「絶対に、一人じゃできなかった」/プロジェクト開始より約3年、こだわりを詰め込んだ外来リニューアル建設秘話

2024.12.06 14:00
2024年9月、桜十字病院の外来が新しく生まれ変わりました。
訪れたすべての人が笑顔になるよう、患者さまの満足を第一に考えたより快適な優しい空間となっております。今回は、外来のリニューアルに携わった桜十字の建築チームへ、対談形式でインタビューを行いました。今回のプロジェクトには、施設本部から3名、サイン担当として広報から1名参加し、一緒に同じ目標に向かって活動してまいりました。ここでしか聞くことができない秘話が盛りだくさんです。ぜひ最後までご覧ください。
インタビューSTART!
ー早速ですが、今回外来をリニューアルすることとなった経緯について教えていただけますか?


幸村:はい、元をたどると2.3年前になりますが、院内にあった健診センターをメディメッセ桜十字の新設にあたって移転することになったことが、きっかけになります。私もメディメッセ桜十字のプロジェクトに関わっていたので、新設を進めながらではあったのですが、健診センターが移転した後の空きスペースをどう活用しようか、という点においても検討する必要がありました。それからいろいろあって、今の形になったのですが、詳しい話はのちほど(笑)。
見えるこだわり。見えないこだわり。「違和感のない」空間づくり。
ー 3年!長いプロジェクトだったんですね…。ぜひ、紆余曲折あったであろう建設秘話などについて、これからお伺いできればと思っております。はじめに、新しくなった外来の、こだわりポイントはどちらになりますか?


幸村:デザインについてはやっぱり、インテリアコーディネーターの吉弘さんからお答えいただきたいですね!
吉弘:そうですね、病院に来るときのじめっとしたイメージを一掃したくて。グリーンを感じる開放感ある空間を意識してプランを立てました。また、さくら館とおなじテイストだとメリハリがなく感じてしまうと思って、外来なりの「らしさ」を大切にしました。実はこの案は3つ出したプランの中で、一番可能性が低いかなと思っていた案だったんですよ!
幸村:これがプラン提案のプレゼンテーションの時に作成した資料です。懐かしくないですか?
吉:そうそう!他の2案はすっきりしたシンプルなデザインで、施工のしやすさや金額面では正直、今回不採用になったどちらかの案が採用されるかなと思いながら提出しました。
幸村:でも、今回の第3案に即決でしたね。「これじゃん!」って。
※さくら館(入院病棟)共用部分は2019年に改修いたしました。それについては以下リンクをご覧ください。
ーそうだったんですね!どのプランもとっても素敵で、私だったら悩んじゃいそうです。このプレゼン資料にあるコンセプト「山紫水明」も、今回の外来を説明するのにぴったりですね!
幸村:私もそう思います(笑)。グリーンや木の温かみを大切にした自然を感じるデザインということを伝えたくて。
小田:グリーンを本物にするか、フェイクにするかについては少し論争が起きましたね(笑)
幸村:結構悩みましたね。外来スタッフや医師の方にお話を伺ったところ、本物の植物にすると、虫が湧いたり水がこぼれたり、大変なのではないか、とおっしゃっていて。
吉弘:「絶対、フェイクがいいでしょ!」ってなったよね(笑)。
幸村:それでもなかなかスムーズにはいかなかったのを、覚えています。ただ、完成して患者さまがご覧になっていた際に、「素敵な植物ね」と触れながらお話されていて!
吉:フェイクとはあまり気付かれなかったですね!


ー植物のセレクトひとつとっても、こだわられていた結果ですね!最初のプランから変更や追加になった点で、印象に残っている部分はございますか?


吉弘:ビッグモニターを壁に入れたことですかね。もともとあの壁面もなんだかのっぺりとしていて、カタログを置くのはへたってしまう恐れがあるので避けたくて。どうしようか困っていたところに、小田さんからお話しがあって追加することになったんですが、それはもう収まりが良くて(笑)。
小田:工事が着工するときに、関係者で外来を見て回っていたんですよ。そのときに広報の木口さんから「ここ、モニター置いたら良さそうじゃない?大きなモニターを設置して、病院の情報とか、現在桜十字グループが経営をサポートしているプロバスケットボールチームの熊本ヴォルターズ関連の情報を流したらどうだろうか?」というご意見をいただいて、それからは私が業者探しなど進めて、あの形になりました。
吉弘:本当に、小田さんにはいろんな場面で相談させていただいて、助かりました。サインに関してはすべて小田さんにお任せして(笑)。「こうしたいな」っていうのを伝えると、すぐに作ってくれました!
白倉:本当にそうですね。業者さんとやっていたら、こんなにスムーズには進まなかったと思います。
幸村:それこそ、お手洗いが男女どちらか分かりづらいという意見が出たときにも、すぐにご対応いただきましたね。
吉弘:おかげさまで、利用されるみなさまが、お手洗いに入るときの間違いは減ったと思います。そのサインを作った時も、私が女性のマークに「バラ」を入れてほしいと言ったら、すぐにデザインを起こしてくれて。皆さん、なかなか気づかないと思いますけどね(笑)。
小田:「VOLCAFE(ヴォルカフェ)」オープニングイベントに来てくださったお客様で、気づいて写真を撮っている方がいらっしゃいましたよ!
吉弘:気づいてくれた方がいたんですね!嬉しいです!!
女性用のお手洗いに設置されたサイン


ー男性のお手洗いのサインにもおなじようなこだわりがあるとのことで、この記事を読んでくれた方にはぜひ実際に足を運んでみてもらいたいですね!他にも、「実はこんなところもこだわってます!」というエピソードがあれば、教えていただきたいです!


