「ずっとピンチだった」泉ピン子77歳、「最後になるかもしれない」"終活本"ならぬ"ピン活本"に込めたメッセージ

2024.12.26 12:00
株式会社講談社
撮影/大坪尚人

1983年の『おしん』をはじめ、『渡る世間は鬼ばかり』『女太閤記』『西郷どん』といった大型ドラマから、『ぴったんこカンカン』などのバラエティーまで広く出演。2019年には文化庁長官表彰や旭日小授賞を受賞した国民的女優・泉ピン子さん。
現在は熱海に居を構え、夫と愛犬と暮らしていますが、隠居するどころか、2024年年末から2025年春にかけてもさらに活躍の兆しが!

そのひとつとして、「もしかしたら最後の本になるかもしれない」という書籍の刊行が決定! 『終活や~めた 元祖バッシング女王の「ピンチを福に転じる」思考法』と題し、3月5日に発売となります。その刊行決定を記念して、本書を刊行するに至ったピン子さんからのメッセージをご紹介します。
子どものころから、ずっとピンチだった
ずっとピンチだった。
子どもの頃も、仕事を始めた頃も、テレビに出始めた頃も。
女優になって、たくさんの仕事が舞い込んでからも、ピンチは何度もあった。
独身のときは、「結婚できない女」と言われ、結婚したらしたでいろいろ言われた。
50歳で独立したときは、所属事務所の借金を背負わされた。
後輩をいじめた噂が流れ、バッシングも受けた。
母と慕った恩師を失ったときは、嘘つき呼ばわりされた。
でも、そんなピンチをずっと跳ね除けて生きてきた。
その「ピンチを跳ね除ける活動」を「ピン活」と名付けてみた。

77歳になった。
穏やかな日常を送っているけれど、まだまだピンチだと感じる瞬間はある。
それまでできたことができなくなる70代はピンチの連続だ。
しかも、令和になって、ちょっと毒づくだけですぐバッシングされる世の中になった。
でも、「多様性」を主張している人が、古いものを排除するなんておかしいと思う。
多様性の時代だからこそ、物分かりのいい大人になるんじゃなくて、昭和の時代に「いい」とされていた価値観を受け継いでいくのも、私のようなばあさんに託された役目かもしれない。
終活なんて言葉が流行ったとき、一瞬その真似事をして、手元にあったものをいくつか処分したこともある。
でも、私の身の回りにあるものは、ほとんどが思い出と結びついていて、あらためて、自分が手放すことには向いていない性格であることを再確認した。

平成や昭和以上に、老害が排除されやすい世の中だけど、様々なピンチを跳ね除けたピン活人生には自信がある。
古いものに価値があるように、古い考えにもたぶん価値はある。

そう思って、私のピン活人生を本にまとめることにした。

言葉だけだと重苦しい印象があるので、熱海での私の平凡な暮らしについても公開している。
私の拙い経験でも、もしかしたらピンチに直面している誰かの励みになるかもしれない。
年齢問わず、今がピンチだと感じる人に手に取っていただけたら嬉しいです。

泉ピン子 (『終活や~めた 元祖バッシングの女王の「ピンチを福に転じる」思考法』「はじめに」より)
撮影/大坪尚人

終活やーめた。 元祖バッシングの女王の「ピンチを福に転じる」思考法
終活より、ピン活。「ピンチをチャンスに変える活動」。略してピン活。
漫談家でデビュー、キャバレーを渡り歩いた20代、父のがん、橋田壽賀子さん、そして親友・西田敏行さんの死、50歳での何億もの借金、スキャンダル報道に大バッシング、まさかの栄養失調ーー?
そんなピンチをチャンスに転じてきた行動とは。
ピン子の格言「ピン喝」、熱海の生活や買い集めてきたブランド品も大紹介!

【書籍概要】 
■タイトル:終活やーめた。 元祖バッシングの女王の「ピンチを福に転じる」思考法
■著者:泉 ピン子
■発行:講談社
■発売日:2025 年3月5日(水)
■定価:1980円(税込)
■仕様:四六判
■ISBN13: 978-4065376102

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