“バラのまち”山形県村山市産のバラと山形産のブドウをふんだんに使った「バラのロゼワイン」をつくります。村山市で蕎麦屋を営むファミリーによる挑戦です。 地元の豊かな食材を使った新しい名物として、村山市の魅力を全国や世界に発信していきたいと思います。みなさまご支援のほどよろしくお願いします!
試作品のバラのロゼワイン。バラを連想させる、透明感のあるピンクの色味も特徴。バラのロゼワインとは?
クレオパトラも愛した「ダマスクローズ」の香りを閉じ込める斬新な醸造技術
今回お届けするのは、村山市産のバラ「ダマスクローズ」と山形県産のブドウ「マスカットベーリーA」を調和させたバラのローズワインです。
ダマスクローズとは、バラのなかでも香り高く、古代エジプトの女王クレオパトラも愛したという逸話があるほど、長く世界中で愛されてきた品種。バラの香りといえば、芳香剤のキツい香りをイメージするかもしれませんが、ダマスクローズは違うんです。どこかフルーティーでナチュラルで軽やかでありながら、上品さもまとう香り。願わくば、みなさんに本物の香りを体験していただきたいほど…!
ワインの原料となるブドウには、フルーツ王国山形を代表するワイン用品種「マスカットベーリーA」を選びました。軽やかで上品なダマスクローズの香りと、やさしい口当たりでベリー類のような果実を思わせるマスカットベーリーAの香りを調和させたワインです。
今回のプロジェクトでは、バラの花びらを醸造段階からブドウと混ぜて発酵させることで、より高いレベルの味わいと香りの調和を目指していきます。
ワインの原料となった、村山市産の「ダマスクローズ」と山形県産「マスカットベーリーA」
蕎麦屋を営むファミリーの挑戦
改めまして、こんにちは。この度は私たちのページをご覧いただきありがとうございます。私たちはバラのロゼワインプロジェクトの主であり、山形県村山市で「ずへや」という蕎麦屋を営む海藤友也と瑠美と申します。
夫は蕎麦の産地として知られる山形県大石田町出身で、蕎麦づくりをする父のもとで育ちました。私たち夫婦で共通しているのは「食」に興味があること。「お客様たちが楽しそうに食事をする風景が見たい」という思いから、2021年、村山市で蕎麦屋を開業しました。地元の素材のおいしさを味わってもらえたらと、夫の実家で自家栽培する野菜やお米を使ったメニューを提供しています。
現在は週に3日蕎麦屋を営業しながら、夫は隣町の東根市にあるワイナリーでも働いています。全国に誇れる村山地域の食材を使って、おいしいものを届けたいと日頃から考えている私たちが、バラ農家さんやワインの醸造家の方など、多くの人との出会いに恵まれて今回は「バラのワインをつくりたい!」と思い至りました。
プロジェクト主の海藤友也と瑠美です。蕎麦屋「ずへや」の店先にて。
バラを使って村山市の新しい名物をつくりたい!
村山市とは、山形県の中央部に位置する人口約2万3千人のまち。冬にはマイナス15度まで気温が下がるほど寒さが厳しく雪深いまちではありますが、夏は暑く、昼夜の寒暖差が激しい盆地型の気候によっておいしい農作物が育ちます。特にさくらんぼやスイカ、桃などの果物の栽培が盛んな地域です。
雄大な最上川が流れ、蔵王連峰、月山、大朝日岳に囲まれた自然豊かな地域。
そして、村山市にはもうひとつの顔があります。それは「バラ」。村山市は「バラのまち」と謳(うた)い、市内には国内有数の規模を誇る「東沢バラ公園」があります。世界各国の約750品種、2万株のバラが植えられており、6月と9月に開催されるバラまつりでは毎年多くの人でにぎわいます。
村山市の観光名所「東沢バラ公園」。ダマスクローズの一大産地であるブルガリア共和国と村山市は「バラのまち」として交流があり、2020年東京オリンピック・パラリンピックでは村山市がブルガリアのホストタウンに登録されました。
このようにバラを推している村山市ですが、行政による観光施策以外は、まだあまり地域の産業に結びついていない印象があります。市内にバラを栽培する農家さんは少なく、バラ園や駅のお土産ショップで販売されているバラにちなんだ製品ラベルの産地を見ると、市外産や県外産も多く含まれます。せっかく「バラのまち」なので、もっと市内産のお土産を増やしていきたいと思いました。
