UCC、サステナビリティを追求するハワイ直営農園で作られたコーヒーを国内公式オンラインストアで初めて発売!

2024.09.18 10:00
UCC上島珈琲株式会社
 UCC上島珈琲株式会社(本社/兵庫県神戸市、資本金/10億円、社長/朝田文彦、以下UCC)は、サステナビリティを追求するUCCハワイコナコーヒー直営農園で作られたコーヒーをUCC公式オンラインストアで初めて、9月18日(水)に数量限定で発売します。販売にあわせて、直営農園や農事活動に関するホームページ情報をブラッシュアップ、UCCハワイコナコーヒー直営農園の取り組みについてのコミュニケーションを強化します。
 UCCグループは、一人でも多くの人においしいコーヒーを届けたいという創業精神のもと、コーヒーの栽培から原料調達、研究開発、製造加工、流通、販売に至るまで、コーヒーに関わるバリューチェーン全体をグローバルに展開しています。また、2022年4月には、「UCCサステナビリティ指針」を制定し、「コーヒーの力で、世界にポジティブな変化を」というビジョンのもと、指針に基づき、サステナブルな社会の実現に貢献するため、様々な活動に取り組んでいます。
 1981年に日本のコーヒー業界で初めてジャマイカ・ブルーマウンテンエリアに直営農園を開設し、栽培から販売まで一貫したバリューチェーンを構築、さらに1989年にはハワイ島コナエリアにも直営農園を開設しました。直営農園の経営を通じて、40年の永きに亘り、コーヒーの品質を栽培段階から追求しています。そのなかで、コーヒーの可能性にチャレンジする様々な取り組み、またサステナビリティを追求した農法やネイチャーポジティブを推進する取り組みを実践し、その成果を農事支援活動を通じて世界の農園へ共有、将来にわたりおいしいコーヒーを飲み続けることができるよう、サステナブルな農業を推進しています。

■国内公式オンラインストア初!UCCハワイコナコーヒー直営農園産製品発売
 「UCCハワイコナコーヒー直営農園」で栽培され、近年注目されている “アナエロビコ※1(アナエロビックファーメンテーション、嫌気性発酵)”というコーヒー豆の精製※2過程で発酵プロセスを経たハワイコナコーヒーを、数量限定で9月18日(水)にUCC公式オンラインストアで発売します。ハワイの澄んだブルーの海を思わせるクリアな味わいが特長です。
 直営農園の収穫量は限られ、農園売店や現地ECでの販売が大半を占めるため、日本国内での販売機会は非常に限られています。これまで公式オンラインストアでの取り扱いはありませんでしたが、今回初登場することになりました。

 “アナエロビコ”は、コーヒーの価値創造へのチャレンジの一環として取り組んだ発酵プロセスを加えたコーヒー豆の精製方法です。今までにない風味を、コーヒーと酵母の力だけで自然に新しい風味を生み出すことができるのが特長ですが、温度や湿度、熟成時間によって風味が大きく変わることから、手作業での丁寧な管理が求められるため、大量に作ることはできません。UCCの加工技術を駆使しこの発酵プロセスを加えたことで、ハワイコナコーヒー自体が元々持つ豊かな酸味やコクはそのままに、その酸味と調和する形で熟れた果実の風味が感じられるように仕上がりました。
アナエロビコの精製過程の様子。空気に触れないように密閉し無酸素状態にする
その後天日干しで乾燥させる

製品概要
■「UCCハワイコナコーヒー直営農園」について
 UCCは1989年に、アメリカ・ハワイ州最大の面積を誇るハワイ島の西部に位置するコナ地区に直営農園「UCCハワイコナコーヒー直営農園」を開設しました。火山であるフアラライ山の裾野、標高460m付近にあり、現在の農園の総面積は約16ヘクタール(東京ドームの約3.5倍)、植付面積 約9ヘクタール(約18,800本)でハワイコナコーヒーの品質を栽培段階から追求しています。
 本農園では、ハワイコナの伝統的な味を守るため、アラビカ二大品種の一つであり、ハワイの伝統品種でもあるティピカ品種を主に栽培しています。ティピカは病虫害に弱く、一本の木に成る実の量も改良品種と比べると多くなく、生産効率も高くありません。そのため、栽培の難易度が高く、年間の収穫量はわずか4.5トンです。

 農園見学、焙煎体験、収穫体験ツアーを実施するなど観光農園としての役割も担い、併設する売店では、直営農園産かつ農園内で焙煎したコナコーヒーや、オリジナル菓子、グッズも取り揃えています。
■年間収穫量はわずか4.5トン、UCCが直営農園を経営する意義は?
 ●コーヒーの可能性に挑む「UCCハワイコナコーヒー直営農園」での取り組み
 近年コーヒーを取り巻く課題として、気候変動やコーヒー農家の脆弱性などを背景に生産量が減少し、2050年には今までのようにはコーヒーが飲めなくなるかもしれないと危惧されている「コーヒーの2050年問題」があります。
 コーヒー栽培に適した土地が大幅に減少する予想がある一方で、生物多様性の観点から農地開発・拡大は難しく、今ある農地の保護や再生を行うことで(ネイチャーポジティブ)、生産量を増やすことが求められています。
 本農園は、コーヒーの未来を見据えて、新たな価値の創造、気候変動に着目した農法などコーヒーを取り巻く様々な課題に対応したサステナブルな農業を実験的にチャレンジする重要拠点になっています。

