坂本龍一氏が遺したものを共有化する試み「sakamotocommon」が初めてとなるプログラムをGinza Sony Parkと共同開催『sakamotocommon GINZA』

2024.11.22 10:00
ソニー企業株式会社
グランドオープン前の工事中のGinza Sony Parkにて、2024年12月16日(月)~25日(水)10日間の期間限定開催 https://www.sonypark.com/ginza/041/
「sakamotocommon」は、次世代を担う若い才能が坂本龍一氏の精神を継承し、未来へと続くクリエイティブなコミュニティを築くために、坂本龍一氏の知的財産を公共的・文化的に活用し、未来へと残す活動を行う団体です。2023年に逝去した坂本龍一氏が“遺したもの”を共有化し、これからの文化の発展に寄与することを目指しています。このsakamotocommonが「都会の中の公園」というGinza Sony Parkのコンセプトに強く共感したことをきっかけに、Ginza Sony Park側がその投げかけに呼応する形で、グランドオープン前の工事期間中であるGinza Sony Parkの場を特別に活用し、その初号プログラムとなる「sakamotocommon GINZA」を共同で開催することとなりました。

今回、人間がふだん知覚することのできない「電磁波」をセンシングし可視・可聴化する坂本龍一氏と真鍋大度氏(Studio Daito Manabe, Rhizomatiks)のコラボレーション作品「Sensing Streams GINZA」を旧ソニービルの面影が残るGinza Sony Parkの地下空間で体験できるほか、別の空間では坂本龍一氏が日々採集していた雨の音や風の音など、7つのフィールドレコーディング素材(収録された年代と場所が異なる7つの音源)をこの企画のために360 Reality Audio※(サンロクマル・リアリティオーディオ)ミックスした立体音響と、坂本龍一氏が自ら乃木坂ソニー・ミュージックスタジオで360 Reality Audio制作に立ち会った最後のアルバム『12』360 Reality Audioバージョンを、会場に設置されたスピーカーで聴くことができます。まわりには、坂本龍一氏が生前より進めていた図書構想である「坂本図書」を実現する場として、坂本龍一氏が所蔵した書籍がフロア内に点々と置かれ、それらを自由に閲覧することもできます。またもうひとつのフロアでは、坂本龍一氏が遺した『Merry Christmas Mr. Lawrence』などの本人の演奏データを、まだ工事中のGinza Sony Parkの空間中央に本人が所有していたOpera Pianoが設置され、坂本龍一氏が遺した音を奏でます。

開催期間中には、sakamotocommonアドバイザーに名を連ねる齋藤精一氏(パノラマティクス)や
若林恵氏(黒鳥社)を招いてのトークイベントや、東北ユースオーケストラの演奏会、坂本龍一のピアノ調律師である酒井武氏による親子向けのワークショップ「ピアノの仕組みを知ろう!」も開催します。

なお、本プログラムは、sakamotocommonのクラウドファンディングに参加いただいた方のみご入場いただけます。この活動にご賛同いただける方・作品にご興味を持たれた方は、クラウドファンディングへの参加をよろしくお願いします。

※ ソニーのオブジェクトベースの立体音響技術で、アーティストがライブ演奏をする場に入り込んだかのような、臨場感豊かな音場を実現する音楽体験。

Ginza Sony Parkが、「sakamotocommon」のはじまりの場となります。

sakamotocommonは、坂本龍一が遺したものを共有化する試みです。
坂本龍一が残した知的財産、楽器、蔵書、その他、さまざまな”遺産”のコモン化を目指し、未来のクリエイターのために利活用することを目指します。

Ginza Sony Parkは、都市における公共空間(=コモンズ)の在り方、新しい時代の文化と建築の在り方を指し示す非常に価値のある建物です。sakamotocommonは、Ginza Sony Parkのその姿勢と取り組みに強く共感し、共鳴します。

そこで、sakamotocommonとGinza Sony Parkは創造を共有する場を仮設することにしました。

坂本龍一が遺したものはいかに共有されるべきなのか。そこに答えがあるわけではなく、考え続け、そして、問いかけ続けます。

sakamotocommonがこれから社会により開かれたものとして活動をしていくためにも、みなさまの支援が必要です。まずはGinza Sony Parkに足を踏み入れ、当事者になってみてください。

sakamotocommon


展示内容
1. 「Sensing Streams 2024 - invisible inaudible (GINZA version)」
坂本龍一+真鍋大度 協力:Studio Daito Manabe、ソニーPCL株式会社
坂本龍一+真鍋大度《センシング・ストリームズ-不可視、不可聴》2014 札幌国際芸術祭2014での展示風景 撮影:木奥惠三 提供:札幌国際芸術祭実行委員会

