JCBとサンフレッチェ広島の、お客さまにストレスを感じさせない新たな購買体験実現へのチャレンジ

2024.11.13 09:10
JCBはサンフレッチェ広島のオフィシャルキャッシュレスサポーターに就任し、2024年2月1日に開業した「エディオンピースウイング広島」へ、安全・安心で便利なキャッシュレス環境を提供しました。また、NFCタグを活用した新たなキャッシュレス決済の導入を視野に入れ、実証実験を行いました。
今回は株式会社ジェーシービー(以下:JCB)、中四国営業部の辰巳さんと株式会社サンフレッチェ広島(以下:サンフレッチェ広島)、事業プロモーション部の山路さんにエディオンピースウイング広島におけるキャッシュレス推進について、先日実施した実証実験の結果なども踏まえお話を伺いました。
JCB中四国営業部ではキャッシュレス決済の普及促進をミッションに活動
――中四国営業部ではどのような活動に注力されていますか?
辰巳さん「中四国営業部は、山口県を除く中国地方の4県と四国地方の4県を担当しており、中四国エリアにおけるキャッシュレス決済の拡大に向け、営業活動を行っております。具体的には、次の2つの活動に重点を置いています。


・キャッシュレス会員の拡大
クレジットカード、デビットカード、電子マネーなどのキャッシュレス決済を利用する会員を増やすための活動を行っています。


・加盟店の拡大
会員が様々なシーンで多様なキャッシュレス決済を利用できるように、加盟店の開拓を進めています。
JCBがサンフレッチェ広島のオフィシャルキャッシュレスサポーターに就任
――エディオンピースウィング広島が、どのようなスタジアムなのか紹介してください。
山路さん「エディオンピースウィング広島は、日本初の『街中スタジアム』として広島市の中心部に位置し、非常に交通の便が良い場所にあります。このスタジアムの特徴として、最新の映像演出装置や照明装置が導入されており、これまでにないプロスポーツとエンタメを融合した新しい観戦体験を提供しているのが特徴です。


さらに座席についても特徴的で、43種類のバラエティ豊かな席を用意しています。例えば、他のサッカースタジアムでは見られないパーティー席やテーブル付きの席など、ユニークな座席が準備されているのも大きな特徴です。」


――JCBがオフィシャルキャッシュレスサポーターに就任した経緯や、背景を教えていただけますか。
辰巳さん「エディオンピースウィング広島は広島の中心部(紙屋町エリア)に位置し、今後進められる再開発に大きな影響を与えると考えていました。JCBとしては、キャッシュレスという分野で広島の地域活性化や回遊性向上に貢献したいという強い思いがあったため、広島都心部の核となるエディオンピースウィング広島には周囲のモデルケースとなるキャッシュレス環境を提供したく、サンフレッチェ広島様と密にご相談させて頂きました。様々な決済事業者がいる中で、JCBが中心となりサンフレッチェ広島様の理想に合わせたキャッシュレス環境を実現できる点を評価頂き、オフィシャルキャッシュレスサポーターに就任させて頂きました。」


――オフィシャルキャッシュレスサポーターとして、JCBが具体的にどのような取り組みを行っているか教えていただけますか。
辰巳さん「まずスタジアム内の飲食や、チケット購入などにおけるキャッシュレス環境を整備しました。具体的には、サンフレッチェ広島様の要望に合わせて決済端末を提供し、JCBブランドのみならず様々な決済手段を利用できるようにしました。この取り組みはJCBだけでなく、地元の金融機関様やキャッシュレス事業者様と協力したことで実現できたと考えています。
また、エディオンピースウィング広島で新たに始められた売り子販売においては、オペレーションの簡略化を図るため、現金決済をやめ、完全キャッシュレス決済を採用頂きました。持ち運び可能なモバイル型の決済端末を提供し、売り子スタッフ様とお客さまがスムーズに決済できるようサポートしています。」


山路さん「スタジアムを建設するにあたり、他のスポーツスタジアムも参考にしました。
様々な施設でキャッシュレス化が進む中、エディオンピースウイング広島にも同等か、それ以上の決済環境を整備したいという想いがありました。」


