Nature》という言葉のもと、「親和する風景」というコンセプトを設定。い草のウェービングラインをデザインに取り入れ、自然との一体感を表現しています。
Designed by STONE DESIGNS
NAGARENAGAREは、2 つの異なるインスピレーションを組み合わせてデザインしました。1つ目は、水が壁を流れるような滝のイメージです。このデザインは、どんな空間にもなじみ、水のように自由に形を変えて適応できます。2つ目は、スペインの伝統的なブラインド「アリカンティーナス」からのインスピレーションです。アリカンティーナスは、バルコニーに吊るすことで日陰を作り、
風通しを良くするアイテムです。
さらに、「い草」には私たちの想像を超える可能性があることに気づきました。「NAGARE」は、まるで魔法のじゅうたんのように壁を流れるデザインで、美しい立体感や模様を作り出します。無限の組み合わせが可能で自由にアレンジできます。これは、い草を床材ではなく、まったく新しい用途で活かす革新的なアイデアなのです。



<STONE DESIGNSのコメント>
私たちは、ミラノのサローネ・デル・モービレで《Look into Nature》の展示を見て、その繊細さやエレガンスさに感銘を受けました。特に、サステナビリティや職人技、自然への愛といった価値観に深く共感し、一緒にコレクションを作りたいと強く思いました。
「NAGARE」コレクションでは、自然の美しさを壁に表現し、空間に命を吹き込むデザインを目指しました。このコラボレーションは、単なるデザインではなく、自然と調和しながらものづくりをするという、私たちの想いを形にしたものです。

サステナブルブランド《Look into Nature》とは?
国産“い草”を使用したサステナブルなアダルの家具ブランドで、ヨーロッパでのサステナビリティ活動の高まりを背景に、素材としての環境負荷の低さとデザインが融合し、『産業としてのサステナビリティ』に寄与している活動自体が高く評価されています。
1500年以上続く日本のい草産業は、過去30年で10分の1以下の産業規模に縮小しその存続が危ぶまれています。その背景として、メンテナンス性の高い人工い草や安価な外国産い草の流通が要因となっています。

アダルは、日本の伝統文化である“い草”を現代の生活に合う家具として、同時に「伝統工芸品としてではなく産業としてあり続けたい」という“い草”生産者様の想いに共感し、2019年より開発をスタートした高級国産“い草”の家具ブランド《Look into Nature》を世界中のインテリア空間に届けたいと考えています。

日本の様々な美しい風景をモチーフとした本ブランドは、 2019年のフオーリサローネでトルトーナ地区に初出展、3回目となった2023年フオーリサローネでは、ブレラ地区で“い草”とプロダクトが世界中から訪れた多くの人々を魅了しました。2024年にはiFデザインアワードにて、《 Look into Nature 》のコレクションの一つである「SAKYU」が世界三大デザイン賞『iFデザインアワード2024』を受賞しました。

<ブランドサイト>
■出展ホールとブース位置について
アダル出展ブース ホール14E-30

今年もホール14-18では、カッテラン・イタリアをはじめとする一流企業や、新進気鋭の企業が出展します。アダルの名前もミラノサローネのホール紹介ページで紹介されました。
また、2024年に大好評を博したトークイベント「Drafting Futures」が今年もアダルが出展する14ホールで開催されます。
フォルマ・ファンタズマが手掛けたアリーナにて、デザイン界を代表する建築家や、著名映画監督が登壇し、連日多くの来場者で賑わうことが期待されます。
■デザイナー
STONE DESIGNSスペイン出身のクトゥ・マスエロス氏とエバ・プレーゴ氏が率いるデザインオフィス。インテリアデザイナーやプロダクトデザイナーだけでなく、建築家やフォトグラファーも集結したパワフルなクリエイティブチーム。1995年の設立以来、“人のためにカタチにする”を大切にし、世界中で前衛的なデザインを展開している。
これまでに、シェラトンのリゾートデザイン・レクサスの特別仕様車デザイン・コカ・コーラのオフィスデザインをはじめ、ロレアル・アディダス・無印良品・モビスターなど、世界的ブランドのプロジェクトに数多く携わり、様々な方面から高い評価を受けてきた。自由奔放で温かみに溢れるクトゥ氏、周囲が圧倒されるほど独創的で根気強いエバ氏。山と海、自然をこよなく愛する2人のクリエイティビティが、“次のデザイン”を生み出してく。
■デザイン&ブランドディレクション
木下陽介(写真右)・野口優輔(写真左)
Canuch Inc.東京を拠点とするデザインコレクティブ。2012年設立。人と物との関係性の探求を起点とし、インテリアデザイン、プロダクトデザイン、マテリアル開発など様々なプロジェクトを手がけている。代表的な仕事に、株式会社ルミネ新オフィス、鎌倉紅谷八幡本店、TBWA\HAKUHODOオフィス、小国杉を使用したファニチャーFILの《MASS SERIES》のデザイン等。
■ブースデザイン
Old KanCEO/インテリアデザイナー、浦田晶平氏は、乃村工藝社A.N.D.小坂⻯氏に師事した後、2020年にOld Kan設立。
どこか「懐かしい感覚」「古き良き」といった設えも大切にしながら、商業 施設の空間デザインを中心に精力的に活動。
日本空間デザイン賞、Sky Design Awards他、受賞実績多数。
アダルについて
「家具を通して人の営みを支え、より豊かで快適に過ごせる空間を提供する」をミッションに、レストラン・ホテル・オフィスなど多様な空間に家具を提供する創業71年の業務用家具メーカー。社名のADALはADviser for Amenity Life(快適な生活空間のアドバイザー)の略。福岡本社をはじめ全国14拠点を構え、80名以上の職人が勤務する業界最大級の総合工場を所有。業界初の自社ECサイト(
)を運営し全国の顧客ニーズに応える。福岡・東京オフィスにて『快適な働き方』を体験できるライブ型ショールーム「ADAL CREATIVE PLACE」の見学予約を随時受付中。

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