eスポーツ選手とLIXIL社員が語る、自分だけの「夢中」を見つける方法

2025.01.30 13:00
2024年の12月11日に葛飾区の共栄学園中学高等学校で開催されたLIXILの特別出前授業。「FIND YOUR CRAZY〜夢中を見つけよう〜」というテーマで開催された今回の授業には、LIXIL LWT Japan 新規事業推進部長の平田知明輝、プロゲーミングチーム「SCARZ」のPyon氏とあしも氏が登壇。自分だけの「夢中」を見つけることの大切さについて、住宅業界とゲーム業界、二つの視点から多様なトークが展開されました。当日の様子をレポートします。
子どもの頃に夢見た仕事に就いている大人は、わずか6%
――皆さんおはようございます。今回は特別なゲストをお迎えして、「FIND YOUR CRAZY〜夢中を見つけよう〜」というテーマでお話をします。今日は皆さんの「夢中」が未来の自分をどのように変えていくのか、そのヒントが見つかる1時間になればと思います。まずは、LIXILでこれまでにない画期的な商品づくりをしている、平田知明輝さんにご登壇いただきます。それでは、平田さんよろしくお願いいたします。


平田:皆さんおはようございます。LIXILの平田です。今日は「夢中を見つけよう」というテーマで、自分が夢中になれること、好きなことの見つけ方について少しでもお伝えできたらと思います。LIXILは皆さんの毎日の暮らしをより豊かに、快適にするべく、家や暮らしに関するさまざまな製品やサービスを生み出している会社です。お風呂やトイレにキッチン、窓やドアなど、日常的に触れるものも多いので、皆さんも1度や2度は使ったことがあるかと思います。これらの製品やサービスを生み出すにあたって、LIXILには多くのプロフェッショナルがいます。製品を企画したり、デザインしたり、製造したり、提案したり、施工したり、いろいろな仕事がありますが、その中で私はまだ見ぬ新しい商品を考えて生み出す、新規事業企画という仕事をしています。 
仕事の話になりましたので、早速本題に入りたいと思います。皆さんは今、夢中になっていることや、将来絶対になりたい職業はありますか? 小学生のころは誰もが「あの仕事がやりたい、こうなりたい」という夢を持っていたかと思います。けれども、子どもの頃目指していた仕事に就いている大人は6%ほどしかいません。子どもの頃に目指していた仕事ではないけれど、今現在好きなことを仕事にしていると実感している大人は28%、約3割ですね。自分の好きなことを仕事にするにはどうすればいいのか? それにはまず、自分が好きなことを見つけることが大切だと私は考えています。好きなことがはっきりしていなければ、「好きなことを仕事にしていますか?」と聞かれても自信を持って答えられません。まずは、自分の好きなこと、夢中になれることをはっきりさせておくことが大事です。
少しでも気になったことは、積極的にチャレンジ
――毎年のように発表される「なりたい職業ランキング」も、平田さんが学生のときと今では大きく変わっていますよね?


平田:そうですね、だいぶ変わっていますね。最新のなりたい職業ランキングでは男子は公務員、スポーツ選手、YouTuber、ゲーム業界の仕事、エンジニア・整備士が並んでいます。女子は先生が1位で、ミュージシャン、公務員、イラストレーター、保育士・幼稚園教諭というランキングです。私が中学生だった20年ほど前は、YouTuberという職業はなく、ゲーム業界もそこまで人気の仕事ではありませんでした。


私自身の経歴を話すと、もともと建築士を志望していたのですが、実際になってみて「これは違うぞ」と気づきました。そこで、子どもの頃のもう一つの夢だったパイロットになるべく、アメリカへ行きパイロットライセンスを取得しましたがこれもしっくりこず、その後は日本に帰国してコンサルティングファームや、最先端技術を商品化するスタートアップでキャリアを磨いてきました。
そして、現在はLIXILで新規事業や新商品の企画を担当しています。いろいろな製品を生み出してきましたが、今回は私が手がけた「
」という泡のシャワーを出すプロダクトについてお話しします。この商品は最初、美容に関心のある人に向けて開発をしていました。化粧品カテゴリの製品として考えていて、デザインや価格もそこを意識していましたが、実際にいろいろとプロモーションを実施してみると、それ以外の層にも需要があるということが分かりました。