観光的に人を呼ぶだけでなく、村山市産のバラを原料に製品をつくり6次産業化(農業などの第一次産業が食品加工、流通販売にも業務展開すること)していけば、名実ともに「バラのまち」になっていけるのではないか。市外から遊びに来た人が村山市産のバラの製品をお土産に持ち帰ってもらえたら、それは新しい村山市の価値となっていくのではないか。そんなことを思うようになりました。
バラ農家・佐藤さんとの出会い
地域の産業や農業の課題と向き合っていく
このように考えるようになったのは、村山市でダマスクローズを栽培する「山形薔薇蒸留所」の佐藤洋介さんとの出会いがきっかけでした。
佐藤さんは元は農水省の職員。出向で東京から村山市に赴任し、その後農水省を退職して村山市に移住しました。現在は廃校を活用した市の施設で働きながら、バラの栽培やローズオイル・ウォーターの製造、販売もしているというパッションの持ち主です。
佐藤さんファミリー。官僚からバラ農家へと転身した佐藤さんは、村山市で新しいチャレンジを続けている。
佐藤さんがバラの栽培を始めたきっかけには、農業的な課題があったといいます。これは全国的にも言えることですが、いわゆる米の減反(生産調整を行うための農業政策)で米以外の栽培が求められ、農家の高齢化などによって耕作放棄地が増えているなかで、新しい品目を増やしながら農地を守っていこうとバラ栽培を始めたというのです。
バラの品種は多岐に渡りますが、佐藤さんはダマスクローズに特化して、農薬を使わずに栽培しています。香りが強く、化粧品や食品の原料となる品種です。一般的にイメージされる観賞用のバラ(モダンローズ)とは見た目も違い、ピンク色の薄い花びらが外側に広がるシルエットが特徴的。最盛期の6月上旬には畑にいい香りが漂い、ていねいに花が朝摘みされます。
ダマスクローズ。限りなく原種に近い品種で、その香り高さが特徴。
佐藤さんは、なぜ観賞用ではなく、原料としてのバラを育てているのでしょうか。聞いてみるとこんな答えがありました。
「バラを原料供給していくことで、地域で活躍するみなさんそれぞれの得意分野を生かした新しい製品が生まれていってほしい。そうすればバラの楽しみ方も広がりますし、その製品を村山市を訪ねてきた人がお土産として持ち帰ってもらえたらいいなと思いますね」
佐藤さんのビジョンに深く共感した私たちは、ぜひこのダマスクローズを使わせてほしいと思ったのです。
バラの本場ブルガリアからダマスクローズを取り寄せ、農薬を使わずに栽培されている。
こうしたご縁を経て、初めてダマスクローズの香りに出会ったときがこのプロジェクトの出発点となりました。よくあるバラの芳香剤とは違った、軽やかで上品な香り。ワインのブドウが持つ甘味や酸味との相性も良く、華やかな香りや味わいに仕上がるはず。
夫がワイナリーで働き学んできたワインづくりと佐藤さんのバラとが結びつき、「村山産のバラを使ったオリジナルのワインをつくってみたい!」と夫婦ですぐに意見が一致したのです。
こうしてバラのロゼワインをつくるプロジェクトが本格始動していきました。
新しい手法でつくるバラのロゼワイン
農薬不使用の村山産ダマスクローズをブドウと一緒に醸造する
ワインの開発は、隣町にあるワイナリー「東根フルーツワイン」さんで行いました。夫がつとめる職場でもあります。東根フルーツワインの社長・阿部利徳さんとソムリエの方と一緒に試作を重ね、構想から約一年をかけて完成しました。
元山形大学農学部教授でバイオサイエンスの研究をしていた阿部さんは、退職後にワイナリーを設立。ブドウだけではなく、さくらんぼやラ・フランスなど山形の特産品を生かした実験的なワインづくりに取り組んでいます。今回のバラのワインづくりという挑戦にも快く協力していただけることになりました。
材料にブドウ以外にバラも含まれるので、厳密な品目は「甘味果実酒」となります。
なぜ赤でも白でもなく、ロゼなのかというと、ダマスクローズの華やかな香りを最大限に残しながら、ワインとしての旨味を出すためには、味も香りも強すぎないロゼが最適だったからです。
試作では、ブドウの果汁だけ発酵させた白ワインと、皮と果汁を合わせて発酵させた赤ワインをそれぞれつくり、白ワインをベースに赤ワインを少しづつ足しながら色味や香り、色を調整。バラの香りを付けるために、発酵が終わったタイミングで、佐藤さんが育てた農薬不使用の花びらを漬け込みました。香料やエキスではなく、本物のバラの花びらを使って香り付けするのはかなり珍しい手法です。