人間がふだん知覚することのできない「電磁波」をセンシングし可視・可聴化する、坂本龍一氏と真鍋大度氏(Studio Daito Manabe, Rhizomatiks)によるコラボレーション作品。現代において必要不可欠なインフラでありながらふだん気づくことのない電磁波の流れを多様なかたちで顕在化すると同時に、放送局やキャリアに割り当てられた周波数帯―見えない領土分布―に縛られながら、各人が能動的に関わることで形成される一種の「生態系」を可視化しています。
これまでも札幌、ソウル、アムステルダム、サンパウロ、香港、北京、成都など、世界中の様々な都市で展開されてきた作品を、本展示ではGinza Sony Parkの地下空間で実施。「銀座」を行き交う電磁波をセンシングし、ソニーの高画質LEDディスプレイCrystal LEDを使った新たな形で展示されます。

展示フロア:B2

<コラボレーションアーティスト>
真鍋大度
PHOTOGRAPH:MIKIKO

1976年東京生まれの真鍋大度は、音楽家の両親のもと、音楽とプログラミングに親しんで育つ。DJやジャズバンド活動を経て、東京理科大学で学んだ際にXenakisに影響を受け、音楽生成における数学的アプローチの研究を始め、これが後の創作活動の基盤となる。
2006年にライゾマティクスを設立。演出振付家MIKIKOと共にPerfumeとELEVENPLAYのコラボレーションを通じて、テクノロジーと身体表現の融合を探求し、リオ五輪閉会式のAR演出など革新的なプロジェクトへと発展。坂本龍一、Bjork、Nosaj Thing、Squarepusher、Arca等との協働も多数行い、その独創的なAudio Visualパフォーマンスは、Sonar Barcelonaをはじめとする世界各地の国際フェスティバルで発表されている。近年は神経科学者との協働を通じて、培養神経細胞を用いたバイオフィードバックシステムなど、生命と機械を融合する作品を制作。現在はStudio Daito Manabeを主宰し、アート・テクノロジー・サイエンスを横断する表現を追求している。

2. Ryuichi Sakamoto Field Recordings &『12』 by 360 Reality Audio +Sakamoto Library Extension
協力:ソニー株式会社
坂本龍一氏は生前、常にマイクとレコーダーを持ち歩き(時にスマートフォンの場合も)、自分の気になった音は全て収録していました。その音源は、作品に使われることもしばしばありましたが、一般に公開されることはなく今に至っています。

坂本龍一氏が日々採集していた雨の音や風の音など、7つのフィールドレコーディング素材(収録された年代と場所が異なる7つの音源)をこの企画のために360 Reality Audioミックスした音源と、坂本龍一氏が自ら乃木坂ソニースタジオで360 Reality Audioミックスに立ち会った最後のアルバム『12』360 Reality Audioバージョンの音源を没入感のある立体的な音場を体感できる360 Reality Audioを楽しめる環境でお楽しみいただけます。

sakamotocommonでは、今後、坂本龍一氏の遺した膨大な数のフィールドレコーディングのデータを次世代のクリエイターに利活用してもらえるような仕組みを整えていきたいと思っています。今回の展示ではその利活用の一例として、ソニーの次世代エンジニアとともに、最新技術で音響設計をし、来場者に体験してもらうとともに、体験した人々にこのデータの存在と利活用の可能性を周知します。

<Sakamoto Library Extension>
「坂本図書」とは、坂本龍一氏が自身の本を多くの人と共有し、同時に「あるひとの心を動かした『本』」という文化資本を分かち合う事業です。2017年より坂本氏自らが実現に向けて動き始め、2023年9月に、都内某所にて坂本龍一氏の所蔵の本を読むことができる図書空間「坂本図書」を始めました。小さなスペースのため、完全予約制で、場所は非公開で運営しています。

今回「Sakamoto Library Extension」では、「坂本図書」の蔵書の中から同タイトルの古書を揃えました。坂本氏自身が心を寄せられた書籍の一部を、日々収集をしてきたフィールドレコーディングの音源と共に、特別な読書空間でお楽しみください。