小さいお子さんのいる家庭や、介護が必要な家庭、介護現場でも使っていただけることが分かったので、専用のボディソープの成分や価格を変更したり、デザインも刷新したところ、2回目のクラウドファウンディングでは10倍近く売れました。自分で一生懸命考えて試行錯誤した製品が多くの方に評価いただき、本当に嬉しかったですね。


――興味を持った世界に飛び込んでみることは、とても大切ですよね。


平田:私が夢中になるのは、「新しいモノやコトを試す」ことです。常に新しい挑戦を続けたいので、このプロダクトにしてもデザインを変えたり、広告やCMの打ち出し方を変えたり、販売場所を変えてみる。良い結果が出れば最高ですが、想定外の結果でもそれはそれで面白く、気づけば次の手を考え始めています。私の場合、結局建築士やパイロットを仕事にはしませんでしたが、いろいろと試したおかげで多くのことに気づけました。考えることの楽しさはコンサルティングファームで知り、試行錯誤するためのあらゆるスキルはスタートアップで学んできました。ぜひ皆さんも、いろいろな世界をつまみ食いしながら、自分なりの「好き」を形成していただければと思います。


――会場の皆さんに、夢中になれることを見つけるためのアドバイスをお願いします。


平田:今日はぜひ二つ覚えていただければと思います。一つは少しでも気になったことがあれば、まずは試してみることです。その上で、どこが楽しかったのか/合わなかったのかを言葉にして残しておく。例えば、車が好きといっても車のデザインが好きなのか、設計や機械が好きなのかで、大きく変わります。日頃から自分の好きなことを言葉として残しておくと、少しずつ自分だけの「好き」が溜まり、仕事をする年齢になったときに、自分だけの大好きなことが見つかるはずです。自分の気持ちを大切に、小さなことから一歩ずつ試してみてください。
すぐに行動するための「5秒ルール」を大事に
――平田さん、ありがとうございました。「やってみたい」を動機にパイロットのライセンスまで取得する行動力はすごく大切ですね。ここからはeスポーツのプロチーム「SCARZ」に所属されている、Pyonさん、あしもさんにもご登壇いただきます。


Pyon:皆さん、おはようございます。SCARZ所属のPyonです。自分は今年の3月まで現役で選手をやっていて、今はチームの運営として活動しています。本日はよろしくお願いします。


あしも:同じくSCARZでプロのeスポーツプレイヤーとして活動しているあしもと申します。よろしくお願いします。


Pyon:今日はFIND YOUR CRAZY〜夢中を見つけよう〜というテーマで、好きなことや夢中になれることを見つける方法をお話しできればと思います。僕がプロのeスポーツ選手になろうと思ったのは、大学1年生のときにeスポーツがアジアオリンピック(第18回アジア競技大会)で、デモンストレーション競技として採用されたというニュースを見たときでした。小さい頃からオリンピックに出たいという夢があって、大学まではサッカー、陸上、バスケットボール、野球などをやってきましたが、日本代表になるレベルにはたどり着けず夢をあきらめていたので、このニュースにはすごく希望を感じました。ただ、当時は今ほどeスポーツの理解も進んでいなくて、親からは反対されました。大学卒業後にプロになり、3年間プロとして活動をして今年の3月に引退をして今に至っています。


あしも:僕はeスポーツプレイヤーへの憧れからこの世界に入りました。大学に入学してからいろいろな大会に出て実力もつき、 2022年の12月にSCARZに加入しています。うちの家族は放任主義というか、若いうちに挑戦してみることも大事だということで、後押しをしてくれました。
――お2人は学生時代、どのようなことに「夢中」になっていましたか?


Pyon:僕はスポーツ以外だと戦術を考えることですね。バスケでもサッカーでも観戦しながら戦術を考えていましたし、コーチングも学びました。プロになってからの組織における戦術や、組織づくりにおいてはその経験が役立っています。そして、大事なのはとにかく同じゲームをやり続けること。やればやるほど上手くなるというのがeスポーツの魅力です。世界の強豪に負けたときは、どこに差があって、どこを埋めれば勝てるのかをすぐに考えて、行動に移すことを大事にしていました。とにかく、負けず嫌いという性格もプロとして大きな原動力になっていたと思います。


あしも:僕は中高時代に部活で長距離走をしていましたが、個人競技なので孤独との戦いなんですね。数十分間、一人で走り続けるので、その中でストイックかつ、着実に物事をこなすメンタリティが身につきました。自分のゲームプレイのスタイルは、最初に数をこなし、負けた試合は必ず見直して問題点を改善するという堅実派です。ここにも陸上で培った、一歩一歩着実に積み重ねる経験が生きていると感じます。


平田:お2人とも学生時代、子どもの頃から変わらない習慣などはありますか?


