初開催の「ちがさきこどもマルシェ」に約2,500人が来場。こどもと大人が共主体でつくり楽しむ1日限りの“小さなまち”が実現

2024.11.22 08:00
特定非営利活動法人湘南スタイル
こども出店の81.8%が「また出店したい」。こども出店34店舗、大人出店34店舗によるマルシェイベントが大盛況のうちに終了
photo by Yu-min

2024年10月20日(日)、茅ヶ崎市役所前広場(茅ヶ崎市茅ヶ崎)にて、こどもがお店屋さんを開いてまちとつながるマルシェイベント「ちがさきこどもマルシェ」(主催:ちがさきこどもマルシェ実行委員会)を開催しました。

当日は5歳から14歳までのこどもたちが自ら考え形にした計34店舗が出店した他、それを取り囲むように本物の飲食店や物販、ヨガ等のアクティビティも同数の34の出店があり、1日限りの「小さなまち」をかたちづくりました。ファミリー層を中心に市内外から約2,500人が来場し、初開催にして大盛況のうちに終了しました。

誇らしげな表情と、真剣な眼差しと。
心配された雨も始まる頃には止み晴れ間も覗く中、茅ヶ崎市役所前広場には木と布の組み合わせで統一された、こどもの出店テントがずらりと並びました。午前(10:00~12:00)、午後(13:00~16:00)で入れ替わり、それぞれ20店舗(うち6店舗は終日)が出店。店頭に立つこどもたちの表情はとても誇らしげでした。
こども出店用のテントは、茅ヶ崎市内のまちづくり法人knorkが開発した「トゥリバーノ・ピッコロ」を借り受けて使用。看板や装飾、値札等は保護者のサポートの中でこどもたちが自分たちの手でつくり上げた。 photo by Yu-min

出店テントに丁寧に並べられた商品は、アクセサリー、イラスト、缶バッチ、キーホルダー、フォトスタンド等の手作り品販売テントの他、ミサンガづくりやお面のワークショップブース、自作ゲームセンターや虫になりきれるコーナーなど、それぞれにこどもたちの豊かな個性が存分に表現されていました。
手作り品が多い中で、AIを駆使した自作のゲームを段ボールで囲った「ゲームセンター」や、射的やお面作りなどのワークショップブースなど、個性豊かな出店となった。 photo by Yu-min

出店キッズたちの熱気に誘われるように、会場には早い時間から多くの人が来場しました。自分のお小遣いを握りしめてきたこどもたちの姿も多く、自ら商品を選び、出店キッズに支払ってお釣りと商品を受け取るという一連の「お買い物」を楽しむ様子が至る所で見られました。

もちろんこども同士のやり取りはゆっくりで、ときにはうまくいかない場面もありましたが、ゆっくり数え直したり、大人に相談して間違っていないか確認したりしながら、自分なりの方法で解決しようとする真剣な表情が印象的でした。
photo by Yu-min
photo by Yu-min


こどもも大人も“共主体”で楽しむ。
一方で、大人の出店テントやキッチンカー、ヨガ等のアクティビティも、こどもと同数の34の出店があり、こどもエリア同様に賑わいました。大人エリアは、一緒に来た保護者や偶然立ち寄った大人も含めて“共主体”でマルシェを楽しめるように、また、プロのお店やさんの背中を見てこどもたちが学べるようにという意図で導入しました。

会場には、こどもが買い物やワークショップを楽しむ間にゆったりと買い物や飲食を楽しむ大人たちの姿や、出店を終えた親子が大人エリアで買い物を楽しむ姿もあり、誰もが居心地よく過ごせるひとつの”小さなまち”のかたちが実現したと考えています。
プロの大人による出店ブースも大盛況 photo by Yu-min
芝生広場で開催されたヨガレッスン photo by Yu-min

推定来場者数は、約2,500人。こどもたちの自由な自己表現に誘われるように、大人もありのままに自由に楽しむ。こどもも大人も出店者も来場者も一体となってつくり楽しんだ共主体の1日は、大盛況のうちに幕を閉じました。
photo by Yu-min