展示フロア:3F


3. Ryuichi Sakamoto's "Opera Piano" designed for "LIFE a ryuichi sakamoto opera 1999"
協力:ヤマハ株式会社
「LIFE a ryuichi sakamoto opera 1999」のためにデザインされた「Opera Piano」。坂本龍一が残した演奏データを、本人所有のOPERA PIANO(自動演奏機能付き)で再生します。
「Opera Piano」は、ピアノの“foundation(基盤)”を透過し可視化すること、装飾性を排除しピアノの楽器としての機能をあらわにすることをイメージしたものです。また指揮者としてオーケストラを牽引しつつ、ピアノを演奏するスタイルを実現したい、そしてその舞台にふさわしいピアノを作ってほしいという坂本の願いのもと、ヤマハデザイン研究所によってデザインされました。

今回は、そのピアノが工事中のGinza Sony Parkのフロア中央に置かれ、坂本龍一氏が遺した演奏を聴くことができます。

演奏曲は『Aqua』『energy flow』『put your hands up』『鉄道員』『Merry Christmas Mr.Lawrence』となります。

展示フロア:4F

ワークショップ・演奏会・トークイベント
開催期間中、sakamotocommonに関する様々なイベントを実施いたします。
イベントへの参加権は、うぶごえ「sakamotocommonクラウドファンディング」ページからお申し込みください。

1.「sakamotocommon」構想会議

「sakamotocommon」の設立のきっかけは「遺された作品は誰のものか」という問いからでした。そこでこの問いからはじまり、「sakamotocommonとは」を明らかにしていく参加型トークイベント『sakamotocommon 構想会議』を開催します。登壇者は「sakamotocommon」の設立メンバーであるパノラマティクスの齋藤精一氏と黒鳥社の若林恵氏です。

日程:2024年12月23日(月)17:30~20:30

<登壇者>

齋藤精一
パノラマティクス主宰。建築デザインをコロンビア大学建築学科で学び、2006年、株式会社ライゾマティクス(現:株式会社アブストラクトエンジン)を設立。2020 年に地域デザイン、観光、DX 等を 手がけるデザインコレクティブ「パノラマティクス」を結成。2023 年よりグッドデザイン賞審査委員長。株式会社アブストラクトエンジン代表取締役。2025 年大阪・関西万博 EXPO共創プログラムディレクター。

若林恵
黒鳥社/WORKSIGHT コンテンツディレクター。平凡社『月刊太陽』編集部を経て2000年にフリー 編集者として独立。以後、雑誌、書籍、展覧会の図録などの編集を多数手がける。音楽ジャーナリストとしても活動。2012 年に『WIRED』日本版編集長就任、2017 年退任。2018 年、黒鳥社設立。著書『さよなら未来』(岩波書店)、責任編集『NEXT GENERATION GOVERNMENT 次世代ガバメント:小さくて大きい政府のつくり方〈特装版〉』(黒鳥社)、宇野重規氏との共著に『実験の民主主義: トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ』(中公新書)、畑中章宏氏との共著に『忘れられた日本人』をひらく』(黒鳥社)。


2. sakamotocommonワークショップ「Opera Pianoでピアノの仕組みを知ろう!」
 協力:ヤマハ株式会社

2010年から2015年の5年間、坂本龍一氏の調律を担当し、最後のピアノ・ソロ・コンサート『Opus』でも調律を担当した、ピアノ調律師の酒井武氏をお招きしたスペシャルなワークショップを実施。
ピアノの構造や歴史、音の出る仕組みを始め、坂本龍一氏が求めたピアノの音色について紐解いていきます。

日程:2024年12月21日(土)10:00~11:00
ピアノ調律師/コンサートチューナー 酒井武氏


3.「東北ユースオーケストラ in Ginza Sony Park」演奏会

東日本大震災をきっかけに、坂本龍一の呼びかけで始まった被災三県の子どもたちで構成される東北ユースオーケストラ。子どもたちの活力が、周囲の大人や地域全体、そして東北全体に活力を与え、あたらしい未来をつくりだすことを目指しています。現在は「支えられるから、支えるへ」という指針を掲げ、国内外の被災地への支援も重要なミッションと位置づけています。
そんな東北ユースオーケストラの小編成によるミニコンサートを日曜日の夕方に開催します。
坂本龍一の代表曲を中心に、約1時間の演奏会を予定しております。ぜひゆっくりお楽しみください。一般チケットのほか、親子ペアチケットもご用意しております。

