味の素(株)、東京大学、お茶の水女子大学との共同研究で「電気調味料」の技術を開発

2024.09.10 14:00
味の素株式会社
~世界初、経皮電気刺激を活用して減塩食品の味を調整~ ウェアラブルデバイスを使用したおいしい減塩の実現へ

 味の素株式会社(社長:藤江 太郎 本社:東京都中央区)は、東京大学大学院情報学環、暦本純一研究室・中村裕美特任准教授(現東京都市大学准教授)、お茶の水女子大学SDGs推進研究所・笠松千夏特任教授(現東京家政学院大学特任教授)との共同研究により、経皮電気刺激を活用して食品の味を調整する新しい概念の「電気調味料」を世界で初めて開発しました。「電気調味料」とは、下顎前部および首後部への微弱な電気の刺激で味覚をコントロールする当社が開発した技術そのものを指します。そして今回、経皮電気刺激によって複数の食品の味がより強まることを実証した一連の研究成果が、Hypertension Research誌(※1)に掲載されました。
※1) Springer Nature社より出版されている高血圧領域の臨床および基礎の原著研究論文を中心とした国際学術誌

 塩分の過剰摂取は様々なリスクの原因となる世界的な健康課題であり、世界保健機構(WHO)は、1日当たりの食塩摂取量を5g未満にすることを推奨しています。それに対し、厚生労働省「国民・健康栄養調査」(令和元年)によると、日本人の食塩摂取量(g/日)の平均値は10.1g(男性10.9g、女性9.3g)と過剰摂取しているため、新たな減塩手段が必要とされています。近年、フォークやスプーンなど電気が流れる食器および食品を介して舌に電気刺激を加えることで、食器が口に接触している間の食品の味を増強させる技術が報告されており、液体系食品への活用が始まっています。一方で、当社が開発した経皮電気刺激による技術は、咀嚼・嚥下中でも電気刺激の効果があり、液体系だけでなく固体系食品にも応用が可能です。

 今回の共同研究では、まず塩分濃度が低い食品のモデルとして濃度が0.3%、0.6%の食塩水の塩味増強効果を検証した結果、ともに有意に塩味が強まることを実証しました(※2)。次に、液体や固体、和洋中様々なジャンルの6種の減塩食品について、経皮電気刺激の影響を検証したところ、全てにおいて有意な塩味の増強が確認されました(※3)。また食品によっては、塩味だけでなくうま味や酸味も強まり、かつ風味も変化することが示され、電気刺激は食品の味だけでなく風味にも影響を与えることを実証しました。
※2)経皮電気刺激(aTES)によって0.3%,0.6%食塩水の塩味が有意に増強。Wilcoxon signed-rank test(***P<0.001)
※3)経皮電気刺激(aTES)によって液体・固体、和洋中など特徴が多様な6種の希釈した食品(じゃがいもの冷製ポタージュ、鶏がらスープ、梅がゆ、豚バラ大根、回鍋肉、餃子)いずれの塩味も有意に強まることが確認された。また、梅がゆの酸味、餃子のうま味も有意に強まった。その他、それぞれの食品の特徴的な風味が経皮電気刺激によって増減することが確認された。Wilcoxon signed-rank test(*P<0.05, **P<0.01, ***P<0.001)
 また当社は、本技術をより活用しやすくするためのデバイス仕様を検討し、首または耳に掛けて使用するウェアラブルデバイスのコンセプトを開発しました。本デバイスを食事中に装着することで喫食している食品の塩味を持続的に増強できるため、減塩を必要とする生活者の負担を軽減し、おいしい減塩をサポートすることが可能になります。今後はこのウェアラブルデバイスを活用した新たなサービスの開発を進めていきます。
 当社は「アミノサイエンス(R)で人・社会・地球のWell-beingに貢献する」という志(パーパス)の実現に向けて、2030年までに10億人の健康寿命を延伸することを目指しています。今後は新概念の「電気調味料」を活用し、減塩を必要とする人をはじめとした生活者の食をより豊かにすることで、健康で快適な生活の実現に貢献します。


