この記事をまとめると
■日本には数多くの自動車メーカーが存在する
■それぞれのファンの主張や想いを紹介
■個性的かつハイパフォーマンスで安定したクルマを選べる日本はクルマ好きにとって天国だ
各国産メーカーのファンが秘めている想い
プロ野球チーム、サッカーチーム、アイドルグループなどなど。「推し」のチームやグループがあるという方も少なくないはず。そして、自動車メーカーも然り。オーナーインタビューなどの取材で、ときどき一貫して「このメーカー以外のクルマは買わない」といった強い意志と決意を持つ方に出会います。こちらが質問を投げかける前に、エンドレスで魅力を語ってくれます(笑)。
では、それぞれの日本車メーカーを信仰している方たちの熱い主張をまとめてみました。
●トヨタ車推しの主張
かつては「80点主義」なんて皮肉られた時代もあったトヨタ。しかし近年は、GRヤリスをはじめとする豊田章男会長のクルマ作りに対する想いに共感するユーザーも増えてきました。クルマ好きだけでなく、一般ユーザーの方を取材していても「かゆいところに手が届くクルマ作りはトヨタにしかできない。それとめちゃくちゃタフ!」と、その品質の高さ耐久性、細部にいたる配慮を高く評価しています。
●日産車推しの主張
「日産車といえばスカイライン、フェアレディZ、ブルーバード、シルビア、180SX、シーマ、レパード、セドリック&グロリアなど……。特定のモデルに強い想い入れをもつユーザーが多いことも特徴です。デザインやモデル・グレードなどのネーミングセンス、さらに西部警察やあぶない刑事といった名作刑事ドラマの劇用車にも起用されるなど、日産車ならではの「男心をくすぐるうまさ」に魅力を感じているという声も。
●ホンダ車推しの主張
ホンダの原点でもある本田宗一郎や藤沢武夫にシンパシーを感じたり、F1や鈴鹿8耐などのモータースポーツにおける活躍、さらには初代NSXでデビューした「タイプR」シリーズへの想い入れなどなど。「ほかの自動車メーカーでは決して味わえない、ホンダ車ならではの世界感やクルマ作り」に魅力を感じているといった自他ともに認めるホンダ党の意見も。
●マツダ車推しの主張
往年のファンであれば「マツダといえばロータリーエンジン」であり、近年では全モデルに共通する「洗練されたデザイン」に魅力を感じている模様。さらにマツダには「ロードスター」という、世界に誇れる名車が存在します。イベントなどを通じて、ユーザーの声に真摯に耳を傾けるメーカーの姿勢に魅力を感じているというロードスターオーナーの意見も聞かれます。
●三菱車推しの主張
ランサーターボやギャランVR-4、歴代のランサーエボリューションシリーズといった、2リッター以下のハイパワーエンジンを搭載したモデルなど、生産終了から時間が経過した現在でも、無骨なクルマ作りに魅力を感じている根強いファンがいます。その一方で、デリカやパジェロのようなアウトドア志向のモデルも人気。とくに歴代デリカのディープなオーナーたちを表す「デリカ族」といった言葉があるほど。
●スバル車推しの主張
スバルといえば「スバリスト」。そしてスバル車の魅力といえば「水平対向エンジン」と「AWD」。他メーカーへの代替率がもっとも低いのがスバル車オーナーといった説があるほど、1度「スバル沼」にハマるとなかなか抜け出せないのもスバル愛の為せる業でしょう。また水平対向エンジン独得のエンジンサウンドを楽しむため、あえて運転中はオーディオのスイッチをオフにするスバリストもいるほど。
●スズキ車推しの主張
国内自動車メーカーのなかではもっとも歴史の長い企業といえばスズキ。ジムニー、エブリイ、ワゴンR、キャリイ、スイフトなど、さまざまなジャンルのモデルに熱心なファンがいるのは知ってのとおり。そしてスズキの魅力といえば「良心的な価格」。原材料の高騰や安全装備などの追加などの要因が重なったとはいえ、クルマの価格は年々高くなるいっぽう。そのなかでスズキの車両本体価格は安いとすら思えてしまうほど。
●ダイハツ車推しの主張
トールやロッキーといったコンパクトカーをはじめ、ミライースやタント、ムーヴキャンパスなどの軽自動車といった実用性の高いモデルが魅力のダイハツ。そして、軽自動車としては唯一となった2シーター、オープンスポーツカーである「コペン」の生産も続けられています。商用車のアトレーやハイゼットといった、生活に密着した、使い勝手のよさを高く評価するユーザーも。
●光岡車推しの主張
トヨタや日産、マツダのクルマをベースに改造を施し、独自のデザイン路線を貫く光岡自動車。クルマに詳しくない人が見たらかなりの確率で輸入車と見間違えてしまいそうな、どこかクラシカルで愛嬌のあるフロントマスク、それでいてベース車両は日本車という安心感が魅力。光岡自動車のクルマでしか味わえないデザインに一目惚れして「指名買い」するユーザーが多いことも特徴。
まとめ:推しメーカーがあるというシアワセ
そのときの流行りや値引きなどの条件面でメーカーやクルマを選んでしまうユーザーがいる一方で、頑なに「このメーカーのモデルしか買わない」といったポリシーをもつ人もいます。連日の猛暑のなか、エアコン全開で渋滞に巻き込まれてもオーバーヒートの兆候すら見せません。機械としてはかなり過酷な状況に置かれているにもかかわらず、それを当然のように、しかもほぼ確実に成し遂げてしまう(整備不良のクルマは除いて)。この当たり前のことってじつはすごいこと、なんですよね。
そんな状況でも淡々と乗れてしまう日本車のタフネスさ、機械としての優秀さは日本人としてもっと誇ってもいいのではないかという気がしています。「機械として極めて優秀な日本車のなかで、さらに推しが選べる贅沢と幸せ」。我々はかなり恵まれた環境ではないでしょうか。