企業の電話応対を改革するAIボイスボット「commubo」-導入前のお客様に寄り添う伴走支援について担当者が語る【前編】

2024.09.06 11:30
ソフトフロントジャパンは、音声処理とリアルタイム処理技術に強みを持ち、リアルタイムコミュニケーションを実現する製品やサービスを開発・販売している企業です。
その強みを生かし、最近では人との自然な会話を実現するクラウド型ロボットシステム(=AIボイスボット)を開発・提供し、コンタクトセンターを中心とした企業の電話応対業務の自動化に貢献しています。


AIボイスボットは、コンタクトセンターでの導入率はまだ8.2%と*1、まだまだ新しいテクノロジーの印象がありますが、当社は2018年からAIボイスボット「commubo(コミュボ)」を提供しており、その契約継続率は96.4%*2と、多くのお客様に評価をいただき、長くご利用いただいています。
*1:コールセンター白書2023 P89、導入しているITソリューションより
*2:過去3年間の顧客継続の割合


この高い契約継続率の理由の一つに、「サポートの手厚さ」があるとお客様の声をいただいています。そこで“お客様の安心”をキーワードとする、お客様との窓口を務めるチームメンバーに詳しく話を聞きました。
前編ではお客様との商談開始から本契約までの「ボイスボットを導入する」伴走支援を、後編では契約後のサポートや業務拡張などの「ボイスボットを育てる」伴走支援を、導入の前後でどのようにお客様へ寄り添いサポートしているのか、その背景や取り組みの裏側について、それぞれの担当が語ります。
電話応対業務の自動化を実現するAIボイスボット
ボイスボットは、AIや音声認識・自然言語処理などの技術を利用し、自動での電話対応を実現するシステムで、設定したシナリオに基づき、相手の発話内容を理解・判断して応対を行うことができます。代表電話、予約受付、督促業務など、コールセンターを中心とした電話業務の様々な現場で採用いただいています。
当社のcommuboは、高いカスタマイズ性を持つため複雑な電話応対業務にも対応でき、かつ専門知識不要で操作できるUI(下記図)で、お客様ご自身が簡単&スピーディにPDCAを回して自走ができるため、即時成果を出せるボイスボットとして高く評価をいただいています。
ボイスボットという新しいテクノロジーへの期待の裏にある、お客様の不安や迷いに気づく
―「commuboの伴走支援は営業時から始まっている」ということで、前編は営業責任者の前田さんから話を伺います。まずは、この言葉の意味から教えていただけますか?


我々は2018年にcommuboをリリースし、販売から5年以上たっていますが、ボイスボットは現在でも“新しいテクノロジー”として、様々なイメージや導入に対する不安を持ってお問合せをいただきます。
我々は営業としてそういった不安を払拭できるよう、ご契約の前からお客様に寄り添い、導入までのプロセスを伴走し、一緒に電話応対業務の自動化を実現していくよう心掛けています。


―その「導入前の不安を払拭するための伴走支援」を意識するまでには、どんな経緯があったのでしょうか?


販売当初はカスタマーサクセスというポジション自体がなかったため、導入後も営業が窓口を務めていたのですが、導入前と導入後で、それぞれよくある“うまくいかないパターン”がありました。


導入前は、お客様がAIのロボットに対して「万能幻想」を抱いていたこと。販売開始当初はボイスボットという言葉すらなかった時代で、SiriやAlexaによるAIのイメージが先行して、「AI=学習して勝手に期待する内容を回答して会話してくれる」、と考える方が非常に多く、何ができるかの前提条件をまず説明する必要がありました。最新技術に注目した上層部からの指示に、現場側が付き合う形も多く、問い合わせは来るが具体的な話は進まず…ということも多かったです。


導入後は導入後で、お客様のご利用が進んでいない、というパターンがありました。せっかくボイスボットを導入しても、実際に活用してもらえなければ成果を感じてもらえないので、これには大変ヒヤヒヤしました。
こちらからお声かけをして、定期的に打合せを行い、状況や今後のお考えなどヒアリングを重ねたところ、お客様自身もどうやって自分たちの業務に適応させていくか、どのように運用状況を評価したらいいかわからなかったとのこと。
一緒にKPIを設定し、徐々に業務を拡大させていき、その結果ありがたいことに、今ではヘビーユーザーの1社になっていただいています。


こういった経験から、ボイスボットを導入検討するお客様は、前述のようなAIへの先行イメージがあったり、自動化したいがボイスボットをどう活用すればいいかわからなかったり…という方が多いことに気づきました。
新しいテクノロジーには期待と同時に不安もありますよね。前例や類似例もあまりないので、そもそも自力で導入するハードルが高い。そういった不安が先だって、導入に踏み切れていない企業も多いのではないかと思います。


ただ気づいたこの時点では、その不安に対して自分たちがどう向き合っていくべきかは、まだ見えていなかったんです。
パートナー企業から学んだ見える化の重要性、お客様の不安解消へつなげる伴走支援の確立へ
―お客様の向き合い方について変えていく、何か転機となるポイントはあったのでしょうか?


