【JIS制定】小包輸送に用いる包装容器の保冷性能試験方法

一般財団法人日本規格協会
～コールドチェーンの普及とフードロスの削減に対応して～

　一般財団法人日本規格協会（本部：東京都港区、理事長：朝日弘）は、2024年10月21日に包装-温度制御が必要な小包の輸送に用いる包装容器の保冷性能試験方法に関するJISを発行いたしました。


JIS Z 0241：2024
包装-温度制御が必要な小包の輸送に用いる包装容器の保冷性能試験方法Packaging-Temperature controlled transport packages for parcel shipping-Test method of cold retaining function
税込価格：4,620円　A4判18頁
※規格類は価格が変更される場合がございます。ご了承ください。

　この規格では、現在、日本国内で広く普及しているクール便等の小包輸送　（一般消費者又は企業間取引に向けたコールドチェーンサービス）に使用される、断熱材料などによって温度制御することを意図した「包装容器」の保冷性能を試験する方法について規定しています。



【制定の背景】
　「コールドチェーン」とは、生鮮食品や医薬品等、温度管理が必要な商品を生産から消費地まで、一貫して低温状態に保つ物流のことです。日本語では低温物流体系と訳されます。
　近年、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでは新鮮な野菜や果物、お弁当等を買うことができ、また、病院では高品質な医薬品を用いた医療を受けることができます。このような私たちの安心安全な暮らしは、最適なタイミングで必要な物を届けられる高度な物流ネットワークや、輸送の際の温度管理のためのソリューションで支えられています。

　モノづくり及び輸送に関わるビジネスの変化に伴い、コールドチェーンサービスは国内だけでなく、所得が向上し食生活が多様化している東南アジアなどでも、国際的なビジネスの展開が進んでいます。
　特に韓国及び中国では、流通事業の戦略的テーマに位置付けられ、日中韓3か国による北東アジア標準協力フォーラム（NEASF）において、コールドチェーンサービスに用いられる保冷容器に関し、国際標準化を図るべきとの観点から、日本及び韓国がISO(国際標準化機構)/TC 122(包装)に共同提案しました。
　日本からは「仕様設定方法」及び国内のコールドチェーンサービスで得たノウハウをもとに行った「実証実験に基づく性能試験方法」を提案することで、実質的に主導的立場で国際標準開発を進め、非電源（パッシブ）型保冷容器の試験方法を定め､2021年にISO 22982-2（小包輸送用の温度制御された輸送包装-試験の一般仕様）として国際規格が発行されました｡



　この度、国際規格が発行されたことを受けて、国際規格との整合化の観点から、包装設計、包装試験、温度制御製品の輸送業者（宅配便事業者）など、この分野の関係者の協力を得て、ISO 22982-2をもとにJIS Z0241を制定しました。

【期待効果】
　この規格にて、非電源型包装容器の保冷性能試験方法を規定し、これによって試験された適正な保冷性能を持つ保冷容器が入手可能となることで、輸送される内容品の品質が適切に保持され、省エネルギー及びCO2の削減、ひいては昨今問題となっているフードロスの抑制にも資することが期待されます。



【令和4年度　産業標準化事業表彰受賞者インタビュー：ISO 22982（小包輸送用の温度制御された輸送包装）等の策定に貢献】

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1945年12月に、標準化および管理技術の開発、普及、啓発などを目的に設立された、一般財団法人日本規格協会を中核とするグループです。
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