変幻自在なビジネスにペイパル「ノーコード決済」で対応 唯一無二のキャンプを通じ、地域の新しい魅力を引き出す株式会社VILLAGE INCの挑戦

2024.12.09 14:20
遊休地を利用して非日常体験を提供する株式会社VILLAGE INCは、ペイパルの「ノーコード決済」を活用しています。さまざまなゲストの好みにも対応できるペイパルを選んだ理由とは。
コロナ禍後の旅行熱に沸く観光業界。そんな中、未開の土地や廃校、廃駅、使われなくなったスキー場など、人々が振り向きそうもない空間や場所の魅力に目をつけ、キャンプ場としてプロデュースすることで今注目を集めているのが株式会社VILLAGE INCだ。自営のキャンプ場からスタートした同社は、今や名だたる企業や地方自治体からコラボレーションを持ちかけられ、官民、民民と連携するビジネスモデルで、全国にビジネスの輪を拡げつつある。代表取締役社長の橋村和徳氏に話を聞いた。


船でしか行けない1日1組限定のキャンプ場から始まった


橋村氏はテレビ局勤務を経てITベンチャーの起業に参画した後、西伊豆に移住してキャンプ場事業をスタート。2012年にVILLAGE INC.を立ち上げた。
「私たちのモットーは『何もないけど 何でもある』。地方の辺境や使われなくなった廃墟など、価値がないと思われている土地や建物を魅力的な姿に変えて、キャンプを主とする宿泊スタイルでお客様に楽しんでいただくサービスを提供しています」
このコンセプトを象徴するのが、同社の最初の拠点である西伊豆のAQUA VILLAGE。崖に囲まれた海沿いの荒れ地を橋村氏が人力で2年間かけて整備したキャンプ場で、船でしかアクセスできない「陸の孤島」だ。


顧客は1日1組限定。大自然に囲まれた誰にも邪魔されない空間を心置きなく楽しむことができる。家族や友人のグループだけでなく、企業の研修や結婚式、アーティストのシークレットライブなどにも使われている。
同社では、キャンプの場合、テントの設営や食事の準備、レクリエーションなどは顧客たち自身が計画を立てて行い、スタッフはそれを手伝ったり、アドバイスしたりする程度。「村づくり」のような感覚を味わえて、仲間たちとの結束も深まる。一方、女性客を意識してトイレなどの水回りはもちろん水洗。スタッフが常に清潔に保つなど、陰では細かな気くばりが行き届いている。
友人たちのグループでキャンプを楽しんでいた男性は、「消灯時間があるキャンプ場もありますが、ここは貸し切りなので、夜遅い時間まで周囲を気にせずに仲間たちと楽しめる」と、満足そうな様子だった。


行政や企業とのコラボで地方を元気に


橋村氏を突き動かしているのは、地方での働き方・生き方の選択肢を増やしたいという思いだ。自身も佐賀県唐津市出身で、地方経済の行き詰まりを目の当たりにしてきた。
「地方では就職先の選択肢が少ないので、若者は都会に出ていってしまう。一方で大自然は圧倒的に残っていますから、それを生かしたサービスは親和性が高い。私たちの拠点を日本各地に創造することで、結果的に地域産業の一翼を担えたらと考えています」


現在、同社の拠点は全国に9カ所。橋村氏の地元である佐賀県唐津市では、市が運営する休館中だった国民宿舎をリノベーションして運営している。群馬県みなかみ町では、無人駅となっていたJR土合駅前にグランピング施設を開設。JR東日本との合弁会社を設立して運営を担っている。どちらの例も、「廃墟」を再生させるコンセプト通りだ。VILLAGE INC.の評判を聞きつけて、各地の自治体や企業からプロデュースを頼まれる案件も多いという。
「地方自治体や企業とコラボレーションすることで、よりスピーディーに拠点を広げることが可能になってきています。コンセプトは尖りすぎても良くなくて、いま流行しているものの半歩先くらいがいい。土合駅の場合も、すでに流行していたグランピングに無人駅という新しい要素を掛け合わせただけです」