パートナー企業さんから学ばせていただくことが非常に多くて、思い返すと転機は2回ありました。


1回目はコンサルタント企業さん。導入企業さんの間に入って業務の整理をしていただいたんですが、「全体としてどのようなコール業務があるのか」「ボイスボットはどういう業務に向いているか」「KPIをどうするか」など、ベースとなるべき議論からゴール設定まで、導入までに検討が必要な項目とフェーズなどを絵に描いて、議論を進めていました。
それまでは、「この業務にボイスボット使いたいけど可能ですか」という問いをいただき、その問いに対してYES/NOに議論が終始してしまい、まずはPoC(Proof of Concept:概念実証)をやってみる…、というような場当たり的な対応になっていたため、この上から俯瞰した、物の見方・整理の仕方が大変参考になりました。


2回目はコンタクトセンターBPOさん。コンサル企業同様に先を見据え、見える化してお客様に提示をすることもそうなのですが、それに加えコンタクトセンターにおける業務理解が深いことで、ここでは視野が広い物の見方と進め方が大変参考になりました。
お客様の業務全体像が見えているので、コンタクトセンターのコミュニケーションツールの適切な配分や、センターの目指したいゴールを踏まえ、その中でボイスボットの立ち位置をお客様にご提案しているんです。


例えば、我々はどうしてもボイスボット「を」導入することに注視してしまうので、他のツールがあると比較してどちらかを選択しがちです。でも全体が見えていると、まずはチャットやIVRを活用して問い合わせ内容を絞り、その先をボイスボットが対応するなど、うまくツールを使い分けすることができる。そして少しずつ稼働状況を見ながら、ボイスボットの対応業務を拡大させていました。


そしてどちらも共通していたのは、導入時もプロセスを整理し、見える化すること。数値を見ながら改善提案をして、次の段階に生かしていくこと。そうすることでお客様は安心して第一歩を踏み出せるし、先が見えているので失敗も反省として次に生かすことができる。そのようにお客様の不安を解消するために、我々も道筋を整理していこうと決めました。


さらにその上で、我々にしかできない部分、システムベンダとしてのロボットの開発知識や、様々なボイスボット案件に携わった業務経験、手を動かせることも活かして、お客様の不安をなくしていこう!ということで、今のスタイルに繋がっていったと思います。
導入担当者を支える!社内導入を成功させるための見える化とプロセス支援
―色んな方々とボイスボット導入を進めていく中で、「安心してボイスボットを導入してもらう」ための提案経験をこれまで積み重ねてきたわけですね。


そうですね、これは提案からご契約までの商談の話だけに限らず、具体的なサポート内容としても、当社は手厚くご用意をしています。


例えば、commuboの機能をお試しいただく無償トライアルでは、トライアル期間中に最低3回打合せを設定して、使い方説明だけでなく、お客様からのフィードバックをいただく時間や、不明点を解消する時間をご用意し、トライアル中もサポートを実感いただけるようにしています。
そのほか業務立ち上げ時には、シナリオの初期制作やチューニングのサポート、ボイスボットの効果的な使い方のアドバイス(詳細は後編にて)など、細かなお困りごとにも対応できる体制をご用意しています。


―ツールの使い方のサポートも充実しているんですね。ほか、前田さん個人として意識していることは、ありますか?


最近は、「導入担当者さんがどうやったら社内で導入をスムーズに進められるか」をサポートすることが大事だな、と考えるようになりました。
現場の担当者さんとお話していると、システム導入など、組織全体での新しいチャレンジを進める機会があまりなかった方が多く、いざ導入したいとなっても「どんな手続きを踏めばいいのかがわからない」という声も耳にします。


そういった方には、チャートを作り、お話を聞きながらスタートからゴールまでのプロセスを一緒に埋めていきます。そうするとお互いプロセスが可視化されて、「このタイミングで役員会が必要かも」、「チェックシートを準備した方がよさそう」など、お客様が準備することの解像度が上がっていって、一緒に進んでいくべきプロセスが見えてきます。その中で我々も必要な資料を作成したり、アドバイスをお渡しして支援するようにしています。


少し前までは、前段でお話した業務理解や、その業務をcommuboでどう解決していくかを考えるのに注力しすぎてしまっており、そうすると、現場の担当者さんとは話は進むけど、決裁のタイミングで話がひっくり返ってしまう、なんてこともありました。そういった失敗も重ねていき、お客様の真の不安に気づくことができたと思います。


―ボイスボットという比較的新しいテクノロジーだからこそ、そういった“わからない”こともありそうですし、その不安に寄り添ってもらえるのは、安心しますね。


新しいチャレンジをする担当者さんはプレッシャーを抱えていると思うので、我々もそこを理解したうえで、「一緒にプロセスを進めていきましょう」という姿勢をお伝えしていきたいと思っています。そういう意味では、向き合い方を考えた結果、向き合うのではなく”寄り添う”という表現がしっくりきます。


―新しいテクノロジー、そして新しいチャレンジだからこそ持つ、お客様の不安を解消し、安心して導入いただくため、営業時から行う伴走支援。
ですが、お客様にとっては導入をしてからが本当のスタート。導入後はどの様にcommuboチームは伴走していくのか、後編にてお伝えしていきます。


commubo:開発編のストーリーはこちら
【commuboに関するお問合せ】
株式会社ソフトフロントジャパン
TEL:03-6550-9930
E-mail:

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