三井ホーム株式会社
~三井ホーム半世紀の集大成、「ツーバイフォー工法」の技術のさらなる進化~ 耐震性、断熱性、耐久性など優れた基本性能をより高め、さらに自由な設計を可能にした木造住宅へ
三井ホーム株式会社(本社:東京都江東区、社⾧:池田 明 以下「当社」)は創立50周年を2024年10月11日に迎えます。創業当時から日本でのツーバイフォー工法のリーディングカンパニーとして、同工法を木造住宅の一般工法としてオープン化されたタイミングと同時期に導入し、耐震性、耐火性、断熱性など優れた基本性能を日本の風土や気候にあわせ研究を重ね、震度7に60回耐えた実大耐震実験など実験等でも実績を積み重ねてきました。それらの実績をもとに、木造住宅の新スタンダードとなるべき「MOCX WALL工法」を10月より販売開始(※1)し、ホームページ(https://www.mitsuihome.co.jp/lp/mocxwall/)を開設したことをお知らせいたします。
【MOCX WALL 工法の特長】
■木造マンション「MOCXION(モクシオン)」のために開発した、壁倍率30倍相当の高強度耐震壁技術(特許取得技術)を戸建住宅向けに最適化した住宅用「MOCX WALL」を使用した当社独自開発のツーバイフォー工法。
■強化した壁は建物の強度をそのままに壁量を減らすことを可能とし、これまで以上に自由な設計・デザインと開放的な空間を実現。
近年、地震や寒暖差など自然環境がより厳しさを増していることから住宅工法には強さと快適さ、自然環境への配慮に重点が置かれています。加えて環境負荷が少なく脱炭素に貢献する中大規模木造建築のニーズが拡大するなかで、当社は壁倍率30倍相当の高強度耐力壁「MOCX WALL」を開発し、それにより日本初の大規模木造マンション「モクシオン稲城」の建築を可能にしました。その技術を戸建住宅向けに最適化することで生まれたのが「MOCX WALL 工法」です。これまでよりも災害に強い建築物を実現する「いのちを守る壁」として、また、間取り・デザインの自由度をあげ、開放的なすまいを実現する「夢をひろげる壁」として提供開始いたします。
当社は今後もツーバイフォー工法の発展と共に、 脱炭素社会の実現に資する木造建築のさらなる普及と技術の発展に努めてまいります。
1.木造マンション「MOCXION」のために開発した、壁倍率30倍相当の高強度耐震壁技術(特許取得技術)を戸建住宅向けに最適化した住宅用「MOCX WALL」を使用した当社独自開発のツーバイフォー工法。
(1)スクリュー加工をした「MOCX WALL」オリジナルのNX釘(※2)を使用した強力な耐力壁によって、シンプルで洗練された構造でプランの自由度が向上します。
「MOCX WALL」は 木造マンション「MOCXION」向けに開発された壁倍率30倍相当の高強度耐震壁技術であり、それを戸建て向けに最適化し活用しているのが住宅用「MOCX WALL」です。
三井ホームオリジナルの耐力壁で、繰り返しの地震につよく、耐力の余裕によりプランの自由度も高くなります。また、施工品質向上のために開発したオリジナルデザインのパーティクルボード(特許出願中)も採用しています。
オリジナルデザインのパーティクルボード(特許出願中)
「MOCX WALL」用に開発されたオリジナルNX釘(NX50)
(2)従来からのツーバイフォー工法の特長である耐震性、耐火性、断熱性を「MOCX WALL 工法」でも、さらに追求し、更なる快適性を実現します。
1. 耐震性:枠組材と面材が一体化した、高い剛性を発揮する「モノコック構造」
ツーバイフォー工法の特長であるモノコック構造は、基本となる枠組みと、床・壁・屋根を6つの面として建物を支える強靭な構造のことです。高い強度と揺れの抑制が求められる航空機や自動車のボディの技術が活かされおり、この剛性の高い構造が地震の揺れを受け止めて分散し、建物全体で抵抗することで優れた耐震性能を発揮します。
2. 耐火性:火の侵入、内部延焼を食い止める独自構造
■当社独自の外壁「BSウォール」
1時間以上にわたって、火の侵入を耐え抜く当社独自の「BSウォール(ブロック・アンド・シームレス・ウォール)」は極めて耐火性に優れた外壁であり、当社の実験においても、1時間加熱しても室内側の壁面温度は100℃未満で、木材の出火危険温度をはるかに下回っています。
■内部延焼を抑えるファイヤーストップ構造
火災時、一般的な住宅では壁の内側や天井裏を伝わって燃え広がっていきます。当社の住宅なら、1階から2 階、2 階から屋根裏への「火の通り道」をファイヤーストップ材がシャットアウトし火元から他の部屋への延焼や駆体への損傷を防ぐことが可能です。
3. 断熱性:断熱等級6対応(※3) UA値0.39W/平方メートル K(※4)、適切な熱断材で快適な室内環境へ
寒い地域では断熱性、暖かい地域では遮熱性が求められてきます。当社ではすべての地域の省エネルギー基準を大幅にクリアすることが可能です。さらに、内外ダブル断熱による断熱等級7仕様もご用意しています。
■厚みのある断熱材を隙間なく充填
住まいの断熱性を高めるには、構造材とその内部に充填する断熱材に十分な厚みが必要になります。天井・壁・床と家全体を覆うように高密度で充填することで、夏の涼しさ、冬の暖かさを実現します。
■「MOCX THERMO(モクスサーモ)」のダブル断熱で断熱等級7(※5)にも対応可能。
上記に加え、超高断熱内外ダブル断熱により、断熱性能を飛躍的に向上させることが可能です。外気温の影響を受けにくく、心地良い室温を保つことができます。
