F1から市販車までなんでもござれの天才エンジニア! 「ゴードン・マレー」の業績があまりに凄すぎた

2024.09.30 17:30
この記事をまとめると
■天才自動車エンジニアとして名を馳せるゴードン・マレー
■ブラバムのF1マシンのデザインで頭角を表して以降、数々の名車を送り出した
■現在は自らの名を冠す自動車メーカーを設立してT.50などのスーパーカーをリリースしている
F1とスーパーカーの業界に現れたひとりの天才
  2020年8月4日、「T.50」とネーミングされた一台のスーパーカーがデビューを飾った。それはF1やスーパーカーのファンにとってはビッグネームともいえる、かのゴードン・マレーによって設立された、ゴードン・マレー・オートモーティブから生み出されたファーストモデル。
  その詳細については後述するとして、今回はゴードン・マレーという天才的な自動車エンジニアが、これまでに残した足跡を改めて振り返ってみることにしたいと思う。
  南アフリカに生まれたマレーがレースエンジニアとしての職を求めて単身イギリスへと渡ったのは、彼がまだ23歳のときだった。当初はロータスカーズでの就職を希望していたというが、偶然にも当時ブラバムのデザイナーであったロン・タウラナックと出会ったマレーは、ブラバムでの仕事をオファーされる。
  そしてバーニー・エクレストンがブラバムを引き継ぐと、マレーはチーフデザイナーへと抜擢。ここから多くのF1マシンをデザインしていくことになる。「ファンカー」としても知られる「BT46B」や、チャンピオン・マシンとなった「BT49」、「BT52」などは、ブラバム時代のマレーが残した代表作だ。
  1973年から1985年にかけて、マレーが設計したブラバムはトータルで22勝をあげ、1975年と1981年にはコンストラクターズ選手権で2位という成績を残した。1981年と1983年には、ネルソン・ピケにドライバーズ選手権をもたらすなど、マレーのブラバムへの貢献度はじつに高いものだった。
  しかし、彼の心の中にはF1以外にもうひとつの夢が常にあった。それは究極のロードカーを作り出すこと。そして1986年、マレーはロン・デニスからのオファーを受けマクラーレンに移籍。そのときの条件は、3年後にはF1マシン以外の新しいロードカープロジェクトを用意することというものだったという。実際に彼は1991年にはロードカーを開発、生産するマクラーレンカーズへと移籍。かの「F1」やメルセデス・ベンツとの共同プロジェクトである「SLRマクラーレン」の開発に関係した。
ロードカーでもその才能を遺憾なく発揮
  その一方で、マレーはかつてレーシングドライバーだったクリス・クラフトとともにライトカーカンパニーを設立。1992年にはヤマハのFZR1000用エンジンを搭載したフォーミュラーカータイプのライトウエイトスポーツカー、「ロケット」を発表している。
  マレーはマクラーレンに2004年まで在籍するが、その後はさまざまなクライアントのために自らの才能を提供し続けた。2006年のブリティッシュモーターショーで発表された「キャパロT1」などはその代表的な例。
  そして2007年には自身の会社である「ゴードン・マレー・デザイン」を設立。2011年には日本の東レとの共同プロジェクトによって電気自動車の「TEEWAVE AR1」を開発したほか、2013年にはやはりコンパクトなヤマハのコンセプトカー「MOTIV」を東京モーターショーで披露。2015年の同ショーではやはりヤマハからの依頼によるスポーツカーコンセプトカー「SPORTS Ride Concept」を発表するなど、その活動はじつに積極的なものだった。
  さらに2015年にはTVRとの契約を締結。2019年から販売が開始された「グリフィス」は、マレーのエンジニアリングによるモデルである。
  それに先立ってマレーの会社は新たに「ゴードン・マレー・オートモーティブ(GMA)」の社名を掲げることになった。マレーが社名をGMAとした理由はもちろん、自らの名を掲げたロードカーを生み出すことで、それはあのマクラーレンF1の、そしてブラバムのBT46Bから遺伝子を受け継いだ究極のスーパーカーにほかならなかった。
  最初に触れたT.50は、ミッドにコスワース製の4リッター V型12気筒DOHC自然吸気エンジンを663馬力の最高出力で搭載するもの。最先端のエアロダイナミクスを実現するため6種類のエアロモードが設定されているほか、ブラバムBT46B譲りのファンも装備され、より大きなダウンフォースを得ることに貢献している。
  生産は100台の限定生産で行われる予定だったが、発表から48時間でそのオーダーリストは完全に埋まってしまう。いまさらながらにゴードン・マレーという人物のエンジニアとしての才能、そしてブランド・バリューが高く評価されていることが証明された。
  2021年にはこのT.50をベースとしたサーキット走行専用モデルの「T.50sニキ・ラウダ」も発表されたが、こちらはエンジンが710馬力にまで強化されるほか、さらにエアロダイナミクスと軽量化をストイックに追求した仕様。生産台数は25台が予定されている。

あわせて読みたい

マクラーレン史上最強ハイブリッドカー「W1」がデビュー
Esquire
マクラーレン史上最強ハイブリッドカー「W1」がついに日本初公開【追記 / 更新】
Esquire
ロキソニンにまつわる素朴な疑問を薬の作り手が解決! 小さな錠剤に込められた想いとは
antenna
究極のV12エンジン搭載軽量スーパーカーが日本初上陸!「ゴードン・マレーT.50」
CARSMEET WEB
ゴードン・マーレイらしさ全開!──新型GMA T.50試乗記
GQ JAPAN
御代田町の複合施設「MMoP」内各店舗にてクリスマスを彩るフェア開催
PR TIMES Topics
1275psのシステムトータル出力と1340Nmのトルクという驚愕のスペックを持つスーパースポーツ!「マクラーレンW1」が発表
CARSMEET WEB
マクラーレン「F1」「P1」の“1”を継承するPHEVスーパーカー「W1」がジャパンプレミア
OPENERS
あなたの動画を自然に翻訳!「AI動画翻訳くん」とは?
antenna
マクラーレン史上最大のパワーを誇る“究極のスーパーカー” マクラーレン「W1」がデビュー|McLaren
OPENERS
マクラーレンが次世代スーパースポーツ「W1」の発表を予告
webCG
【文明堂】期間限定の新色「黄色いこぐま焼き スイートポテト」新発売
PR TIMES Topics
フェラーリの新たなスペチアーレ「F80」誕生! では歴代6モデルで最もスペシャルなのは?[デイリーコラム]
webCG
ランド・ノリスが実物大の「レゴ®テクニック™ McLaren P1™」でシルバーストン・サーキットを走る
octane.jp
幅広いシーンで活用できる「フラップ付き二重構造クリアタンブラー」登場
PR TIMES Topics
F1、そしてP1の後継モデル…!マクラーレン、新型スーパースポーツ「W1」公開を予告!気になるその発表日は?
CARSMEET WEB
マクラーレンが新型スーパースポーツカー「W1」を発表
webCG
約36年ぶりの新商品!歳時菓子「おはぎ新嘗(にいなめ)」新発売
PR TIMES Topics
マクラーレンがP1後継のスーパーカー「W1」を世界初公開! 1275馬力&1340Nmでブランド史上最強モデルに
WEB CARTOP
399台限定生産、マクラーレンの”スーパーカー哲学”の究極形! 「McLaren W1」が日本初公開
CARSMEET WEB
老舗洋傘メーカー「2024クリスマスフェア」開催
PR TIMES Topics