「コンバーチブル」に「カブリオレ」に「ロードスター」に「オープンカー」! なんと8種類もある屋根空きクルマの呼び方の使い分けを整理した

2024.09.09 17:30
この記事をまとめると
◾️オープンカーはコンバーチブルやロードスターなど呼び名が多い
◾️乗車定員やクルマの特性などで名称に違いが出ている
◾️S660はタルガトップのひとつだが商標の関係でロールトップと呼ばれている
オープンカーの名称と区別の仕方を再確認!
 男A「フォルクスワーゲン ゴルフのコンバーチブル、中古で買おうかと思ってるんだよね」
 男B「いいじゃん。でもさ、ゴルフのオープンカーはコンバーチブルじゃなくて、カブリオまたはカブリオレっていう車名なんだよね。ドイツ車の4座オープンカーは『カブリオレ』と名付けられる場合がほとんどかな」
 男A「ふーん、そうなんだ。あ、そういえばミニのカブリオレ? の中古車にも興味あるんだけど、どう思う?」
 男B「ミニは『コンバーチブル』ね。ドイツ車だけど」
 男A「……」
  このような会話が、日本のどこかでされているかどうかは知らないが、いずれにせよ「オープンカーの呼び名」はややこしい。上記のように「カブリオレ」があったり「コンバーチブル」があったり、はたまた「ロードスター」もあれば「スピードスター」もある。さらには「スパイダー」「ドロップヘッドクーペ」などのよくわからない呼び名もあるということで、「もう何がなんだかわかんねぇよ!」と頭を掻きむしっている人もいるのかもしれない。
  そんな人に向けて本稿では「オープンカーの呼び名各種」について、いま一度整理してみることとしたい。
●呼び名その1「オープンカー」
→和製英語 「屋根を開けられるクルマ全般」のことを、日本ではとりあえず「オープンカー」と呼ぶのが一般的。ただし、これは和製英語であるため、海外で「This is an open car」とかいってもたぶん通じない。
●呼び名その2「カブリオレ(またはカブリオ)」
→主に独・仏車の4人乗りオープンカー カブリオレ(cabriolet)とは、もともとは19世紀にフランスで考案された、折りたたみ式の幌が付いた軽量・軽装の馬車のこと。現在では主にフランス車またはドイツ車の、折りたたみ式ルーフを備えた4人乗りオープンカーに対して使われている。
●呼び名その3「コンバーチブル」
→主に米国・英国車の4人乗りオープンカー(※ふたり乗りの場合も) 意味合いや形状としてはカブリオレとほぼ同じだが、アメリカや英国など英語圏の国の4人乗りオープンカーは、カブリオレではなく「コンバーチブル」と名乗る場合が多い。コンバーチブル(convertible)とは、「転換可能な」というような意味の英語だ。
●呼び名その4「ロードスター」
→スポーツタイプのふたり乗りオープンカー ロードスター(roadster)とは、もともとは「覆い(幌)のない、ひとりまたはふたり乗りで1頭立ての、そしてドアも省略した軽装2輪馬車」を意味する英語。現代では、軽量化を最優先したスポーツ志向の強いふたり乗りオープンカーが「ロードスター」と名乗る場合が多い。
クルマの特性や風格だったりする
●呼び名その5「スパイダー」
→主にイタリア車のスポーツタイプのふたり乗りオープンカー 形状と意味合いは上記の「ロードスター」とほぼ同じだが、イタリア車はロードスターではなく「スパイダー(spiderまたはspyder)」と名乗ることが多い。
  語源は「地を這うような低いフォルムが蜘蛛を連想させた」「いや、幌の骨が蜘蛛の足みたいに見えたからだ」「いやいや、“スピードスター”がイタリア風に訛ったものだ」などの諸説があるが、正確なところは、いまとなっては不明である。
●呼び名その6「スピードスター」
→ロードスター以上にスポーティでスパルタンなふたり乗りオープンカー スピードスター(speedster)とは、speed(速度)+ster(~する人、~な人)ということで「高速な乗りもの」「俊足の人」「スピード狂」を意味する英語。オープンカーにおいては、ふたり乗りのスポーツタイプである「ロードスター」と似ているが、より装備が簡略化され、より軽量化も行われているガチなロードスタータイプのオープンカーが「スピードスター」を名乗ることが多い。
●呼び名その7「ドロップヘッドクーペ」
→カブリオレ/コンバーチブルの英国的な呼び方 カブリオレあるいはコンバーチブルなどの「快適性もあるオープンカー」の、英国式の呼び方。現在ではドロップヘッドクーペを自称する英国製オープンカーも少ないが、ロールスロイスはいまでも、古式ゆかしい「ドロップヘッドクーペ」という呼び方を採用している。
●呼び方その8「タルガトップ」
→ハードトップルーフのみ脱着可能なセミオープンカー ルーフ部分のパネルだけを外すことができるセミオープンカーのこと。そういったルーフ構造のクルマはもともとたくさんあったが、1966年から1970年まで、イタリアのタルガ・フローリオというレースで5年連続優勝を飾ったポルシェ911のセミオープン仕様が「タルガ」を名乗ったことで、この呼び方が定着した。
  だが、のちにポルシェが「タルガ」という言葉を商標登録したため、他メーカーはこの呼び方を使うことができない。ホンダのS660もルーフ構造的にはタルガトップの一種だが、ホンダは「ロールトップ」と呼んでいた。
  ということで、以上「オープンカーの呼び名各種」をいま一度整理してみた。とくに何かの役に立つという豆知識でもないが、何らかのタイミングでお役立ていただけたなら幸いである。

あわせて読みたい

「ミニ・クーパー・コンバーチブル」変わらぬ魅力
東洋経済オンライン
第898回:「しくじりフィアット」から学ぶもの[マッキナ あらモーダ!]
webCG
フルーツや野菜の自然の甘みを活かしたスムージー2種発売
PR TIMES Topics
フォルクスワーゲン・ゴルフ・カブリオレ(FF/7AT)ソフトトップという意外性
RESENSE
オートモビルカウンシル2025で見つけた1980〜90年代を彩った名車たち
&GP
【数量限定】アウトドアシーンで活躍する合成香料フリーのオーガニックボディスプレー発売
PR TIMES Topics
「世界一美しい」と評された4座ドロップヘッドクーペも!オートモビル カウンシル2025に明治産業がアルヴィスを5台展示
octane.jp
MINIクーパー コンバーチブルS(FF/7AT)【海外試乗記】
webCG
【F CHOCOLAT】ストロベリー味のショコラタブレット新発売
PR TIMES Topics
電動ソフトトップの4人乗り! フルモデルチェンジしたミニの人気車種「コンバーチブル」はグッと魅力的に
&GP
【スクープ】超絶カッコイイBMWの激レアモデル「スカイトップ」量産型をニュルでキャッチ! 限定50台はすでに完売でお値段は2億超え?
CARSMEET WEB
【マツダ・ロードスター4世代】屋根を開ければ人生が終わる?だが中年オジサンはこれでいいのだ!
FORZA STYLE
メルセデス・ベンツCLK350カブリオレ(FR/7AT)寡黙だが、指名すれば佳良
RESENSE
レクサスLC500コンバーチブル(FR/10AT)【試乗記】
webCG
オープンエアで味わうV8のスリル|新型ヴァンテージに待望のロードスターが登場!
octane.jp
春一番のバルセロナを駆け抜ける! コパーグレーの「MINIクーパー コンバーチブルS」
CARSMEET WEB
70年代テイストの1500台限定車、ポルシェ911スピリット70が受注開始に
ENGINE Web