ドライフルーツを思わせる甘い香りがあり、グラスを回すとより強く、ダマスクローズが持つ清涼感のあるハーバルな香りが広がる仕上がりとなりました。
試作の様子。マスカットベーリーAの果汁だけを醸造した白ワイン。実験的に白ワインだけにも花びらを漬け込む実験もしました。
試作の様子。バラの花びらを漬け込み、香りの違いを比較しました。
ワインは1年に1度しか仕込めないので、この秋シーズンに2回目のチャレンジになります。
前回の試作品をベースにしながら、製造方法にもう一工夫加える予定です。それは、バラの花びらをブドウと一緒に発酵させるという方法。世の中に流通しているバラのワインは、香料やエキスを添加していたり、色味がバラっぽいという見た目によるものが多いなか、バラを一緒に発酵させるというのは、あまり類を見ない工法になります。
香りも味わいも、ダマスクローズ本来の持ち味をより引き出すためのチャレンジです。完成品にご期待ください!
女性のギフトに、カジュアルな日常使いに
華やかな香りが特徴なので、女性への贈り物にすると喜んでいただけると思います。色もきれいなピンク色で、見た目にも気分があがるはず。
軽やかな香りと口当たりなので、日常使いにもGOODです。食のジャンルを問わずいろんな食べ物と合わせやすく、軽食と一緒に軽く一杯など、カジュアルなシーンにもぴったり。甘みもあるので、食前の乾杯にも良さそうです。
試食会でのペアリング。野菜中心のさっぱりしたイタリアンにもピッタリ。
資金の使い道
今回クラウドファンディングで集めるお金は、ワインの醸造やラベルのデザインなど、製品化の資金として使います。はじめは限定品になりますが、クラウドファンディングによって軌道にのせて、通年販売の商品として定着させていきたいと思います。
スケジュール
2024年
10月 クラウドファンディング開始
バラのロゼワイン仕込み〜醸造
11月 クラウドファンディング終了
12月 発送準備
2025年
1月 初出し、リターン発送
3月頃 通常販売、お披露目イベント
全国のみなさん、ぜひ村山市へ遊びに来てください
最後にもう少しだけ、プロジェクトに込める想いをお伝えさせてください。
村山市は消滅可能性自治体に該当しています。2020年〜2050年の30年間で、子どもを産む世代の女性が半数以下に減少する可能性があるというのです。
私たちはこのまちで商売をさせていただき、数えきれないほど地域のみなさんに助けられ、お客様たちに支えられて、ここまでやってくることができました。恩返しと言えば大袈裟ですが、私たちにできることで村山市の魅力を発信していきたいという思いがあります。そして村山の子どもたちが将来安心して暮らせるまちであってほしいと願っています。
村山市やその周辺には、いろんなアイディアや想いを持って活動するお店や農家さんなど、たくさんのおもしろい人たちがいます。今回のプロジェクトをきっかけに「うちもやってみよう」と、村山市で新しいいろんな活動が生まれていくといいなという想いもあります。
海藤一家。村山市で育つ子どもたちの未来につながりますように。
地元の食材を使って、全国のみなさんに本当においしいものを届けたい。そんな想いで村山産のバラを使ったロゼワインをつくりました。今回のプロジェクトを経て、近い将来、バラのロゼワインを正式に商品化していきたいと思っています。
その暁には、ぜひ村山市に遊びに来てください。冬の雪景色も、初夏のバラの季節も、秋の黄金色の田んぼの風景も、いつ来ても村山市はいいところです。このまちの魅力を体験していただき、ぜひお土産にこのワインを選んでいただけたらと思います。こうしたアクションの連鎖が村山市の未来をより良くする一助となれば、それ以上に嬉しいことはありません。
ここまで読んでいただきありがとうございました。みなさま、ご支援のほどよろしくお願いいたします!
<酒類販売管理者標識>
1. ずへやオンラインショップ(山形県村山市河島山3番29 1階)
2.海藤 友也
3.2024年7月18日
4.2027年7月17日
5.村山小売酒販組合