TOPPAN、化粧シートでバイオマス化を実現

2024.09.17 13:18
TOPPANホールディングス株式会社
化粧シート重量の最大65%をバイオマス化。製造過程でのCO2排出量を低減し耐久性を保持した、バイオマス化粧シートを提供。

 TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPAN株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:齊藤 昌典、以下 TOPPAN)は、住宅をはじめ、商業施設や医療施設、公共施設などの建築物や、家具・什器などの表面に使用される内装用の化粧シートを製造・販売しています。このたび、市場でのさらなる環境配慮の要求に対して、材料を石化由来原料からバイオマス由来の原料に置き換えることで、化粧シート重量の最大65%をバイオマス化し、従来の化粧シートよりも製造時のCO2排出量を約19%低減できる化粧シートを開発しました※1。
バイオマス原料を使用した内装用化粧シートの使用イメージ (C) TOPPAN Inc.
■ 開発の背景
 近年、世界各地で深刻化している気候変動といった課題に対して環境問題への意識が高まる中、建装材分野においても環境配慮への対応が必須となっています。TOPPANは中期経営計画にてDXとSXによってワールドワイドで社会課題を解決するリーディングカンパニーとして、持続可能な社会の実現と企業価値の向上をはかり、重点施策の一つとして環境への取り組みを掲げ事業活動を推進しています。そこで、建装材分野においても現在住宅・非住宅にて使用されている一般的な化粧シートにおいて全体重量の90%を占めるフィルム層を石化由来原料からバイオマス由来原料への切り替えを行うべく開発を開始。従来のバイオマス由来原料は主に軟包材等の短期利用がメインで、建装材分野で長期使用を目的とした化粧シートへの展開には、耐久性・耐傷性に課題があり、また原料としては、食糧供給と競合しないことが必要になります。
 TOPPANはこれらの課題に対して、これまで培った印刷・加工技術および高耐候評価技術を駆使し、バイオマス原料を用いても従来の化粧シート同等の意匠表現、性能を有したバイオマス由来の内装用化粧シートを開発いたしました。また、バイオマス原料にサトウキビの非可食部分を用いることで食料用途等への供給と競合せず、資源を有効活用することで持続可能な社会に貢献します。

■ 本製品の特長
・最大65%の高いバイオマス配合率を達成
 TOPPAN が独自に開発したシート設計を行い、着色フィルム層のシートと透明フィルム層の両方にバイオマス原料を配合することが可能となりました。これにより、化粧シート全体としてのバイオマス材料の配合率は、最大で全体重量の65%となります。原料にバイオマスを使用した商品に付与される「バイオマスマーク」を取得しました。
・バイオマスフィルムで意匠性を維持することが可能
 植物由来のバイオマス原料を高い比率で配合する場合、化粧シートに求められる意匠性を維持することが課題とされていました。今回、印刷条件の見直しと同時に印刷適性の高いバイオマスフィルムの選定を行い、従来の石油由来のオレフィンフィルムと同等の印刷表現が可能となりました。

・従来のエコシートと同等の耐候性能で幅広く展開可能
 本製品は耐候性試験においてカーボンアーク方式のサンシャインウェザーメーターにて従来の化粧シートと同等の耐久性を確認しています。また、TOPPAN 独自のナノ化技術である「Smart NANO(R)」を用いることで、植物由来原料を利用しながら、高い強靭性、耐傷性、耐汚染性を有する化粧シートとして、内装用途に幅広く展開することができます。

・CO2削減・環境配慮性
 枯渇資源である石油由来原料の使用量を削減し、植物由来原料を使用することでCO2排出量を削減し持続可能な社会の実現に貢献します。化粧シート(原材料調達、生産、輸送、廃棄・リサイクル段階まで)※2のCO2排出量を従来のオレフィンシートと比較して約19%削減しています※1。

製品紹介・URL:
■ 今後の目標
 TOPPANはバイオマス由来の化粧シートのさらなるバイオマス比率の向上と材料のバイオマス化を進めると同時に、他の環境配慮型材料との融合や組み合わせにより製品を開発し、社会課題の解決に貢献します。本製品で2026年に10億円の売り上げを目指します。



※1 CO2排出量算出方法
データベース:IDEA(V3.2)を使用、気候変動 IPCC 2013 GWP 100a
算定ルール:当社独自の算定ルールにて計算
算定結果に対して2024年8月に外部研究機関のレビューを実施
※2 使用・維持、施工段階を除く



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* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
以  上

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