――サンフレッチェ広島様がJCBをオフィシャルキャッシュレスサポーターに選ばれた理由や想いについて教えていただけますか。
山路さん「スタジアムの移管にあたり、キャッシュレス決済端末の選定やPOSとの連携について、どの会社の製品を使うかなどの相談に親身に乗ってくださったのがJCB様でした。キャッシュレス決済には多くの会社との連携が必要ですが、JCB様はその多様なキャッシュレスサービスをできる限りスマートに提供してくれる点でご尽力いただきました。


そのため、今後もJCB様と共に決済環境の整備を進めていきたいという想いから、オフィシャルキャッシュレスサポーターとしてパートナーシップを組ませていただきました。」


辰巳さん「JCBとしてもスタジアム開業時だけでなく、今後も環境の変化に合わせてサポートさせて頂きたいと考えています。」
エディオンピースウイングスタジアム広島におけるNFCタグ決済とテーブルオーダー導入の実証実験
――NFCタグ決済を活用したテーブルオーダーなど、今回の実証実験について教えていただけますか。


辰巳さん「NFCタグ決済は、コストを抑え簡単にキャッシュレスが導入できるサービスです。キャッシュレス導入において、決済端末の『コスト負担』や『設置スペース』は課題としてよく挙げられますが、NFCタグ決済であれば数百円のラベルシール状のNFCタグと台紙のみでクレジット決済の導入が可能になります。」


山路さん「スタジアムでは、2つの点に焦点を当てて実証実験を行いました。


・売り子販売の決済時間短縮
多くのスタジアムでは決済端末のコストや、端末の取り扱いが課題になっています。そこで、決済をお客さま自身のスマートフォンで行ってもらうことで、売り子がビールを注いでいる間に決済が完了し、時間の短縮が図れないかを検証しました。


・テーブルオーダーの導入
エディオンピースウィング広島で初めて一部の座席を対象にテーブルオーダーを試験導入しました。スタジアム内の飲食店の混雑緩和と、新しい購買機会の提供を目指し、3万人近くの観客が入る試合日でも、お客さまにどのように受け入れられるか、オペレーションが円滑に回るかを検証しました。」


――NFCタグ決済はどのように決済をするのでしょうか?
辰巳さん「お客さまのスマートフォンをNFCタグにかざすだけで、メニュー選択や金額入力をするためのWEBブラウザが立ち上がり、ブラウザ上で決済までできる仕組みになっています。
売り子スタッフ様にはNFCタグ付きのストラップを首からかけてもらい、テーブルオーダーでは各テーブルにNFCタグ付きのPOPを設置しました。」
――決済手段はお客さまがいくつか選べる形になっているのでしょうか?
辰巳さん「今回の実証実験では、Apple PayやGoogle Payで決済する形を採用しました。
お客さまがWEBブラウザ上で、『Apple PayやGoogle Payで決済する』ボタンを押すと、登録をしているクレジットカード情報を利用して、非対面決済が行われる仕組みです。イメージとしては、最近流行っているフードデリバリーの注文時にApple Payを使って決済する際と同じような流れですね。」


――今回、NFCタグ決済の実証実験をした理由や決め手について教えていただけますか。
山路さん「主な目的はテーブルオーダーの試験導入でした。
3万人規模の観客が短時間に繰り返し購買を行うスタジアムでは、販売スペースが限られており、どうしたら回転率を上げ、ストレスフリーな購買体験を提供できるか悩んでいました。


そんな中JCB様からご提案を頂き、NFCタグ決済であれば簡単にテーブルオーダーを導入できることを知り、まずは試してみようということで実証実験をしました。またお客さまに好評頂き、テーブルオーダーを本格導入するとなった場合、導入コストが低ければ多くの席を対象にできるため、座席の価値やお客さまの満足度向上にもつながると考えていました。


辰巳さん「私もエディオンピースウイングスタジアム広島で観戦させて頂いた際、試合開始直前やハーフタイムには、売店にお客さまがたくさん並ばれているのを目の当たりにしていました。サッカーのスタジアムではテーブルオーダーが十分に浸透していないことは認識していましたが、お客さまに喜んでいただけるのではないかと思い、当社から『テーブルオーダーにチャレンジしてみませんか?』と提案させていただきました。」
――これまで基本的に飲食物は売店で購入していましたが、今回のように会場スタッフ様が商品を持ってきてくれるサービスは初めての試みなのでしょうか?
山路さん「はい、初めてのチャレンジです。1ユーザーとして考えてみたときに、これまでは売店に行って購入しなければならなかったところを、試合観戦をしながら座席で商品を購入し届けてくれるサービスはかなり便利になり喜んで頂けるのではと考えていました。」


