フラッシュ暗算開発者・宮本裕史がNintendo Switch(TM)のゲームソフトを監修。そろばん術を用いて驚くべき暗算力を育てる「フラッシュ暗算」の秘密とは

2024.10.17 10:50
一般社団法人日本フラッシュ暗算協会は、日本で唯一、フラッシュ暗算の公式記録を認定できる団体だ。フラッシュ暗算の計測規則は、日本フラッシュ暗算協会の代表であり、フラッシュ暗算考案者の宮本裕史が決めたもので、この規則をもって世界記録に認定されている。


画面上に点滅するいくつもの数字を高速で計算することで有名な「フラッシュ暗算」。
メディアで目にしたことがある人も多いだろう。その驚くべき計算力を見ると天才の所業としか思えない。しかし、幼少期から正しくそろばんとフラッシュ暗算を練習すれば、誰もができるようになるという。「フラッシュ暗算」は頭の中に「そろばん」を思い浮かべて計算をする「そろばん式暗算」を育てるための能力開発ソフトだ。


このストーリーでは、どのようにフラッシュ暗算が開発されたのか、驚くような計算力を持つ子供たちはどのように育成されてきたのか、その秘密に迫る。
ーそろばん術を基盤とする、フラッシュ暗算の驚異的な計算力
フラッシュ暗算は、1978年に当法人の代表である宮本裕史(東京都・宮本暗算研究塾Max)によって開発された。開発当時は、電卓が普及し始め「計算器具」としてのそろばんが不要になりつつあった時代だ。しかし、令和の時代においても習い事としての「そろばん」は生き残っている。この時代まで「そろばん」が人気な理由、それには「フラッシュ暗算」が大きく影響している。

「フラッシュ暗算」というと、出てきた数字を暗記して計算していると思う人も多いだろう。
実際には、「フラッシュ暗算」ができる人たちは、出てきた数字を瞬時に計算している。一般的な計算(筆算)だと「25+25=50」のようにパターンを覚えて計算している人も多いのではないだろうか。「そろばん式暗算」ができる人たちは、このパターンを覚えることなく、頭の中でそろばんの玉を動かして計算をしているという。つまり、フラッシュ暗算ができるようになるためには、そろばんでの計算方法を学ぶ必要があるのだ。
ー宮本先生が考案。そろばんを進化させたフラッシュ暗算の仕組み
46年前、フラッシュ暗算開発者の宮本裕史は、IT化していく時代に、このままでは「そろばん」が生き残れないと危機を感じていた。当時のそろばん教室は全国的に暗算指導よりもそろばん指導が重視されていた。暗算指導を行っている教室自体が少なかったのだ。


電卓が普及していない時代は「そろばん」こそが、計算器具であり「暗算」は必要ないという考え方が主流であった。しかし、これからは「そろばん」が無くても計算ができる時代。その中で「そろばん」が生き残っていくためには、そろばんを習った生徒が「そろばん式暗算」を身につけるしかない。
「道具なし」で計算ができるようになれば、IT化していく時代においても、人間の能力を高めるツールとして「そろばん」の良さが認められるのではないか、と考えたのだ。


当時、暗算を指導していた教室も「1桁分割」による計算を認めている教室が多かった。例えば、「325 + 672」の場合、筆算と同じく「5+ 2 = 7 、20 + 70 = 90 、
300 + 600=900 →997」と、1桁ずつ答えを出していく計算方法である。
この方法では高速に計算ができるという「そろばん式暗算」のメリットがない。
しかし、そろばんの先生たちの価値観を急に変えることは難しい。また指導方法が突然変わった場合、子供たちも混乱するだろう。指導者にも生徒にも、一度に全ての数字を計算する推奨方法はないか。
ー高性能PCを購入し、試行錯誤を重ねる。そろばんを未来へ繋ぐ「フラッシュ暗算」が誕生
画面で点滅する数字は、その瞬間に計算するしか方法がないため分割計算ができない。誤魔化して分割をし続ける子ども達も「フラッシュ暗算」を行うと、計算が追いつかなくなり行き詰まる。「フラッシュ暗算」をうまく使えば、2桁・3桁の暗算が身につくに違いない。
思い立った矢先、開発者である宮本裕史は、PCを購入し、開発に取り掛かったという。現代のように気軽な値段で購入はできない。しかし、この「フラッシュ暗算」こそが、そろばんを未来に繋ぐ「鍵」となるはずだ、その一心で様々なPCを購入し、研究開発に取り組んだ。


当時、最適だったのは「日立ベーシックマスター レベル2Ⅱ」だ。数字を書き込む15枚の画面を持つPCだった。当時の最高性能のPCといっても、できることは限られ、事前に用意した数字を、アニメのパラパラ漫画のように表示していくといった形式だった。


さらに、大学で建築を専攻していた宮本は、フォントの作成に建築の製図器「ローランド社の製図用プロッタ」を利用したという。脳科学の先生や医師に助言をもらい「音」や「数字の色」にもこだわり、健康に害がないものにした。
ー暗算力を育てる宮本式フラッシュ暗算。最も重要なのはレベル別問題作成。
フラッシュ暗算は、ランダムの数字が点滅しているように感じる方も多いだろう。しかし、宮本の開発した「フラッシュ暗算」(以降「宮本式フラッシュ暗算(TM)」)は、子ども達が順を追って、暗算ができるようになるために、それぞれのレベルに適した問題を作成している。ここに「誰もが」「そろばん式暗算」ができるようになる秘密があるのだ。