「笑顔になってくれてよかった」「本物のお金をもらえて嬉しかった」…出店キッズの声
イベント終了後に実施した出店キッズと保護者に向けたアンケートでは、それぞれのありのままの言葉が届きました。こどもたちからは、

「たくさんお客さんがきてくれてよかった!」
「大繁盛して、嬉しかった。」

といった無邪気な声が上がった一方、

「たくさんの人がお店に来てくれて楽しんで笑顔になってくれてよかった。」
「自分たちの考えたお店がほんとうに出来て本物のお金をもらうことができたことが嬉しかった。」
「自分の作品を買って貰えて嬉しかった。お客さんへの接客が上手く出来て良かった。」
「お小遣いを自分で稼げたことがよかった。」

と、本物の体験に対する手応えを感じ取っている様子がうかがえる感想も多く届きました。
photo by Yu-min

一方出店キッズの保護者からは、

「労働とそれに伴う対価を感覚を子どもが初めて経験し、お金の価値、労働の達成感や大変さを知ることができました。」
「当日では今まで見たことないようなしっかり接客をしていて、マルシェを通じて成長する子どもの姿がみえました。」
「出店者の友だちと意見を出しながら、自分だけの意見を押し通すのではなく、友だちの意見を聞いたり、妥協点を見つけたりと対応していくことを学んだと思います。」

といったこの体験を通したこどもの成長を実感する声が多く届きました。一方で、

「親子共、初めての事が多く、思っていた以上に大変でしたが、子供と一緒に取り組めた事自体が良かったですし、楽しかったです。今、小5で、これから段々こういう時間が無くなっていきそうなので、より一層貴重な時間だったと感じてます。」

「子どもと一緒に『作る、考える、悩む、決断、楽しむ』全てを共有出来て本当に楽しかった!まだ子どもが一年生で、私の内職かな?と思う部分もありながら子どもとやるイベントだからやるぞー!という気持ちなれた。ここ数ヶ月いつもマルシェ当日のことを考えて過ごせた事が大変だけど本当に良い思い出になりました!」

と、こどもも大人も一緒になって共主体で楽しんだ様子も感じ取ることができました。

当初からわたしたちは、「大切にしたいこと」としてパンフレット等にも以下の4つを掲げていましたが、アンケートを通して、まさにそれを体感していただけたと確信しています。今後への糧となるフィードバックに感謝いたします。
「ちがさきこどもマルシェ」が大切にしたいこと

・まちとつながる
お買い物やさまざまな体験を通して、お店やさんとお客さんがつながり、お客さん同士がつながり、まち全体がつながるような時間・空間をつくります。

・夢を描く・叶える
お店屋さんの夢、先生になる夢、自分のお金で買い物をする夢。オトナの見守りの中で、みんなが夢を描き、叶えられる場を育みます。

・本物を感じる・体験する
本物のお金を扱い、プロの仕事に触れて。こどもたちが本物を感じる体験を提供します。

・こどもが楽しむ・オトナも楽しむ
⁡こどもたちはもちろん、オトナも同じくらい全力で楽しみます。


81.8%が「また出店したい」と回答
今後への出店意向に関しては、「また参加(出店)したい」という回答が81.8%と、大多数を占める結果になりました。来場していたこどもたちやニュースでマルシェのことを知ったこどもたちからも「次はいつやるの?」「私も出店したい!」という声が多数届いています。
出店キッズへのアンケート結果

ちがさきこどもマルシェ実行委員会は、今回の経験とみなさんからのフィードバックを糧に、今後も定期的にマルシェイベント等を開催し、こどもたちの主体性を応援し続けていきたいと思います。

■開催概要
日時:2024年10月20日(日) 午前10時~午後4時
場所:茅ヶ崎市役所前広場(茅ヶ崎市茅ヶ崎1丁目1−1)
来場者数:約2,500人

主催:ちがさきこどもマルシェ実行委員会
協力:
(※1) まちづくり法人knork(※2) 
問い合わせ先:
※1「茅ヶ崎カンパニー」は、特定非営利活動法人湘南スタイルが母体となり、地域の有志によって運営されている人材プラットフォームです。

※2 まちづくりにデザインを!「まちづくり法人knork」は、「茅ヶ崎とコーヒー」をはじめ街のイベントを木工デザインで応援しています。

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