建築遺産の活用に尽力する株式会社kessaku(ケッサク)。日本の建築継承文化を醸成すべく創業した背景

2024.08.01 16:00
#建築遺産 #建築継承 #地方創生 #創業ストーリー


株式会社kessaku(ケッサク)は、建築遺産といわれる歴史的・文化的に高い価値を持つ建物を複数人で継承し、自分の別邸として利用することができるプラットフォームの開発と運営を行っています。
個人が継承するには、土地・建物の取得や大がかりな修繕など、金銭的負担や手間が多く、これまで一部の富裕層にのみ開かれていた建築遺産の継承と利用の間口を、権利の小口化と共同継承によって広げることで、国内外、さまざまな人々を巻き込むことで建物のファンコミュニティを拡大し、地方創生にも貢献する仕組みです。
今回はkessakuの創業に至った背景を紹介します。
修繕・管理の煩雑さから多くの建築遺産が「空き家化」
現在、多くの歴史的・文化的価値のある貴重な建築物の数々が、次の世代へ継承されることなく静かに姿を消しつつあります。
有形文化財に登録されているものだけを見ても、ここ数年で200近くの建物が解体されています。その多くは個人所有の状態で、築年数が経過していることもあり、管理や修繕が課題となってうまく活かされていないのが現状です。特に欧米と比べると、日本では建築遺産の活用が進んでおらず、多くは空き家化しています。


有形文化財に登録されている建物の解体件数推移
一方で、インバウンド観光客における歴史的価値のある建物での宿泊ニーズは非常に高く、日本政策投資銀行の試算によると約7,400棟不足しているとされています。また、年に数回訪日するインバウンド旅行者も年々増えており、こうした歴史的価値のある建物の購入ニーズも増加しています。
同じ地域、年代、規模の建物でも、国内の空き家バンクでは数百万円で取引されている一方、しっかりと復元・改修を経た上で海外の不動産マーケットでは数倍〜数十倍の価格で取引されるケースも散見されます。
日本ならではの原風景と地域の特色を色濃く残した建築のニーズはとても高く、国内の建築遺産は日本がまだ活用しきれていない最大の資産であると感じています。
新築志向が高い日本。建築継承の文化を日本でも定着させるべく創業へ
代表の藤井は、幼少期から青年期を欧州で過ごした後、さまざまな業界、ジャンルのデザイン業務に従事してきました。国内外を行き来する中で、印象に残ったのは、欧州各国で見た建物と人が長きに渡って共存する生活と、絶えずスクラップ&ビルドを繰り返す日本とのギャップです。
日本ではまだまだ建物は減価償却するものという認識が根強く、新築志向が高い傾向があります。古い建物ゆえの保全や日々のメンテナンス、大規模な修繕計画の作成や施工、そして、天災のリスクなど、建物の継続的な維持には、金銭的負担と手間がかかり、個人で賄うにはハードルが高いことも原因です。
一方、欧米では、建物は修繕をしながら何百年とともに暮らし続けるのが一般的です。古い建物を大切にしながら現代の生活に適応させていくスタイルを日本でも定着させ、唯一無二の建築遺産が持つ歴史や文化的な価値が再評価され、次世代に受け継がれていく社会を実現するため、kessakuの創業に至りました。
今後のさらなる事業成長を目指して
建物の継承活動を進める中で、私たちが直面する最大の課題の一つは建築遺産を「探し出す」ことです。価値のある建物が空き家となっても、その情報がなかなか表に出てこないため、発見自体が困難です。また、継承のための修復や保全に対応できる熟練した職人の数が減少していることも大きな課題です。
幸運にも、私たちの取り組みに、芸術やデザインに関するメディア、及びイベント主催者が関心を持っていただき、積極的に取り上げてくれたおかげで、顧客基盤や関係事業者との連携を増やすことができました。建築遺産の保存と活用の取り組みを、国内外のより多くの人々に知ってもらうことで、事業のさらなる成長に向け活動をさらに推進してまいります。
株式会社kessakuについて
kessakuは、国内外に点在する歴史的・文化的に高い価値を持つ建築遺産の共同継承プラットフォームを開発・運営しています。
建築、デザイン、ITに強みを持つチームが、建物の所有者、自治体、保全団体等の皆さまと連携しながら、価値ある建物を引き継ぎ、後世に残していくための取り組みを推進しています。
これまでハードルの高かった建物の継承に、小口化・共同所有という考え方を取り入れることで、建物のファンコミュニティを拡大し、多くの人を巻き込みながら、歴史を紡いできた建物が愛され続ける社会の実現を目指します。
kessakuについての詳細は 
 をご覧ください。
提供サービス「kessaku」
kessakuは、歴史的・文化的価値のある建築物の継承に1/365口から誰でも気軽に参加できる、建築遺産の共同継承プラットフォームです。
建物ごとに365口のオーナー権が発行され、後世に残していきたい建物のオーナー権を購入することで、継承に参加することができます。
オーナー権を保有する期間中は、オーナー権1口につき年1泊の建物の宿泊利用権が毎年付与され、建物を別邸として利用できます。
建物の保全、メンテナンスはkessakuがすべて行うため、大きな手間や負担なく建物の継承に参加することが可能です。
2024年8月には、江戸時代に旧山陽道の宿場町として栄え、当時の面影を色濃く残す岡山県矢掛町の中心地に佇む築約100年の建物を、12月には昔ながらの田園風景を残す富山県砺波平野に佇むマエナガレ様式の建物を販売開始予定です。


事前登録、お問い合わせは下記より。
ウェブサイト:
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