同社はホテル、温泉旅館、海の家など、地域ごとにさまざまな業態を展開している。変幻自在に進化を続けているが、そこを貫いているのは「人」がビジネスの鍵になるという発想だ。
「新しい地域に進出する時に常に重視しているのは、変化を恐れず、地元にコミットして自分の街を良くしたいと考えているローカルプレーヤーがいるかどうか。場をつくることはできても、運営し続けるのはその何百倍も難しい。コミットし続ける人間をいかに集めるかが、もっとも大切だと思っています」
柔軟なビジネスには柔軟な決済が必要、ペイパルを選んだ理由


VILLAGE INC.では、創業間もない頃からペイパルの決済サービスを利用している。その理由を、橋村氏はこう話す。
「簡単な操作でお客様にオンラインで即時決済していただけて、かつ、入金までの期間が短いサービスを探したところ、見つけたのがペイパルでした。特に、入金までの期間はベンチャー企業にとっては死活問題。他社のサービスでは1カ月後や45日後といったものが多い中、ペイパルは数日後に入金される(※) のでありがたいです」
※ペイパル決済では、即時にアカウントに入金。残高を銀行口座へ引き出すには最短3日です。(ご利用の銀行により異なる場合があります)


地域ごとの特性を踏まえて多様な業態に挑戦してきたVILLAGE INC.のビジネスと同じく、ペイパルはさまざまな状況に柔軟に対応できる点も評価しているという。同社は、顧客がインターネットで宿泊を申し込んだ際に、宿泊料などの代金は基本的に前金で受け取るようにしている。部屋ごとに料金が固定されているホテルなどと違い、顧客の人数やどんなオプションを選ぶかなどによって金額はまちまち。この点、顧客ごとの事情に応じた支払い対応できるペイパルの決済を重宝しているという。
「私たちのキャンプ場は、柔軟でなければなりません。決まったサービスやメニューを提供するのではなく、お客様と一緒に毎日新しく創り上げていくキャンプ場なのです。だから決済だって柔軟であって欲しいんです。例えば、現地でお金のやりとりをすると、お客様も心理的に現実に戻されてしまうところがある。なるべく事前にオンラインで決済を済ませておくことで、心置きなく遊びを楽しんでいただけます。前金でいただいていた方が直前のキャンセルも発生しづらいという利点もあります」


知識なしでも運用できる「ノーコード決済」


静岡県三島市にある本社で日々、企画広報と顧客管理を担当するのが入社2年目の橋本優樹氏だ。もともとVILLAGE INC.が福岡県で運営するキャンプ場の利用客だったが、同社の魅力に惹かれてアルバイトする中、橋村氏に直接勧誘されて入社を決めた。
顧客管理業務にはもちろん事前決済処理があるが、橋本氏が活用しているサービスは、2024年4月にリリースされたペイパルの「ノーコード決済(支払いリンクとボタン)」。コーディングの知識がなくても支払いの受け取りが簡単にできるため、特に中小企業やフリーランスにとって利点が多いサービスだ。


ノーコード決済には「ボタンコード決済」、「支払いリンク決済」、「QRコード決済」という3つの決済方法がある。いずれも専門的な知識がなくてもわずか数秒で決済機能を作成できるため、ウェブサイトの有無や対面・オンライン販売など、ビジネスのスタイルに合わせて最適な決済を利用できる。


VILLAGE INC.が現在利用しているのは、「支払いリンク決済」。ノーコード決済のホストページで生成した支払いリンクをメールで直接顧客に送ったり、SNSやウェブサイトなどにハイパーリンクとして追加したりすることで、決済が可能になるサービスだ。顧客は、ペイパルのアカウントを持っていなくても、クレジットカードやデビッドカードで支払いすることができる。
橋本氏は普段、インターネットで宿泊の予約を受けると、人数とプラン内容に応じた金額の決済を作成して、顧客にメールで送信している。入金を確認できた段階で、予約が確定するシステムだ。
「入社するまでITはおろかPCの知識もほとんどなかったのですが、先輩から説明を受けて、初日からすぐにペイパルでお客様への請求がスムーズにできたんです。『こんなに簡単なのか』と驚きました。お客様の方もスムーズに操作していただけているようで、決済でトラブルになったことは一度もありません。常連のお客様には、基本料金などの支払いリンクを保存しておいて継続利用するなど、自分なりに仕事を効率化する工夫もできます」(橋本氏)