辰巳さん「テーブルオーダーへのお客さまの反応は、非常に良かったと感じています。
実際にお客さまから『ぜひ定常的なサービスにしてほしい』や『こういうサービスが欲しかった』などのお声も頂きました。」


山路さん「そうですね。私もX(旧Twitter)や当日の一部アンケートを通じてお客さまの声を確認しましたが、スタジアムに列ができてなかなか買えなかった状況から、座席から移動せず観戦しながら購入でき、さらには持ってきてもらえるという点が『画期的だ』というお声を多くいただきました。


サッカーは野球と違い、試合中の区切りが少ないため、試合中はほとんどの方が座席から離れず、ハーフタイムになるとトイレや売店に行くなど、一斉に行動が集中する特徴があります。そのため、テーブルオーダーがあると便利だという反応をいただけたのでしょう。」


――テーブルオーダーでは、お客さまの座席をどのように特定するのですか?
辰巳さん「NFCタグにはあらかじめ座席番号などの情報が組み込まれており、注文が入ると『いつ、どの座席から、どの商品の注文があったか識別できる』仕組みになっています。」
――今回のようにスタジアム運営でNFCタグを活用する主なメリットを教えていただけますか。
辰巳さん「NFCタグの最大のメリットは、簡単にキャッシュレスを導入できる点です。今回の実証実験のように、コストをかけずにテーブルオーダーのような販売機会を作れることが大きな価値だと感じています。
さらに催事イベントやワゴン販売など一時的に商品販売を行う際に、決済端末を用意しなくても簡単にキャッシュレス対応ができる点も大きなメリットだといえるでしょう。特にスポーツスタジアムのような環境では、こうした対応が必要になることが多いため、NFCタグ決済は非常に親和性が高いと考えています。」
エディオンピースウイングスタジアム広島とJCBの今後の取り組み
――実証実験の結果を受けて、今後どのような取り組みを考えていますか。
山路さん「サンフレッチェ広島としては、今回のチャレンジを通じて得られた最大の成果は、サービス提供の選択肢が広がったことです。これまで『スタジアムではデリバリーは無理だ』といった固定観念を持っていました。しかし今回の結果から、どのようなサービス提供ができるのか、そしてお客さまにどう喜んでいただけるのかを見直せました。


最終的には、購買の回転率を上げて売上の向上を目指すことが目標です。この実証実験を通じて、まだまだ無限の可能性があると感じたので、今後もJCB様と共に様々なサービス提供の方法にチャレンジしていきたいと思います。」


辰巳さん「JCBとしても、今回の実証実験で多くの課題や気づきが得られました。お客さまから多数のご意見を頂けたことも大きな収穫です。サービスの実現に向け、数字的なデータと併せてお客さまからのお声もしっかりと分析したいと思います。


そして、今後もJCBはサンフレッチェ広島様のオフィシャルキャッシュレスサポーターとして、キャッシュレスや購買に関する分野でサポートを続けていきます。サンフレッチェ広島様の目指す姿に寄り添い、他のスタジアムの事例なども参考にしながら、購買機会の拡大やお客さま満足度の向上に貢献していきたいと思います。」
ストレスのない購買体験ができるスタジアムを目指したい
――最後に記事の読者様へ向けて、今後のエディオンピースウイング広島や街の活性化に向けた意気込みを一言ずつお願いします。


山路さん「キャッシュレス決済は、スムーズな会計手段として非常に適していると考えています。私たちは、キャッシュレス決済を通じて、ストレスのない購買体験ができるスタジアム作りを目指していきたいと思います。」


辰巳さん「可能な限り購買にかかる時間やストレスを軽減させることはもちろんですが、キャッシュレスの分野で先進的なスタジアム体験をして頂くための仕掛けを考え、お客さまがサッカー観戦を心から楽しめるようなスタジアムづくりに貢献していきたいと思います。またスタジアムを中心に広島都心部の回遊性向上に向け、周辺のキャッシュレス環境の整備にも力を入れたいと考えています。」


※2024年10月インタビュー実施。情報はインタビュー当時のもの。
JCB to(ジェーシービート)
「JCB to」では、おトクで便利な情報から、実は知られていないJCBの一面、プロジェクトにかけた社員の熱い想いなど、様々な発信をしています。

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