これでいいのか日本! 道路も橋もトンネルもボロボロで「改修が必要」とされても放置されてる場所だらけだった

2024.07.27 11:40
この記事をまとめると
■日本の道路舗装率は令和2年現在で約82.5%に達している
■全国の橋梁やトンネルの老朽化が目立っているがなかなか修繕が追いついていない
■今後のためにも国政の基盤を早急に見直す必要もある
日本の道路はどこもかしこもボロボロ……
  国内の道路の舗装率は、令和2年(2022年)現在で約82.5%に達する。このうち、一般国道に限ると99.5%となり、日本の道路がいかに全国的に整備されているかを知ることができる。
  一方、老朽化も進んでいる。2010年に中央道で起きた笹子トンネルの天井崩落事故をきっかけに、国土交通省は、5年に一度の頻度で全国の道路の点検を義務付けた。
  その結果、老朽化により改修が必要な橋梁が全国で3万カ所以上、トンネルは1000カ所以上あることがわかった。全国の橋梁とトンネルは70万カ所以上あるといわれるので、改修すべき比率はわずか5%以下である。とはいえ、そこを日々クルマや人が通っているのであり、早急な対策が不可欠だ。
  手をこまねいているわけではないが、未着手となっている最大の理由は、予算不足にある。大都市への人口集中と、地方の過疎化という両極端な状況により、自治体が管理する道路、橋梁やトンネルの改修に手を付けられずにいる地域がある。
  継続的な維持管理であれば、各市町村などが自前でできる。しかし、たとえば橋の架け替えともなると、維持管理の10倍近い予算が見込まれ、とても手が出ないというのが実態だ。
  ではどうするか?
  手っ取り早いのは、橋やトンネルを通行止めにしたり、撤去したりする。とはいえ、そういった手段を取れば当然ながら移動が制約され、生活に支障を生じたり(隣町へ行けないなど)、遠まわりすることで移動に余計な時間を要したりすることになる。
  この問題は、単に道路の課題だけでなく、人口密集と過疎の地域差が背景にある。管轄官庁が点検や回収の指示を出せば解決するほど単純ではない。国のある姿を根本的に見直すときが来ているといえるのではないか。
  たとえば道州制のような施策により、地方色を活かしながら発展を視野に入れた独自政策を実施できるようにする改革も再考すべきではないか。県単位での地方創成では、規模や予算に限界がある。あるいは局所だけの繁栄に終わってしまう。
  令和2年(2020年)の東京都の地方税と、長崎県のそれを比較すると、長崎県は半分以下だ。もちろん、人口の差があるので、この比較は人口ひとりあたりの指数による。ちなみに大阪府でさえ、東京の65%ほどでしかない。
  そうはいっても、道路や橋は同じように老朽化する。県や市町村の力だけで解決するのは難しく、道州制のような規模を持つことで、地域の実情を反映しながら、大きな財政力を活かし、重要課題の解決に取り組まなければ、地域差はさらに拡大の一途をたどり、過疎化はより進み、移動の制限によって住めない地域が増加せざるを得ない。
  人は生きるために、「衣食住」が必要といわれるが、現代は、これに「移動」の自由がなければ成り立たない。
  単にクルマや道路の課題にとどまらず、日本が人口減少していく先の国のあるべき姿と、国民ひとりひとりが等しく快適に住める住環境を整備するため、国政の基盤を見直すことが差し迫っているのではないか。対処療法では、もはや立ち行かないのである。

あわせて読みたい

【社内外のブレーン】になる!新しいコンサルティングの形
antenna*
1億200万画素カメラ+ドローンでインフラ点検を支援 ミラーレスデジタルカメラ「GFX100シリーズ」をドローン搭載時に遠隔操作するためのLinux版SDKを開発
PR TIMES
学校給食からパンが消える? 設備ひとつで味が変わることも……令和の給食室が抱える厳しい現実
コクリコ[cocreco]
ほどよい塩味に甘いはちみつソースが絶妙なバランス「こだわりの濃厚チーズケーキ」発売
PR TIMES Topics
「最大震度3」で「死ぬかと思った」…東京を襲った「2004年の地震」の意外な恐怖
現代ビジネス
JTBの小豆島エリア開発事業第一弾として、シェアサイクル「ダイチャリ」専用車両を160台導入
PR TIMES
生ドーナツ専門店「KADO MARU donuts」JR町田駅前にグランドオープン
PR TIMES Topics
橋や高架道路での渋滞中に地震でもないのに「グラグラ」とした揺れ! 不安になる「揺れ」の正体とは?
WEB CARTOP
向かい合う双方のトンネル。真っ暗な第二愛宕トンネルを行く。JR吾妻線の前身、旧長野原線をめぐる<中編>
さんたつ by 散歩の達人
ソーダ専門店 SODA BAR シーズンドリンク「巨峰ソーダ」発売
PR TIMES Topics
蒸し暑い真夏のひととき、霧も出る漆黒のトンネルへ。JR吾妻線の前身、旧長野原線をめぐる【前編】 
さんたつ by 散歩の達人
「きかんしゃトーマス号」の大井川鐵道、倒産危機を乗り越えた前社長が「最後の日」に語ったこと - “課題先進鉄道”大井川鐵道の苦闘
ダイヤモンド・オンライン
【SPECIAL】“LE LABO” City Exclusive Collection
Lula JAPAN
中央本線の線路付け替え区間を陸路と空撮写真で追う【後編】信濃境〜富士見間・立場川橋梁の雄姿に見とれる
さんたつ by 散歩の達人
日本「少子高齢化」が怖すぎる…「練馬・足立・葛飾・杉並・北区」で4人に1人が高齢者の未来
現代ビジネス
八ッ場ダムに水没した吾妻線の旧線をそっと遠くから見つめる。生まれ変わった遺構にレールバイクも
さんたつ by 散歩の達人
橋梁DXソリューションをリリース
PR TIMES
「巨大地震」がいよいよやってくる…東京で「出火危険度」が高い「具体的なエリア」
現代ビジネス
前経営陣完全撤退!夏に老朽化した校舎の環境整備!生徒支援のクラウドファンディング
CAMPFIRE