【北野謙 写真展】時間の部屋 2024年9月27日(金)~11月24日(日)【東條會舘写真研究所】

2024.09.18 09:32
株式会社 東條會舘
歴史ある写真館のラボ施設の各フロアにインスタレーションした「未来の部屋」「写真の部屋」「過去の部屋」「現在の部屋」そして「100年後の部屋」という、時間や記憶にまつわる体験的な展示を巡る
「写真を通して未来の他者とコミュケーションしている」- 北野謙アーティストステートメントより

この度、東條會舘写真研究所にて北野謙 写真展「時間の部屋」を開催いたします。

北野謙は、人間の視覚を超えたヴィジョンを写真で表現し続けてきた写真家として広く知られています。本展示「時間の部屋」は、東條會舘が100年以上にわたりお客様と共に紡いできた時間を背景に、ギャラリー東條會舘写真研究所を舞台に開催いたします。建物の各フロアに4つの新作を含め、インスタレーションした様々な「時間の部屋」を、時に鑑賞者自身でイメージを出現させながら巡ることで、過去、現在、未来といった様々な次元が交差し、時空を超えた物語を体験できます。
時の部屋
北野 謙 | Ken Kitano
【会場】東條會舘写真研究所|〒102-0083 東京都千代田区麹町1-6-12
【会期】2024年9月27日(金)-11月24日(日)
【時間】13:00‒19:00
【開館】金・土・日・祝日
【入場料】無料
【問い合わせ先】instagram 
光を集める, 東京都中野区 2016年冬至ー2017年夏至, 北野謙, 2016-2017
未来の他者, N3, 北野謙, 2018

【アーティストステートメント】
一般に写真行為は、写真を「写す」や「撮る」という言葉で語られます。しかし本音を言うと、私はどちらもしっくり来ません。私が一番ピッタリするのは「現れる」です。〈する〉でも〈される〉でもない、過程の中の行為。自分のコントロールする範囲を超えた領域にアクセスすることは、写真の特徴の一つだと思っています。

東條會舘ではこれまで膨大な数の婚礼や家族写真のほか、三島由紀夫の楯の会、昭和天皇、エリザベス女王の写真などの歴史的な写真が「現れ」てきました。写真はたとえ写した人が亡くなった後も、写された人や建物がなくなった後も残ります。つまりあらゆる写真はやがて遺影になるのです。別の言い方をすると、写真は未来に繋がっていると言えます。私たちは写真を通して、未来の他者とコミュニケーションしているのかもしれません。

今回の展示では、建物の各フロアにインスタレーションした「未来の部屋」「写真の部屋」「過去の部屋」「現在の部屋」そして「百年後の部屋」という、時間や記憶にまつわる体験的な展示を巡っていただきます。

相変わらず「今、ここ、私」が過剰に強調され続ける時代です。
しかし思い切って、「今」や「ここ」や「私」の1点に焦点を絞るの「じゃない側」を見てみる。茫漠とした、アンフォーカスの向こう側の世界を、想像しながら、眺めることはできないでしょうか?
【展示会詳細】
6F過去の部屋| 忘れ難い記憶。人から言われた言葉。 日常は支配と被支配の対立に満ちてい ます。哲学者のスピノザは意志を否定 しました。人は意思ではなく意識や無 意識に従って生きていると。意識とは「起きたこと」に対する精神。

5F 百年後の部屋| 100年後の社会や世界はどうなっているでしょうか。今ある暴力はなくなっているでしょうか。インドネシアの西スマトラ州、 ハワイのマウイ島、東京の墨田区、石川県の珠洲市など。作 者が旅して会った様々な人々の肖像と言葉。

3F 写真の部屋| 〈 冬至-夏至〉の約6ヶ月間の長時間露光によって、写真に は無数の太陽の光跡が現れます。そこには数十億年の宇宙の リズムが写る一方で、地上の私たちの営みも写り込みます。

3F 現在の部屋| 太陽から地球にやってくる光と、宇宙から降り注ぐ宇宙放射 線。どちらも今ある私たちの生命に関わる〈外〉からの働きかけです。※日没後は一部鑑賞出来ない作品がございます。

B1F 未来の部屋| 地下にはかつてボイラーや貯水槽があ りました。流れてきた水が溜まり、配 管にはお湯や蒸気が通っていました。 水と熱がビルを循環し、暗室で写真が生まれました。ここでは乳児を撮影した「未来の他者」ほかを展示します。
北野謙(きたのけん)| 写真家。人間の視覚を超えたところに現れるヴィジョンを写真を用いて表現する。世界各地の様々な文化や立場の集団を訪ね、数十人の肖像を暗室で多重露光して1枚の写真に焼き付ける「our face」シリーズでは、これまで世界各地の人々約1万人の他者を撮影。各地にカメラを設置して、太陽を〈冬至―夏至〉の長期間撮影する「光を集める」などの作品がある。国内外で展示会
多数。作品は東京都写真美術館、東京国立近代美術館、J・ポール・ゲティ美術館(アメリカ)など、国内外の美術館にコレクションされている。
【北野謙写真展 特別講座】
北野謙写真展「時間の部屋」に合わせて、写真家の北野謙本人と美術評論家の中尾拓哉氏とによる連続講座を開催します。展示作品を糸口に、講義と参加者による制作と対話を交えた体験的なレクチャーです。

◯スケジュール
1回目:10月11日(金)講義19:00~19:50 + ガラス写真制作19:55~20:45
2回目:10月25日(金)ガラス写真制作19:00~19:50 + 講義19:55~20:45
※両日参加のこと。片方のみ参加はできません。

◯開催場所:東條會舘写真研究所

◯参加費:11,000円(税込/2日分材料費込)

◯詳細/お申し込み 
東條會舘写真研究所について| instgram :
株式会社東條會館は、創業者東條卯作の「幸せを念じて写す」という理念を元に、112年前、麹町に写真スタジオ を開業しました。 現在も創業の地で、写真スタジオTojo Photo Studio、ビューティーサロンMaisonを運営し、お客様の人生の節目のお祝いを総合的に演出しています。展示会場となる「東條會館写真研究所」は、創業当時のモノクロ時代の背景を、今も色濃く残す建物となっ ています。当時は、その名の通り、各階にラボ/研究所が設けられ、感材や印画紙の研究をはじめ、数多くの写真 の現像・プリント・修正作業が、手作業で行われていました。 時は移ろい、デジタル写真が中心となった今日でも、先人たちが残した技術と想いを伝え続けようと、光の粒子を形に残す銀塩写真での撮影をはじめ、ラボ・ギャラリー・ワークショップなどの運営にも力を注いでいます。

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