東京都中央区に本社を構える「人形工房 ふらここ」は、子供が生まれた母親が嬉しくなるような、今まで見たこともないほど可愛い人形を作りたいという想いから、2008年に設立されました。従来の細面の大人顔ではなく、丸みのあるかわいい赤ちゃん顔をした雛人形と五月人形です。
この愛らしい赤ちゃん顔の特徴を活かし、新郎新婦が結婚式で自分の両親にプレゼントする人形を開発することになりました。ではなぜ、人形工房ふらここがブライダル業界に参入したのか、その経緯と現在の進捗また今後の展望について、ご説明致します。
伝統を継承しながらも、現代の暮らしに調和するふらここ独自のデザイン
人形工房ふらここは、小さくかわいい赤ちゃん顔の雛人形や五月人形を人形業界で他社に先駆けて開発し、多くの女性ファンを魅了してきたリーディングカンパニーであり、少子化で節句人形市場が縮小する中でも、創業以来大きな成長を遂げてきました。伝統を継承しつつも、お客様の声を取り入れた“今”に合う独自のデザインが、世代を超えて愛されている理由です。
雛人形は20種類の赤ちゃん顔があり、わが子に似ているお顔を選べることから、多くのお母さまたちから熱い支持を受けてきました。またお顔に合わせて、お着物をはじめ台や屏風、飾りの一つひとつまで、ふらここが独自にスタイリングし、現代の住まいやインテリアに合わせてデザインされているので、お母さまたちから「毎年のひな祭りが待ち遠しくなる!」と高い評価を受けています。
五月人形は、女性が飾りたくなるような優美な鎧兜、わが子に似たお顔が探せる優しい赤ちゃん顔のお人形、また愛らしい鯉のぼりなど、お母さまに喜ばれる商品展開で好評を博しています。
そしてコンパクトでシンプルな設計の中にも、ふらここならではの世界観を表現した五月人形は、お母さまたちから「ずっと飾っていたくなる!」との評判が高く、多くの女性ファンの心を惹きつけてきました。
そんな人形工房ふらここが、親と子の深い絆づくりによりいっそう貢献したいとの想いから、人生の大切なイベントである結婚式で、新郎新婦がご両親にプレゼントする人形として、ブライダル人形の開発に取り組むことになりました。
親と子の深い絆づくりによりいっそう貢献したい。両親へ愛をお返しする結婚式の”親ギフト”に着目
どうしたらもっと親と子の深い絆づくりに貢献できるかと社内で協議を重ねていたとき、ふと話題に上ったのが結婚式の親ギフトです。
現在、結婚式の親ギフト市場は、花束や食料品など消費してしまうと形に残らない贈答品が大半を占めています。長く愛用できて、記念に残る贈答品がほとんどありません。ふらここの雛人形や五月人形は長く飾り続ける人がとても多く、多くのお客様から「ずっと見ていたくなるお人形」と高く評価されているので、長く飾れて記念に残る親ギフトを人形で作ろうという話になり、ブライダル人形の開発に着手することになりました。
ブライダル人形とは、人生の門出に、新郎新婦がご両親の幸せな暮らしを願い、優しい気持ちをこめて贈るお人形。幼い頃に雛人形や五月人形を飾って健やかな成長を祝い、大切に育ててくれたご両親の愛に、愛をお返しするプレゼントにふさわしいお人形です。
入社4年目の社員が開発責任者に。ブライダル人形の開発に込めた思い
そんなブライダル人形の開発責任者として抜擢されたのは、当時はまだ入社4年目の経営企画部経理課社員であった小川 真奈。各部署の予算を組む立場で、製造部や販売部のスタッフとも良好な人間関係を築いていたことから白羽の矢が立てられました。
開発責任者に抜擢された小川
どことなく新郎新婦が幼い頃の姿に似ていて、ご両親にとって、これからの人生を快活に過ごすエネルギーが湧いてくるようなお人形にしたい。そんな思いを胸に商品開発に取り組んだと、小川は当時の思いを語ります。
幼い子どもならではの造形に苦戦。開発期間に3年を要し、ようやく完成
まず最初に手掛けたのは、人形の造形。まだ1歳前後の子どもモデルを募集して、幼い子ども特有のポーズを撮影し、その中から立ち・這い・座りの3つのポーズを選んで、その画像を基に、商品企画課のメンバーと一緒に人形の造形づくりに取り組みました。
ようやくつかまり立ちができるようになったばかりの子供の立ち姿や幼児ならではの這い這い、また可愛く足を投げ出して座る姿を造形に落とし込むのに予想外に苦労してしまいました。
子どもモデルとその画像を基に制作した造形
そして、お顔は雛人形の赤ちゃん顔を3種類選んでリメイクし、お衣装は縁起の良い吉祥文様の織物をオリジナルで制作しました。そして約3年の月日を要して、ブライダル人形がようやく完成。
その後、お顔×お衣装×ポーズ×メッセージの組み合わせを自由に選んで、自分だけの“願い”をこめたオリジナルのお人形が作れるカスタマイズシステムを構築して、ネット販売をスタートしました。
ブライダル人形完成時の社内発表では、全社員を集めて、小川が新商品の説明を行ないましたが、社員全員が期待に胸を膨らませる様子で小川の話に聞き入っていました。
こうして長い年月と苦労の末にようやく完成したブライダル人形も、今では多くの新郎新婦たちから、“子から親に贈る愛のカタチ”として人気を呼んでいます。
お客様から届いた結婚披露宴の記念写真 ※許可を得て掲載
子から親に贈る新しい愛の形。「世界で最も、親と子の深い絆づくりに貢献する」ミッションの実現へ
今まで多くのご家庭に、親から子に贈る愛の形として、雛人形や五月人形を提供して参りましたが、今後は、子から親に贈る愛の形として、ブライダル人形を提供したいと考えています。そして、この取り組みを推進することで、「世界で最も、親と子の深い絆づくりに貢献する」という当社のミッションを実現して参ります。
また、雛人形の起源は平安時代に紫式部が源氏物語を著した頃と言われており、千年を超える長い歴史を有しています。日本には非常に古くから人形に親しむ文化が根付いており、その伝統ある人形文化をブライダル人形という現代に合わせた形で未来に継承していくことは、とても意義深い取り組みであると考えています。
そして、社員29名全員が女性という当社の強みを活かして、女性ならではの優しく繊細な感性で、女性に喜ばれる人形づくりに取り組んでいくことも、伝統を継承しつつ現代に合わせる人形づくりの在り方として、とても有意義なことであると考えています。
当社が総力を結集して開発したこの愛らしくほがらかなブライダル人形を通して、人生の門出を祝う新郎新婦とそのご両親に、より深く温かい親子の絆を育んで戴きたいと考えています。これからの動向にぜひご注目ください。
■ふらここのブライダル人形
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