キャンプ事業とノーコード決済の相性は良いという。たとえば顧客が大人数のグループで、参加メンバーそれぞれが個別に支払いを行う場合がある。こうした場合も、誰が決済を終えたかを管理画面上で確認することができる。
「いわゆる”割り勘”の場合も、同じ金額のリンクをそれぞれのメンバーに送るだけですから、それほど手間がかかりません。入金があってから管理画面上に情報が反映されるまでにタイムラグがほとんどないので、お客様から『いま入金しました』と連絡があった時にすぐに確認できるのも助かっています」(橋本氏)

ペイパル「ノーコード決済(支払いリンクとボタン)」の実装については
ノーコード決済には他にも、「ボタンコード決済」と「QRコード決済」がある。「ボタンコード決済」では、自社サイトで紹介している商品ページのコーディングページにノーコード決済のホストページで自動生成されるコードを貼り付けるだけで、ボタン決済が表示でき、EC機能が瞬時に加えられる。
また「QRコード決済」では、ホストページでQRコードを作成することができる。ダウンロードしてポップやカードに貼り付けることで、買い手はQRコードを読み取って支払える。期間限定のポップアップショップやマルシェへの出店、フードトラックなどで活躍しやすいサービスだ。
「VILLAGE INC.でもイベントのページを作って参加者を募集することがありますし、ライブイベントでドリンクなどの物販をすることもあります。そうした場面で『ボタンコード決済』や『QRコード決済』が活用できそうなので、ぜひ試していきたいです」(橋本氏)


インバウンド需要獲得に向けて次の一手を、ペイパルのユーザー数にも期待 


現在、VILLAGE INC.の顧客は日本人がほとんど。海外からの問い合わせもあるが、それ以前に国内からの申し込みで予約が埋まってしまうことが多いという。だが今後は海外への情報発信を強化し、本格的にインバウンド需要を取り込んでいきたいと橋村氏は語る。
「日本の大自然の中でキャンプを楽しみたい海外の方も多いと思います。海外旅行者はテントなど本格的な道具を持っていないでしょうから、AQUAVILLAGEに新たにコテージを建設して、道具がなくても楽しんでいただける準備も進めています。ペイパルは欧米での普及率が非常に高い(※)と聞いているので、決済のしやすさも海外の顧客を惹きつける糸口になってくれると期待したいです」
※ペイパルは世界で4億3,000万以上のアクティブアカウントを有しています。


同社は現在、来年のオープンを目指して新たに3拠点を開発している。福岡県うきは市の廃校となった小学校校舎を利用したキャンプ施設では、敷地内に川が流れていて、サウナの後に飛び込んで楽しむことができるという。次々と斬新な発想を生み出す秘訣は何なのか。橋村氏に尋ねると、こんな答えが返ってきた。
「世の中でこれが流行りそうだからとか、お金が儲かりそうだから、という発想だけでは長続きしないし、多分失敗する。何のためにやるのか、という自分の熱量のもとを深く掘り下げていくことが大切です。地方出身で自然が好きだった自分の場合はそれが『ローカル』でした。どんなビジネスにもそれは当てはまると思います」
■詳細はこちら 
株式会社VILLAGE INC
2012年の設立以来「何もないけど何でもある」をモットーに日常をより豊かなものにするため、辺境、遊休地を活用した非日常体験をキャンプという形で提供し続けています。
同社初のキャンプ拠点である西伊豆の「AQUA VILLAGE」は、まさに「陸の孤島」。戦国時代の海賊たちの隠れ家的な土地を代表自らが見つけ出し、当時そのままの自然を活かした新しい非日常の楽しみ方を提案する場として現代に復刻しました。
現在同社は、自営拠点のほか、官民協働で、キャンプ・グランピングフィールドの運営、アウトドアフィールドの企画開発を中心に、地域資産を活用した新たなローカルビジネスの展開まで活動を拡げ、各拠点が連携しながら人と地域を “面”でつなぐ地域活性化の取り組みを提案・推進しています。
株式会社VILLAGE INC:
AQUA VILLAGE:
■ペイパルについて newsroom.jp.paypal-corp.com
ペイパルは、米カリフォルニア州サンノゼに本社を置き25年以上にわたりデジタル決済分野の先駆けとして業界を牽引してきました。送金、販売、購入をシンプルで安全かつパーソナライズされたものにするために革新的な体験を創出し、約200のマーケットで消費者と事業者がグローバル経済で繁栄できるように支援しています。さらに日本を重要なマーケットと位置づけ、日本での利用シーンの拡大に努めています。

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