イギリスに数多あるバックヤードビルダーのなかでも一歩抜きんでた「ノーブル」! 最近話を聞かないと思ったら元気に活動していた

2024.07.25 17:30
この記事をまとめると
■一時は日本にも正規輸入された「ノーブル」はリー・ノーブルが設立したスポーツカーメーカーだ
■ノーブルは1999年から2004年にかけて「M10」「M12 GTO バイターボ」「M400」を発表・発売
■ノーブルは2006年に会社が売却され、それ以降は「M15」「M500」を発表している
最新の話題が聞こえてこない「ノーブル」
  イギリスには、バックヤードビルダーと呼ばれる小規模なメーカーを含めれば、この日本では正確には把握できないほどに多くのスポーツカーメーカーが存在する。ここで紹介するノーブル・オートモーティブ社は一時、日本への正規輸入が行われていたこともあり、その知名度はバックヤードビルダーほどに小さくはないが、これまでの歴史や最新作の話題は、残念ながらほとんど伝わってこないというのが正直なところ。
  そこで今回は、このノーブル・オートモーティブ、通称ノーブルの歴史と作品を、簡単に振り返っていくことにしようと思う。
  ノーブルは1999年にカーデザイナーでありエンジニアのリー・ノーブルによって、イングランドのウエスト・ヨークシャー州リーズに設立されたスポーツカーメーカーだ。
  彼が市場に送り出したかったのは、高性能なエンジンをリヤミッドに搭載する後輪駆動車。すなわちスポーツカーとしてはもっとも魅力的ともいえるパワートレインレイアウトをもつモデルで、実際に1999年にはコンバーチブルの2.5リッター自然吸気仕様の「M10」が、また翌2000年にはその進化型ともいえるフォードのV型6気筒ターボエンジンをツインターボ仕様にコンバートした「M12 GTO バイターボ」が、2.5リッターと3リッターの両仕様で(3リッターモデルのGTO-3にはさらに軽量版の「R」も設定されていた)登場。
  もっとも人気の高かった3リッターのM12 GTO バイターボRは、165台のセールスを記録したとされる。
  このM12シリーズの究極作といえるのが、2004年に発表された「M400」だ。このネーミングが意味するところは、車重1トンあたりの馬力が400馬力以上にも達していることで、実際の数字は431馬力。0-97km/h加速は、当時のテストデータによれば2.97秒。最高速は325km/hに達したというのがノーブルからの発表だった。
  M400はミッドに搭載されるエンジンを始め、さまざまなパートでM12のそれとは異なるディテールをもっていた。
  鍛造ピストンの採用や大型のターボチャージャーの装備。シャシーまわりではフロントの強化型アンチロールバーや専用のダンパー、より硬めのコイルスプリング、ピレリ製Pゼロタイヤなどが代表的なメニューで、ドライビングポジションがややセンターよりに改められたことは、キャビンの中央を貫くセンタートンネルが、M12よりやや細くデザインされていることからも明らかである。
  このM400は、ノーブルの一時代を築いたモデルとしても広く知られている。とはいえその生産台数はわずかに75台を数えたのみだが。
最新モデルは2018年に発表されたM500
  リー・ノーブルは、優秀なエンジニアであると同時に、ノーブルの経営をコントロールするオーナーでもあった。だが、ノーブルは2006年に売却され、リー・ノーブルは新たに2009年、フェニックス・オートモーティブ社を設立することになる。
  ノーブル社と同様にスポーツカーの生産を目的に誕生したこの新会社では、当時のシボレー・コルベットZR1から移植されたパワーユニットを用いたプロトタイプが1台製作されたのみで、実質的には自動車メーカーとしての活動は行われなかったが、リー・ノーブルはそれでもスポーツカーへの情熱を捨てなかったのだ。
  一方、新たな経営体制となったノーブル社では、M400に続いて、3リッターのV型6気筒ツインターボエンジンを461馬力で縦置きミッドシップした「M15」を2006年に発表。
  これまでのノーブル車と比較して、より快適性や使い勝手が増したM15は、さらに2010年にはボルボ製の4.4リッターV型8気筒をベースとしたツインターボエンジンを659馬力の最高出力で搭載した「M600」に進化を遂げるが、こちらは0-97km/h加速で3.5秒、0-160km/h加速でもさらに4秒しか必要としないスーパースポーツだ。
  また、2016年にはそのオープン仕様であるロードスターも登場し、少なくとも30台が生産されたという記録が残る。
  2018年、ノーブルはニューモデルの「M500」を発表し、そのセールスを2022年までには開始すると宣言。3.5リッターのフォード製V型6気筒ツインターボエンジンを搭載するこのモデルは、ノーブルではジュニアスーパーカーと呼ばれるが、そのスパルタンで軽量性を生かした走りには、早くも多くのファンが魅了されている。
  ノーブルのスポーツカー作りには、まだまだ終わりなど見えないのだ。

