『the book from your Questions(問いをかたち)』をテーマに、水産教育支援事業や行政支援事業、アンティーク・ヴィンテージのEC事業を手がける株式会社ハテナブック(本社:東京都渋谷区、代表:本間 隼人)は、2024年10月11日(金)に、「私を〝目立てる〟宿」をコンセプトにした、宿&マルチスペース「metate」をオープンします。このストーリーではmetate開業に至るまでの経緯と、富山県上市町で新たな宿泊事業モデルを構築した当社の挑戦について、代表取締役の本間隼人がお話します。
【URL】https://metate.jp/
①宿泊業を通じて見つけた上市町の隠れた魅力とその広がり
私は昨年、東京から富山に移住しました。富山県上市町の良さを伝えたいと、やったことのない宿泊事業の開始を思い立ちましたが、富山県の簡易宿泊の年間の定員稼働率は7.4%(2024年1月〜12月の平均/宿泊旅行統計調査)。月の営業日に換算すると2.4日程度。何人もの人に「絶対にやらないほうが良い」「何もないからうまくいかない」「だまされているのではないか(!?)」と止められました。
私自身、移住前に上市町を訪れたはじめの数日は、「何もない町」という印象を拭えませんでした。しかし町の生活のリズムに慣れてくると、景色の僅かな移ろいや細やかな変化に気づけるようになりました。「白って200色あんねん」というアンミカさんの名言がありますが、夕方ひとつにしても、時間と共に少しずつ色味が変化していくという当たり前のことにハッとさせられました。
「宿」の実績もなく、統計を見ると稼働も見込めませんが、この場所で「ハッとさせる」という体験を提供したいと思い至りました。観光客が少ない地域で宿を継続するのはとてもハードルが高いですが、もし上手くいく方法が見つかれば、日本中どこの地域でも同じように実現できるかもしれません。それぞれが好きな場所で宿を開業し、日本のグラデーション豊かなカルチャーを残すことにつながる!と考えました。
②歴史あるノコギリ屋を再生。宿とコワーキングスペースが一体に
いくら想いや計画を話しても「ハハハ」と軽くかわされ、糸口が見つからなかったため、思い切って先に物件を購入しました。
たまたま紹介いただいた物件はもともと鋸(ノコギリ)屋。
時代とともに鋸が売れなくなると目立て屋として上市町で最後まで残っていたお家です。
目立てとは、鋸のつぶれてしまった〝目〟を鋭く研ぐ仕事。私は一目惚れし、宿泊された方に五感を磨いてもらえたらという思いを込めてmetate(めたて)と名付けました。
metateは1Fをサテライトオフィス、コワーキングスペース、イベントスペース。2Fを宿泊スペースとした複合施設です。
地域の方と宿泊客が交流しやすい作りとなっているため、関係人口の創出が期待できます。
③まちぐるみで宿泊客をもてなす「まちやど」を参考に。行政、地域住人と繋がる新たな宿
観光客が少ない地域=知名度の低い地域と考えました。一番近い課題感を持っているのはおそらく地域の行政で、行政施策を汲み取った事業方針を取ることで行政と連携できると考えました(=宿泊事業モデル図参照)。
さらには「まちやど」(まちを一つの宿と見立て宿泊施設と地域の日常をネットワークさせ、まちぐるみで宿泊客をもてなすことで地域価値を向上していく事業/日本まちやど協会参照)の概念を参考にしつつも、より地域住人が利用しやすい「ちいきやど」(造語※)として地域と向き合うことで可能性の広がりを見出しました。
(※)観光客のためだけではなく地域住人にとってもGOODな宿。
宿泊スペースとは別に、公民館と働く場所がミックスされたような空間を作り、地域住人が通いやすい環境を作ります。
観光客と地域住人の接点が増えることで、観光ガイドには載っていないような情報を得たり、人を通じて地域に興味を持つ機会が増えたりすることが期待できます。
④Yahooニュースで話題に 誰も来ない?コメントへの本音
先日Yahooニュースに宿の件を取り上げていただきましたが、コメント欄には「こんなところ誰も来ないだろう」といった書き込みが複数ありました。その通りだろうなと思います。
縁もゆかりもない人を呼び込むのはとてもパワーがいりますが、縁もゆかりもある人なら呼び込みやすいと考えています。100人の地域住人と信頼関係を築き、彼らが親戚や友人などを10人ずつ連れてきてくれたら、1,000人の宿泊客に来てもらえます。この1,000人はただの宿泊客ではなく、濃い関係人口となりうる人たちです。濃い関係人口が1,000人いたら、次の事業や地域の活性化を生み出す可能性が高まります。地域との関わりを広げることで、関係性は深まっていきます。関係性を深めることができなければ、長くは続かないでしょう。
宿の準備を通じて近所の魚屋さんとか花屋さん、飲食店さんとかたくさんの知り合いが増えました。あそこの魚屋さん本当においしいので一回買ってほしいなど、知り合いが増えるほどひとつひとつのお店のことを知ってほしいなという気持ちが強くなっていきました。
「何もない」というところにも誰かの『生活』や『営み』は必ずあります。その断片に触れることで、私たちは自分自身を省み、ハッとし、より豊かになれるのではないでしょうか。その場所にしかない自然や人との交歓。metateが提供できる本質的な価値は、ここにあると考えています。
富山東南エリアを回遊する新たな旅の提案。事業モデルのさらなる展開と広がりを願って
先の「まちやど」の考え方をさらに広域で捉え、上市町を起点に富山の東南エリアで1週間くらい過ごせるような提案をしていきたいです。
立山町や、滑川市、魚津市など、近隣自治体のプレーヤーと連帯し、周辺地域を含めて過ごすような人たちが現れ、ぐるぐると巡ってくれたら良いなと思います。連帯が深まれば深まるほど、やってきた人たちに大きな感動を提供することができると考えています。今回の事業モデルは既にあるものの組み合わせにすぎないので、すぐにでも取り入れることができます。誰でも、好きな場所で宿を続けられる可能性が広がります。
最後にmetateに宿泊して、上市町で一緒に事業を広げてくれる方が増えてきたら嬉しく思います。
10/5-6限定 内覧会で楽しむ「closet plan」体験
Antique & Vintage Shopのmakkyがmetate内に移転オープン。長年大事にされてきた手作りの服をお試しください。10/5-6の内覧会では宿泊をしながら服を試着できるcloset planをお楽しみいただけます。
▼makkyウェブサイト
◉開所式のご案内(関係者、メディア対象)
日 時:令和6年10月11日(金曜日) 10時開始
場 所:株式会社ハテナブック 上市町サテライトオフィス
住 所:富山県中新川郡上市町熊野町125
【開所式スケジュール】
1.開式 10:00〜
2.弊社代表挨拶及び施設紹介
3.来賓挨拶
4.テープカット
5.内覧会
6.閉式
◉内覧会およびトークイベント(どなたでもご覧いただけます)
株式会社ハテナブックについて
【会社概要】
社名:株式会社ハテナブック
本社所在地: 東京都渋谷区渋谷2-19-15宮益坂ビルディング609
代表取締役:本間 隼人
事業内容:
①水産教育支援事業・広告代理店業
②行政支援・島嶼部支援事業
③宿泊事業・まちづくり事業
④EC事業・ウェブサイト制作事業
設立: 2019年5月
HP:https://hatenabook.net/