2.強化した壁は建物の強度をそのままに壁量を減らすことを可能とし、これまで以上に自由な設計・デザインと開放的な空間を実現。
従来のツーバイフォー工法は、高強度なモノコック構造を保つためにも、窓の上端、バルコニーへのまたぎ、部屋内のさがり壁など、壁材が必要になる個所がありました。壁そのものが進化した「MOCX WALL 工法」では、開放感のあるスッキリと端正な住まいのデザインを実現することが可能になりました。
(1)間取りやデザインの自由度が向上し、さがり壁やまたぎのないフラットな天井、バルコニーが可能に
■フラットな天井で間取りの自由度が向上
開口部上部の構造部材を強化することや住宅用「MOCX WALL」の強度により、さがり壁レスを実現しました。
フラットな天井の例
■部屋内から繋がるフラットバルコニー
高強度の住宅用「MOCX WALL」によって、設計の自由度上がり、またぎ(段差)のない、バリアフリーでリビングと一体化したバルコニーも実現可能となりました。
フラットなバルコニーの例
(2)強化した壁により、耐力壁を減らすことができ、独立支持柱による開放的で自由なデザインが可能
■標準プランで耐力壁を約20%削減可能に(※6)
木造マンション「MOCXION」で開発した技術を使用し、壁強度が上がったことによって耐力壁を減らす事が可能になり、大空間が実現しました。
耐力壁の少ない開放的な空間(イメージ画像)
■独立支持柱によるすっきりとした空間や軒の深いバルコニーも可能に
高耐力壁により、開放感のあるすっきりとしたデザインの空間を実現することが可能になりました。
独立支持柱を使用したバルコニーの外観
【ブランド・事業構成】
「MOCX WALL」は、「MOCXION」をはじめとする「MOCX(モクス)」技術(※7)の一つであり、木造住宅という日本古来の伝に根ざした独自の素材でありながら、快適性、省エネ性、環境配慮を追求し、これからの時代に求められるサステナビリティ(持続性)の実現を目指します。
※1 当社戸建住宅のうち三井ホームプレミアム・三井ホームオーダーが対象となり、2024年10月の新規契約から対応となります。三井ホームセレクトは今後対応予定です。
※2 MOCX WALL 用に開発された釘であり、一般的な釘と違い、先端にスクリュー加工を施しており、引き抜きに強く折れにくいため、強い耐力壁が可能となります。
※3 一部オプション仕様を含みます。
※4 熱損失量の軽減を図るため、開口面積を抑えた当社シミュレーション(37坪)による試算です。当社モデルプランによる試算であり、これを保証するものではありません。
※5 省エネルギー基準地域区分5~7地域のみの提供となります。 1~4 地域は断熱等性能等級6までの提供となります。 省令準耐火仕様のみの提供となります。
※6 現行(プレミアムモノコック構法)と新工法(MOCX WALL 工法)での耐力壁長を比較した結果、作図規準書プラン153.66 平方メートル ( 46.48 坪)で 耐力壁長(1階・2階の合計)を約20%削減できます。
※7 MOCX技術:街の建物を木造化していくために、最適解を提供していく「要素技術」の総称。高強度耐力壁「MOCX WALL」やトラスを組み合わせた「MOCX ROOF(モクスルーフ)」、屋根断熱パネル「DSP(ダブルシールドパネル)」などの当社独自技術です。
※8 「MOCX MUTE(モクスミュート)」:新規開発したMH支持脚とMH際根太で支持した二重床構造。上下階の遮音性に対するニーズが特に高い賃貸住宅のコスト・施工合理化、および二世帯住宅の顧客満足度の向上につなげます。
【「MOCX」については下記をご参照ください。】
【三井ホームはMOCX Green Projectを推進します】
MOCX Green Projectとは、これまでに25万棟以上の木造建築をつくってきた当社が、さらなる木造建築の可能性を広げ様々な取り組みを通じて脱炭素に貢献していくプロジェクトです。
■三井不動産グループのサステナビリティについて
三井不動産グループは、「共生・共存・共創により新たな価値を創出する、そのための挑戦を続ける」という「&マーク」の理念に基づき、「社会的価値の創出」と「経済的価値の創出」を車の両輪ととらえ、社会的価値を創出することが経済的価値の創出につながり、その経済的価値によって更に大きな社会的価値の創出を実現したいと考えています。
また、2024年4月の新グループ経営理念策定時、「GROUP MATERIALITY(重点的に取り組む課題)」として、「1.産業競争力への貢献」、「2.環境との共生」、「3.健やか・活力」、「4.安全・安心」、「5.ダイバーシティ&インクルージョン」、「6.コンプライアンス・ガバナンス」の6つを特定しました。これらのマテリアリティに本業を通じて取組み、サステナビリティに貢献していきます。
【参考】・「グループ長期経営方針策定」
*なお、本リリースの取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)における7つの目標に貢献しています。
目標3 すべての人に健康と福祉を
目標7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
目標11 住み続けられるまちづくりを
目標12 つくる責任つかう責任
目標13 気候変動に具体的な対策を
目標14 海の豊かさを守ろう
目標15 陸の豊かさも守ろう