あわせて読みたい

社会課題解決のカギ?【プロトコンサルティング】とは
antenna*
ポルシェ911リニューアル ハイブリッド搭載! 911カレラ/911カレラGTS
RESENSE
宝石まで使った室内にそぐわない戦闘機っぷり! シロンを超えた6.5億円のブガッティ・トゥールビヨンの気絶しそうな中身
WEB CARTOP
【SPECIAL】“LE LABO” City Exclusive Collection
Lula JAPAN
R33型スカイラインとは? 詳しく解説!
WEB CARTOP
走行中の車内は灼熱! うるさすぎて会話するのにレシーバー! ジャガーXJR-15は公道を走れるようにしただけのレーシングカーだった
WEB CARTOP
愛らしい十五夜セット『月見うさぎ』発売
PR TIMES Topics
アメリカンマッスルまでEV化かよ……でもじつはローパワーFFなんて世代もあった「ダッジ・チャージャー」の歴史を振り返る
WEB CARTOP
【試乗】オープンのハイブリッドでも1.5トン切り! 軽量ハイパワーなマクラーレン・アルトゥーラ・スパイダーが示す至高の走り
WEB CARTOP
ナチュラルフレグランスシリーズ「luno」にキンモクセイの香りが登場
PR TIMES Topics
ミッドシップのLM001! ディーゼルのLM003! 7リッターV12のLM004! 「チータ&LM002」だけじゃなかったランボルギーニ「SUV計画」の全貌
WEB CARTOP
ランボルギーニ・ウルスとは? 詳しく解説!
WEB CARTOP
屋外でも手軽に使える「LOGOS Smart Garden ウッドチェア」新発売
PR TIMES Topics
ヴェイロンよりもゾンダよりも速かった「アポロ」ってナニモノ? 世界にたった10台&4億円超えのスーパーカーで復活したブランドの正体
WEB CARTOP
1000馬力オーバーの純エンジン量産車も存在! じつは1リッターで1000馬力のエンジンも作れるってマジ!?
WEB CARTOP
【FAUCHON×榮太樓】「フォションミルクティーキャンディー」新発売 
PR TIMES Topics
ゴルフにポロにルポにup!に……VWの「GTI」はやっぱり熱いぜ! 時代時代のクルマ好きを歓喜させた歴代モデルとエキサイティングなその中身
WEB CARTOP
12気筒には人を酔わせる魔力が宿る! 百戦錬磨のモータージャーナリストを唸らせたクルマとエンジンとは?
WEB CARTOP
斬新なコンセプトをメインにした「THE FARM 星空いちご園」開園
PR TIMES Topics
レーシング一歩手前の興奮を公道で マセラティ「GT2 ストラダーレ」
BRUDER
世界最速の「芝刈り機」を作ったホンダが速さを求めて新型まで作った! 最高時速240km超えなのにガチで芝も刈れるってもはやおバカを超えて尊敬しかない!!
WEB CARTOP