この「宮本式フラッシュ暗算(TM)」を通して、そろばんを習い、多くの子どもたちが正しい「そろばん式暗算」を身につけることができるようになった。


さらに、瞬時に計算ができる様子はメディア映えした。2000年頃を境に、多くの人に「フラッシュ暗算」が知られると同時に、「そろばん」が再注目されるきっかけとなったのだ。開発者(宮本)が、未来を危惧し、情熱を注いで研究開発した「フラッシュ暗算」こそが、現在の「そろばん業界」を残したといっても過言ではないだろう。
そろばん全国大会、日本フラッシュ暗算協会主催「全日本FaST」
フラッシュ暗算競技、決勝の様子
ー本来そろばん式暗算上達のために開発されたフラッシュ暗算に、効果のない模造品が増加
現代では、IT技術も発展し「フラッシュ暗算」の模倣品が世に出回るようになってしまった。素人目で見ると、どれも同じようなソフトに見えてしまうのかもしれない。しかし、そろばん指導用に作問がされていない、ランダムに数字が点滅するソフトは、単なる「計算ゲーム」に過ぎず、いくら練習をしても、能力が開発されていくことはない。


本来「フラッシュ暗算」は、そろばんを習う全ての子どもたちが「そろばん式暗算」ができるようになるために開発された。
しかし、「フラッシュ暗算」が有名になっていくことで、これを利用し、経営目的として名前と模造品が「利用」されてしまうことも増えてしまったことが現状だ。脳に悪い影響を与える可能性のある色や音を使ったソフトを利用している団体が出てきてしまっていることも危惧している。
ー「毎日続けてぐんぐん伸びる 宮本式フラッシュ暗算 S」の誕生
「宮本式フラッシュ暗算(TM)」の真の目的、内容を知らぬ人々が類似品である計算ゲームを利用して、子どもたちへの指導を進めてしまっていることも少なくない。せっかく、そろばんを習う選択をしてくれた子どもたちが、正しい「そろばん式暗算」を身につけられずに「そろばん」を習い続けてしまうことは悲しい現実だ。
誰もが正しい練習を行い、「そろばん式暗算」の能力を開発できるソフトがあれば…その思いから開発されたのが、Nintendo Switch(TM)の「毎日続けてぐんぐん伸びる 宮本式フラッシュ暗算(TM) S」である。


PCソフトだと、子どもが自ら練習できる環境は限られてしまう。しかし、子どもたちにとって身近なゲームソフトにすることで、気軽に楽しく練習が続けられる。
また、前述のような教室で「計算ゲーム」を使ってしまったとしても、家庭で正しい練習ソフトを使うことができれば、子どもたちの「そろばん式暗算」能力は開発されるようになるだろう。
ー自宅で受けられる!日本フラッシュ暗算検定試験と宮本式ソフトの連携
さらに、宮本裕史が会長を務める「一般社団法人 日本フラッシュ暗算検定協会」の「フラッシュ暗算検定試験(文部科学省後援)」は、ネット環境があれば、自宅で検定試験の受験ができる。


「毎日続けてぐんぐん伸びる 宮本式フラッシュ暗算(TM) S」は、この検定試験に準じた問題を練習することができるのだ。そろばん業界は教室がどの連盟に所属しているかで受験できる検定試験が限られることが多いが、本検定試験は誰もが受験できる唯一の「フラッシュ暗算検定試験」でもある。
(左)日本フラッシュ暗算検定協会名誉会長:東尾理子氏(真ん中)2024年フラッシュ暗算ギネス世界記録保持者:宮本理香子氏(右)フラッシュ暗算開発者:宮本裕史


この「一般社団法人 日本フラッシュ暗算検定協会」は、プロゴルファーの東尾理子氏が名誉会長を務める。自身の子どもがフラッシュ暗算を練習する姿をSNSにアップするなど、多くの子どもたちが正しいフラッシュ暗算を利用できるようにPR等をおこなっている。
ーそろばんが育てる力とは。非認知能力に注目した新時代の習い事
そろばんを習う全ての人々が、「宮本式フラッシュ暗算(TM)」を取り入れることができれば、今後のそろばん業界の未来は明るいだろう。
現在、そろばんは「社会に出て必要な力」を育てることができる習い事として、再注目を浴びている。学校の勉強だけでは学べない、自己管理能力や問題解決能力のような「非認知能力」と呼ばれる力を高められるという数少ない習い事としてそろばん自体も再注目されている。


「そろばん」=「昭和の習い事」というイメージはもう古い。「フラッシュ暗算」を通して、我々世間の認識もアップデートが必要なのだろう。
そして、多くの子どもたちが「宮本式フラッシュ暗算(TM)」を使って、正しい暗算力を育める環境が増えることを切に願う。




(関連リンク)
・商品情報<毎日続けてぐんぐん伸びる 宮本式フラッシュ暗算 S>
・日本フラッシュ暗算協会
・日本フラッシュ暗算検定協会主催 フラッシュ暗算検定 合格者一覧

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