廃タイヤは年間100万トンも発生! 公園の遊具ぐらいにしか……と思ったら実は90%もリサイクル等で「有効活用」されていた!!

2024.10.01 13:00
この記事をまとめると
■1年間に発生する廃タイヤは日本国内だけでも約100万トンに達する
■2023年に出た廃タイヤ9000万本のうち60%以上は代替燃料として再利用されている
■タイヤの有効活用の手段として今後は乗用車にもリトレッドが広まるかもしれない
自動車業界でも対応が急がれている「カーボンニュートラル」
  数年前までは「地球温暖化」に対して懐疑的な見方をする人を多く見かけたものだが、このところ各地を襲っている豪雨などの被害を思えば、もはや気候変動を否定する人は少なくなっているのではないだろうか。地球全体の温暖化と狭い地域での気象現象をイコールでつなぐのもミスリードという批判もあるだろうが……。
  というわけで、いまや自動車業界は「カーボンニュートラル(実質的にCO2排出量をゼロにすること)」を無視することはできなくなっている。そう遠くない将来には、新規に採掘した化石燃料を使うことが批判される時代となる可能性も、まったく否定できない状況といえる。
  さらに、化石燃料から生まれる工業製品の代表格はプラスチックだが、こうした資源においても、無駄なく使うことが求められているのが現代といえる。より具体的にいえば、プラスチックのような資源については「3R」の環境対策が必須となっている。
  これは、「Reduce(リデュース:削減)」、「Recycle(リサイクル:再資源)」、「Reuse(リユース:再利用)」という3つのRをまとめたもので、資源を循環させる社会を構築することにより、環境負荷を軽減しようというものだ。
  さて、前置きが長くなってしまったが、クルマを走らせる上で、代表的な消耗部品であるタイヤについても「3R」対応が進んでいることはご存じだろうか。なにしろ、日本国内だけでも使用済み「廃タイヤ」は毎年100万トン近く発生している。しかし、それらはゴミになってしまうわけではない。結論からいえば、廃タイヤの9割以上は3R的に有効利用されている。
  JATMA(一般社団法人 日本自動車タイヤ協会)の発表している数値を紹介しよう。
  2023年に発生した廃タイヤは約9000万本。ちなみに、タイヤを履き替えた際と廃車になったクルマから取り出される場合に廃タイヤは生まれるが、同年における比率は86:14となっていたという。
  前述したように、廃タイヤの再利用は進んでいる。そのなかでもっとも多いのが「サーマルリサイクル」で、廃タイヤにおける構成比は約64%となっている。これはタイヤを切断したり、破砕したりすることで細かくして、代替燃料として利用するというもの。ごみ処理として燃やすのではなく、燃料として活用しているというわけだ。
  大型車用タイヤでは、リトレッドといってタイヤ表面を張り替える「更生タイヤ」が広まっているが、その土台として使うことで廃タイヤの発生を抑えるというソリューションもある。また、再生ゴムとして活用されることもあり、これら原形加工利用で15%前後になっているということだ。
  そのほか、海外に中古タイヤとして輸出されるぶんも含めると、トータルでのリサイクル率は90%を超えるというのが現状。多くのユーザーが想像するよりもずっと3R対応が進んでいるのであった。
  循環型社会というのは新規採掘を減らすモデルでもある。実際、化石燃料由来の合成ゴムを使わず、石油外天然資源だけでタイヤを作るという技術は、すでに実現している(ダンロップ・エナセーブ100)。また、有効活用の手段として、乗用車用タイヤでもリトレッドが広まっていくという見方もあるようだ。
  長い間、見た目こそまったく変わっていない黒くて丸いタイヤは、環境対応に向けて着実に進化しているのである。

あわせて読みたい

【東京都中央区】廃木粉をアップサイクルした植物由来の環境素材「MIRAIWOOD」で作る伝統工芸山中漆器の展示会開催
STRAIGHT PRESS
ライオン、リサイクル性を向上させたつめかえパックを初の製品化
PR TIMES
ロキソニンにまつわる素朴な疑問を薬の作り手が解決! 小さな錠剤に込められた想いとは
antenna
富士山も埋もれる分厚さ?!南極の氷の下には太古の微生物だけでなく、大量に眠っていると考えられている地下資源とは?【図解 地理と経済の話】
ラブすぽ
一般流通におけるサプリメント什器をプラスチックから紙製へ変更
PR TIMES
【古市庵】人気のクリスマス商品登場
PR TIMES Topics
環境にもよくて経済的にも助かる「タイヤの再生」! ミシュランが発表した本気の取り組みがスゴイ
WEB CARTOP
「廃棄物を100%ゼロにする」環境負荷を最大限に抑えるレトロ倉庫を富山県高岡市にOPEN!
ラブすぽ
御代田町の複合施設「MMoP」内各店舗にてクリスマスを彩るフェア開催
PR TIMES Topics
~サステナブルなモノづくりや循環型社会の実現を目指し ポリ塩化ビニル (PVC)製手帳カバーのリサイクルを実現~
PR TIMES
「ひろしまスタジアムパーク」に廃プラスチックと廃木材を融合した循環型素材を使用した舗装材「レビアペイブ」が採用
PR TIMES
老舗洋傘メーカー「2024クリスマスフェア」開催
PR TIMES Topics
廃タイヤを使用した、アウトドアシーンにも持ち歩けるAirPods proケースを新発売
PR TIMES
ウェルビーイング・ブランドとしての環境配慮への取り組み 主力商品「薬用ディープクレンジングオイル」などのボトル・外箱をケミカルリサイクルPET100%・FSC認証紙※1へ変更
PR TIMES
立体で並べて楽しむことができる「小さな森のクッキー缶」発売
PR TIMES Topics
カーボンニュートラルとはそもそもなに? EVや水素燃料やe-fuelを使えばいいってもんじゃない難しい課題だった
WEB CARTOP
廃棄タイヤを再利用したiPhone16シリーズ対応の耐衝撃ケースを新発売
PR TIMES
【文明堂】期間限定の新色「黄色いこぐま焼き スイートポテト」新発売
PR TIMES Topics
【サステナブル】廃タイヤを再利用!“一点もの”ケースで「AirPods」をプロテクト
MADURO ONLINE
樹脂加工専門会社の新たな一歩 廃アクリルの再生素材でライフスタイルアイテムを開発
PR TIMES