日程:2024年12月22日(日)17:00~18:00


『sakamotocommon GINZA』 開催概要
名称:sakamotocommon GINZA
日程:2024年12月16日(月)~ 25日(水) 11:00~19:00(予定) 
* 12月22日(日)は「東北ユースオーケストラ in Ginza Sony Park」実施のため、4FのOpera Pianoは、15:30までの入場となります
* 12月23日(月)は「sakamotocommon構想会議」実施のため、B2のSensing Streams 2024 - invisible inaudible (GINZA version)は、16:00までの入場となります
場所:Ginza Sony Park(東京都中央区銀座5丁目3番1号)
WEB:
ハッシュタグ: #sakamotocommonGINZA

主催:sakamotocommon準備委員会(一般社団法人坂本図書)
共催:Ginza Sony Park Project
協力:ソニー株式会社、ソニーPCL株式会社、Studio Daito Manabe、株式会社イースタン・サウンドファクトリー、ヤマハ株式会社、うぶごえ株式会社、株式会社日本デザインセンター 色部デザイン研究所、株式会社斎藤事務所

<入場方法>
入場に際し、sakamotocommonのクラウドファンディングへの参加(3,000円~)が必要です。商品などの詳細は以下Webサイトよりご確認ください。
*必ずお読みください
- sakamotocommon GINZAへご来場希望の方は、12月25日(水)18時までにクラウドファンディングにご参加ください
- 本プログラムは日時指定制ではありません
- 本プログラム会期中、クラウドファンディングを1つ購入につき1名様何回でも有効です
- 営利目的でのチケットの転売は、いかなる場合にも固くお断りいたします
- クラウドファンディングの詳細は、うぶごえ「sakamotocommon クラウドファンディング」ページにてご確認ください
- 開館時間、最新情報などは、
よりご確認ください

sakamotocommon とは
「sakamotocommon」は、坂本龍一氏が遺したものを共有化する試みです。坂本龍一が残した楽器、蔵書、その他、様々な”遺したもの”のコモン化を目指し、未来のクリエイターのために利活用することを目指します。

坂本龍一氏は、完成した作品よりも、プロセスの方が面白いと常に語っていました。であればこそ、坂本氏の遺したものは美術館が博物館の奥深くに「収蔵」されるべきものではなく、坂本氏自身が死してもなお、新たに耕され、更新されていくべきもの、「プロセス」はいつまでも続いていくものだと考えます。

「sakamotocommon」は、その「プロセス」を含め、みなさんに開放していくことを試みます。

sakamotocommon
Web:
Instagram:
X:
@sakamotocommon #sakamotocommon

■ 坂本龍一 プロフィール
1978年『千のナイフ』でソロデビュー。同年、YMOの結成に参加。1983年に散開後は『音楽図鑑』『BEAUTY』『async』『12』などを発表、革新的なサウンドを追求し続けた姿勢は世界的評価を得た。映画音楽では『戦場のメリークリスマス』で英国アカデミー賞作曲賞を、『ラストエンペラー』でアカデミー賞作曲賞、ゴールデングローブ賞最優秀作曲賞、グラミー賞映画・テレビ音楽賞など多数受賞。『LIFE』,『TIME』などの舞台作品や、韓国や中国での大規模インスタレーション展示など、アート界への越境も積極的に行なった。環境や平和問題への言及も多く、森林保全団体「more trees」を創設。また「東北ユースオーケストラ」を設立して被災地の子供たちの音楽活動を支援した。2023年3月28日死去。

お知らせ
「坂本龍一 | 音を視る時を聴く」
2024年12月21日(土)~2025年3月30日(日)
会場:東京都現代美術館

坂本龍一氏(1952-2023)の大型インスタレーション作品を包括的に紹介する、日本では初となる最大規模の個展。

コラボレーション・アーティスト|高谷史郎、真鍋大度、カールステン・ニコライ、アピチャッポン・ウィーラセタクン、Zakkubalan、岩井俊雄
スペシャル・コラボレーション |中谷芙二子
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館、朝日新聞社、テレビ朝日
Ginza Sony Parkプロジェクトについて

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