吉弘:全部こだわってるんですけど(笑)。例えば、お手洗いにタイルは今まで使ったことがなかったのですが、今回入れさせていただきました。クリーン隊(桜十字清掃スタッフ)の方々から「水が跳ねるのが嫌だ」というお話しを伺っていたことに加えて、高級感も兼ね備えていたので、絶対使いたいと思ったんですよ。
小田:それでいうと、INFORMATIONのところもですよね。
吉弘:そうそう!タイルを4種類使用して、かつ向きも変えてるんですよ!
幸村:それがかっこいいんですよね!私もお気に入りポイントはたくさんあるんですが、特に、診察室前待合室の照明が滑走路みたいに伸びていく感じがして好きなんですよね。
吉弘:カバー付きの照明にしたんですよ。ギラギラはしていないけど、しっかり明るい空間にしたくて。全体的にまとまりがあって、心地よく過ごせる「違和感のない」空間づくりを意識しています。すべてに意味があるんです。
お手洗い洗面台タイル
INFORMATION
待合室照明
運営しながらの工事進行。人に恵まれたと強く感じた。
ーとっても素敵ですね…!こだわりの詰まった外来リニューアルの過程では、大変なことも多かったと思います。最も、印象に残っていることを教えてください。


幸村:そうですね。いろいろありますが、やはり「運営をしながら工事を進める」ことが、とても難しかったです。運営を行いながらだと、なかなか制約が多くて。桜十字のスタッフは患者さまのことを思っていたからこそ、工事に対する厳しいご意見も増えてきていたと思います。
吉弘:できる限りの周知方法はすべて行っていましたが、うまく運営できているか不安でした。
幸村:実際は患者さまから、「綺麗になるのが楽しみ」というようなお声をいただくことも多く、大変嬉しかったのを覚えています。
吉弘:そのお言葉に救われていました。
小田:機能を動かしながらの工事は、本当に大変でしたね。それこそ外来の受付をさくら館のレタールームに移して行ったこともありました。
幸村:外来に関わる方々に、ご協力いただいて、運営を継続するという一心で皆が動けていたなと思います。
吉弘:外来受付スタッフなど、やはり普段とは違う環境で、大変だと感じるところもあったと思うのですが、それを表に出さない気遣いが素晴らしいなと感じていました。
幸村:4月に入社されて途中からプロジェクトに参加された白倉さんも、今回の「運営しながら」の大変さ、特に感じていらっしゃいますよね?
白倉:そうですね。正直なところ、はじめてお話を伺った時は唖然としましたね(笑)。工事自体はそこまで難しくないなと感じたのですが、運営しながらとなると制約も多く、多方面との調整が大変でしたね。
幸村:いや、でも実際に、ご入社いただいて1週間くらいでどんどん現場を回してくださっていて、いろんな関係者が驚いていました!
吉弘:デザインをするわけではなく、ひたすら関係者との調整をするポジションは正直、あまり日の当たらない印象もあって。頑張ってることをなかなか気づいてもらえないと思うんです。でも、実際白倉さんが多くの課題を解決してくれてたんですよ。とても大切なポジションです。
幸村:そうですね。本当にいろんな方にご協力いただきました。外来スタッフはもちろん、患者さまや無理を言っても快く対応してくださった業者様、皆さんの助けがあったおかげで、完成することができました。
吉弘:一人ではできなかった、って強く感じましたね。本当に、人には恵まれていたと思います。
今後外来を利用されるみなさまへ
ー今回お話しいただいている4名はもちろんのこと、多くの方のご協力があって今回の外来リニューアルが完遂できたということなのですね!ありがとうございます。最後に、これから外来を利用される方に向けて、メッセージをいただけますか?


幸村:病院にお越しになる方は、なにかしら不安な気持ちを抱えていらっしゃると思います。そのような方々に自然が醸し出す癒しを提供したい、訪れた皆様がリラックスできるような空間にしたい、とデザインされた外来です。
吉弘:デザインはもちろんですが、自動精算機の導入などによって待ち時間を減らす工夫も凝らされています。
幸村:今後、外来を利用される方には、少しでもこの空間を楽しんでいただいて、心地よく過ごしていただければと思っております。
白倉:あとは、長くきれいに使っていただければ嬉しいですね(笑)。


ーそうですね!たくさんの思いが詰まったこの外来をきもちよい空間に保つためにも、まずはスタッフから美しく利用できるよう心がけてまいります。今回はインタビューにご協力くださり、誠にありがとうございました!
今回のお話を聞いてみて、みなさんいかがでしたでしょうか。「見えない苦労があったんだな…」「こんなこだわりもあったのか!」と、外来リニューアルの裏側について知り、いろんな感想をいだかれたことでしょう。桜十字はみなさまにとって「安心できる家族」のような存在になりたいと思っています。そのような存在に近づくための1つとして、今回外来リニューアルを実施いたしました。患者さまのことを第一に考え、創意工夫を凝らした、癒しと安らぎを与える新しい外来で、みなさまのお越しをお待ちしております。

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