 ハワイコナコーヒー直営農園で取り組んでいるサステナブルな取り組みの主な事例は、以下のとおりです。

▼気候変動対策・シェードツリー・・・コーヒーの木は強い日差しに弱いため、シェードツリーと呼ばれる木を植え付けることでコーヒーに対して木陰を作り、直射日光から守りながら健康に育て、生物多様性を促進しています。

・接木(つぎき)・・・一つの木の切断面に高病虫害耐性のある接木苗の植え付けを行い、気候変動がもたらす病虫害に耐性のある木を育成しています。
シェードツリー(左)、接木(右)


▼木のリノベーションによる生産量アップ施策・カットバック・・・地表から30センチ残し木を伐り更新させており、現在の計画では4年サイクルで農園すべての木のカットバックを行っています。

・木の植え替え・・・コーヒーの木のライフサイクルは20年~30年ほどです。農園では持続的に生産できるように、木の植え替えを実施しています。20年で農園の約1.8万本の木がすべて置き換わる計画です。また、ハワイ島の火山活動による溶岩を取り除く大規模な土壌改良も同時に行い、その後苗木の植え付けを行っています。

・育苗(いくびょう)・・・苗木も農園内で作れる環境を整えています。2021年にコーヒーの木の元になる苗を育てる場所である苗床をつくり、農園内で生産できるようにしています。苗作りのスタートはコーヒーチェリー(赤い実)の中から取り出す種を植えることから始まり、幼木のコーヒーは直射日光に弱いため、遮光用メッシュで覆うなどの工夫をしています。
溶岩を取り除き大規模な土壌改良を行う

 さらに循環型農園を目指し、循環型の肥料生成を行っています。コーヒーチェリーの果肉除去の際に発生するチェリースキンや木のカットバッグの際に出る木をチップ化し、肥料として土に戻しています。(有機肥料化)

 このように、気候変動対策や木のリノベーションによる生産量アップ施策、また衛星画像を利用した(衛星リモートセンシング※3)持続可能な農園管理の手法を取り入れ、コーヒーを取り巻く様々な課題に対応した農業を実験的にチャレンジしています。

【日本企業初!GLOBALG.A.P.認証取得】
 かねてよりサステナブルな農園の実現に向け努力を重ねてきた結果、2022年末に、持続可能な生産活動を実践するための国際標準の生産工程マネジメントであるGLOBALG.A.P.認証(以下/GGAP)※4を取得しました。製造業のISO(国際標準規格)の農業版とも呼ばれる厳格な管理が特徴の国際基準の仕組みであり、食品安全・環境保全・労働安全等に配慮し、持続可能な生産を行っていることの証明となります。コーヒー農園としては世界的にも先行事例がほとんどなく、日本企業では初の事例となります。認証で要求される項目を改善していく過程で、良品の生産比率の向上や廃棄物の削減など、様々な効果が得られています。
■実験的取り組みを世界の農園へ  農事調査室の役割
 直営農園を拠点として蓄積したコーヒーづくりのノウハウは、「農事調査室」のメンバーの活動を通じて、世界のコーヒー生産地へと共有されています。「農事調査室」は、「安全でおいしいコーヒーを安定的に供給しつづけること」を目的に、農事支援活動を行う専門部隊として、1999年に開設されました。主に直営農園事業など生産国との協業、品質コンテストなど生産国への支援、そして生産国の魅力を発信するPRなど、様々な活動を行っています。
 年間約3分の1から半分を世界各地のコーヒーの生産地で過ごし、生産者の方々に直接品質改善や栽培方法などをアドバイスすることで「農家の方々の生計」や「森林保全」に寄与する活動を推進しています。

※1 アナエロビコ=「嫌気性発酵」はワインの醸造で使われる手法のことです。密閉して空気に触れさせず、無酸素状態で嫌気性の微生物のみによる発酵で風味を形成します。

※2 精製…収穫したコーヒーの実の外側の部分を取り除き、焙煎前の生豆(なままめ)と呼ばれる状態にする工程のこと。生産地により、水洗式(ウォッシュド)と非水洗式(アンウォッシュド/ドライ)があり、精製方法の違いが味わいにも影響する。

※3 衛星リモートセンシング
衛星に搭載されたセンサで取得された情報を解析することを衛星リモートセンシングといい、この技術を使うと、遠隔地の農作物の品質や生育状態を把握することができます。

※4 GLOBALG.A.P.(グローバルギャップ)
G.A.P.(ギャップ) とは、GOOD(適正な)、AGRICULTURAL(農業の)、PRACTICES(実践)のことです。GLOBALG.A.P.(グローバルギャップ)認証とは、それを証明する国際基準の仕組みを言います。世界120か国以上に普及し、事実上の国際標準となっています。欧米の大手小売をはじめ、最近では日本の小売でもGLOBALG.A.P.などの国際認証を取得した生産者からの仕入れを優先しています。
GLOBALG.A.P.認証は、食品安全、労働環境、環境保全に配慮した「持続的な生産活動」を実践する優良企業に与えられる世界共通ブランド。


関連URL
・UCC公式オンラインストア:
・農事調査、直営農園:
・UCCハワイコナコーヒー直営農園:
・UCCのサステナビリティ(UCCハワイコナコーヒー直営農園):
・UCC Hawaiiホームぺージ:
・UCC Hawaiiオンラインショップ:
・UCCサステナビリティチャレンジNo.31 UCCハワイコナコーヒー直営農園「GLOBALG.A.P.(グローバルギャップ)認証」を取得:
・2024年8月9日発信ニュースリリース(UCCのネイチャーポジティブに対する取り組みについて)
【本件に関する一般のお客さまからのお問い合わせ先】
UCC上島珈琲株式会社 お客様担当
TEL:078-304-8952
WEB:

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