参考 
Hypertension Research誌掲載論文について
題名:Sensory studies on the taste and flavor perception of food products by anodal
transcutaneous electrical stimulation
著者名:Takumi Funamizu, Ryo Matsumoto, Akane Suzuki, Koichiro Watabe, Hiromi Nakamura,
Chinatsu Kasamatsu
DOI:10.1038/s41440-024-01867-5
リンク:
 味の素グループは、“Eat Well, Live Well.”をコーポレートスローガンに、アミノサイエンス(R)で、人・社会・地球のWell-beingに貢献し、さらなる成長を実現してまいります。
 味の素グループの2023年度の売上高は1兆4,392億円。世界34の国・地域に拠点を置き、商品を販売している国・地域は130以上にのぼります(2024年現在)。詳しくは、
をご覧ください。

あわせて読みたい

【新商品発売のお知らせ】クラフト温泉(R)を配合した新商品 温感ボディシート「湯るまる」を9/10より発売
PR TIMES
様々な機能を発現可能なことから活用が期待される高分子微粒子の最新動向を詳解!月刊機能材料2024年9月号を9月7日に発売!
PR TIMES
あなたの動画を自然に翻訳!「AI動画翻訳くん」とは?
antenna
行き場を失った食材が織り成すハーモニー!急速冷凍でフードロスの削減提案@FOODEX JAPAN in 関西 2024
PR TIMES
ヘルスケアアプリ『4MOON』が協力!テックドクターとあすか製薬、月経に伴う症状に関する共同研究を開始
PR TIMES
ほんのりキラめく光沢インキ「いろもよう 光彩 わらべ」発売
PR TIMES Topics
〈PR〉減塩の強い味方! 話題の塩味やうま味を増強する(※1)スプーン【エレキソルトでおいしく減塩レシピ体験会】レポ
オレンジページ☆デイリー
糖質ケアをしている方の救世主!糖の吸収が穏やかなご飯が炊ける、日本初の炊飯器専用調理料 味の素(株)「白米どうぞ(R)」が発売半年で”累計食数60万食”突破
PR TIMES
寒い季節にぴったりな大人味のチーズタルト「PABLOmini ティラミス」
PR TIMES Topics
「クノール(R) 贅沢野菜(R)」<北海道スイートコーン>今夏採れたてヌーヴォーコーン 10月16日(水)より通販のみで数量限定販売開始
PR TIMES
味の素(株)、“「クノール(R) 贅沢野菜(R)」ヌーヴォー2024解禁式”開催 - 感動的なおいしさに、菊地亜美さん「家族みんなで飲みたい」。年に一度の数量限定スープ、本日発売!
PR TIMES
ロキソニンにまつわる素朴な疑問を薬の作り手が解決! 小さな錠剤に込められた想いとは
antenna
次世代の減塩!調味料『零(ゼロ)シリーズ』10月より2つの新フレーバーが発売決定
PR TIMES
健康とダイエットをサポートしてくれる!簡単でおいしい〝減塩〟焼きびたしレシピ
美人百花
【ツバメヤ】丸く丁寧に手切りしたわらび餅「OYATSUイベント」出店
PR TIMES Topics
ぐしけん 湯種入り【減塩】食パン 発売開始
PR TIMES
新潟加島屋 “初” の減塩商品を発売します
PR TIMES
伝統的な刺し子の技法を使った手芸キットの新作登場
PR TIMES Topics
<味の素(株)「クノール(R) カップスープ」新CM発表会>21代目CMキャラクター・河合優実さんが登場!“日常のシチュエーション”を思い浮かべながらコーンクリーム・ポタージュ・オニオンコンソメの3品種を実食
PR TIMES
音楽で働きやすい空間を提供する可動式ブース「VIE POD」を共同開発
PR TIMES