Pyon:すぐに行動するための「5秒ルール」を決めています。小学生時代に読んだ本で得た知識ですが、人間は5秒ほど考えると「判断」するようになるといわれています。小学生の頃からゴミ捨て当番などの面倒な仕事のときには、5秒考えて「面倒だからやらない」と判断してしまうより前に身体を動かすようにしています。すぐに行動する習慣は今も大切にしています。


あしも:小中学校時代は将棋をやっていましたが、そこで感じたのが体調管理の重要性です。将棋でもeスポーツでも当日に最大のパフォーマンスを出すには、前日に十分な睡眠を取ったり、常備薬を忘れずに用意したり、ルーティンを忘れずに行ったりすることが欠かせません。こういった準備を忘れずに行うことの大切さを将棋から学びました。


平田:ありがとうございます。ぜひ、会場の皆さんも参考にしていただければと思います。




生徒からの質疑応答タイム


トーク終了後は会場からの質疑応答コーナーに。生徒からの質問に三者それぞれの立場から回答をします。


――今1番大事にしていることを教えてください。


Pyon:いろいろな物事に関心を持つことです。一つのモノの見方、捉え方ではなく、多角的な見え方を探すために、いろいろな物事に関心を持つことを大事にしています。


あしも:決めたことを継続することです。eスポーツはそこまで長く現役を続けられる世界ではないので、引退までの間に少しでも成長できるよう、何か一つのことを決めたら曲げずに継続するようにしています。


平田:自分と他者の違いです。自分の子どもと会話をしていると、たまに突拍子のないことを話すときがありますが、そんなときも自分と違う部分を見つけ出し興味を持つような視点ですね。仕事でも自分の視点と異なる他者の意見は常に参考にしています。
――緊張への対処法を教えてください。


平田:めちゃくちゃ練習することです。練習を重ねることで、緊張する暇がないほどに身体が動きますから。事前にできることはすべてやっておくことです。「これで駄目なら仕方ない」と思えるくらい、たくさん練習してください。


Pyon:まず、緊張することは決して悪いことではありません。無意識の緊張はミスにつながりやすいので、「今、自分は緊張しているな」と自覚するようにしています。どうしても緊張するときは、深呼吸して7秒で息を吐く行為を3回くらいやると、心拍数も落ち着きます。


あしも:自分も場数をこなしながら慣れていったので、最初から緊張しない人はいないと思います。大事なのはルーティンを持つことです。僕は集中すれば緊張しないタイプなので、試合中に水を飲むようにするとか、決めた行動を取ることで集中して乗り切ります。




質疑応答後は、あしも氏と共栄学園中学高等学校のeスポーツ部の生徒によるゲーム対戦も行われ会場は大盛り上がり。大盛況の内にイベントは幕を下ろしました。


LIXILでは、「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現」というパーパス(存在意義)の達成に向け、常に新しいことにチャレンジしています。これまでの枠にとらわれない斬新な発想、そしてさまざまなバックグラウンドを持つ従業員の多様な視点や協業者とのコラボレーションから生まれる新たな価値-このようなことを大切にし、イノベーションを創発していくことで暮らしの未来を創造していきます。
LIXILは今後も、私たちの行動指針LIXIL Behaviorsの一つにある「実験し、学ぶ」企業文化を醸成し、“やってみよう”と仲間が背中を押してくれる環境を整えてまいります。
About LIXIL
LIXILは、世界中の誰もが願う豊かで快適な住まいを実現するために、日々の暮らしの課題を解決する先進的なトイレ、お風呂、キッチンなどの水まわり製品と窓、ドア、インテリア、エクステリアなどの建材製品を開発、提供しています。ものづくりの伝統を礎に、INAX、GROHE、American Standard、TOSTEMをはじめとする数々の製品ブランドを通して、世界をリードする技術やイノベーションで、人びとのより良い暮らしに貢献しています。現在約53,000人の従業員を擁し、世界150カ国以上で事業を展開するLIXILは、生活者の視点に立った製品を提供することで、毎日世界で10億人以上の人びとの暮らしを支えています。
株式会社LIXIL(証券コード: 5938)は、2024年3月期に1兆4,832億円の連結売上高を計上しています。
LIXILグローバルサイト:

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