もう悲惨な事故は見たくない! 車内の子ども置き去り事故から身を守るため「子どもに教えておきたい」こと5つ

2024.07.23 11:40
この記事をまとめると
■夏は車内に子どもが置き去りにされて亡くなる事故が毎年発生している
■ドアの開け方やクラクションの鳴らし方などを事前に教えておく対策は有効だ
■緊急時であればガラスを割って救出するという手段もある
毎年発生する子ども絡みの痛ましい事故への対策とは
  暑さが続く時期になるたびに、駐車車両に子どもが取り残されてしまう痛ましい事故が発生してしまいます。JAFユーザーテストでは、外気温31.4度の日にミニバンの車内をエアコンで25度に調整したあと、エンジンを切って停車し、車内温度がどのように上昇していくのかを検証。すると熱中症の危険度を示す暑さ指数は停車後わずか10分で警戒レベルに達し、21分で厳重警戒レベル、41分で危険レベルに達してしまう結果となりました。
  こんな状態の車内に子どもを置き去りにすることは、絶対にしてはならない行為です。すぐ戻るから、眠っているから、買い物などの際に子どもを連れていくと大変だから、などという勝手な理由で置き去りにするのは、言語道断です。
  ただし、人間は誰しもうっかりミス、思いもよらないミスを犯してしまうもの。普段ならちゃんと確認するのに、焦っていたり悩みごとがあったり、追い詰められていたり、風邪で頭がぼーっとしていたり、といったさまざまな要因によって、なぜか一緒にいたはずの子どもの存在を忘れたり、いないことに気がつかないことも起こってしまうのです。
  そんなとき、少しでも命が助かる可能性を高めるため、子どもが自ら助けを求める、周囲に異常を知らせる方法を知っていることと、行動を起こせるようにしておくことは、とても重要です。0〜1歳程度の子どもには難しいかもしれませんが、2歳くらいからの子どもには、何度も教えれば、イザというときに思い出して、行動することができる可能性はあります。今回ご紹介する方法のうち、どれかひとつでも、ふたつでも、子どもに教えておくことをおすすめします。
  まずひとつめは、鍵がロックされている状態からアンロックできるかどうかを試します。あまり幼い子どもには難しいかもしれませんが、アンロックのボタンやスイッチの位置、ミニバンならスライドドアの開閉ボタンなどを操作することで、セキュリティシステムがかけられているものなら、その種類によっては車両が異常を検知し、警報音やクラクションが鳴って周囲に知らせてくれる可能性があります。
  ただ、ここで注意したいのはドアが開けられたとしても、いきなり車外に出ず、まずは大声で「助けて!」と叫ぶこと。ドアが開けば通気性が確保でき、熱中症のリスクは少し低くなります。なるべく日陰になるところで大人の助けを待つか、周囲の交通に気をつけて近くの大人に助けを求めにいくか、それは子どもの年齢などによってよく話しあっておくといいでしょう。また、ロックボタンやドア開閉ボタンを押すのは緊急時だけで、普段は自分で触ってはいけないことも教えておく必要があります。
  もうひとつ、セキュリティシステムがかけられている車両の場合は、シートの上で飛び跳ねると車両が異常な動きを検知し、警報音やクラクションが鳴る場合もありますので、ミニバンなど室内高のある車種ではそれもひとつの方法です。
万が一に備えて子どもにも「助かり方」を教えるべし
  3つめは子どもが自らクラクションを鳴らして周囲に知らせる方法ですが、実際に幼い子どもが指でクラクションを鳴らそうとしても、力が足りなくてうまく鳴らせないこともあります。そこで警視庁警備部災害対策課がX(旧:Twitter)で紹介しているのが、力の弱い子どもでもクラクションが簡単に鳴らせた方法です。
  まず、幼稚園や小学校では水筒を持参することが多いので、車内に水筒がある場合はハンドルのラッパのマークのところに水筒の底を押し当てて鳴らす方法。そしてもうひとつ、ハンドルにお尻で座るような姿勢をとり、両手でハンドルを持ってお尻で鳴らす方法です。これなら小さな子どもも覚えやすいのではないでしょうか。もし水筒がない場合には、車内に常備しているものや、身につけているもの、必ず持ち歩くものなどで、クラクションが鳴らせるかどうか試してみるといいと思います。
  4つめは、これはどちらかというと夜間の方が有効ですが、昼間でも前方にいる人は気がついてくれる可能性が高い、パッシングをする方法。ライトのレバーを前後に素早く動かす動作は、子どもには練習が必要ですが、我が家では3歳の子どもでもパッシングすることができました。
  5つめは、人通りの多いところでとくに有効ですが、クルマの横を人が通ったら、思いっきりドアを蹴るという方法。ドアを蹴る「ドン」という音は遠くにいると目立ちませんが、すぐ脇を通る人は「なんだろう?」と思ってくれる可能性が高いです。窓を覗き込んだら、すかさず「助けて!」と大声で呼びましょう。
  さて、大人の私たちもいつどこで、こうした子どもたちからのSOSを受け取ることになるかわかりません。もし車内に子どもが置き去りにされていることに気づいたら、警察や消防、近くの警備員などに連絡することが確実ですが、すぐにレスキューが来てくれる状況ではない場合もあると思います。そんなときは躊躇せず、窓ガラスを割ってロックを解除し、ドアを開けて子どもを助け出しましょう。
  窓を割る際には、自分の車両にそうしたガラスハンマーなどの道具があれば使えますが、もし何もない場合には、大きな石やレンガなど硬く重さのあるもので、窓ガラスの真ん中ではなく、フロントの左右なら、ちょうどサイドミラーのすぐ横に当たる位置(右ハンドルの運転席の窓ガラスの場合は、右端のあたり)に衝撃を与えると、比較的少ない力で、一気に割れやすくなっています。子どもに割れたガラスが当たらないよう、注意しながら行いましょう。
※写真はイメージ
  子どもと大人、双方が知識と行動力を持つことで、きっと命は救えます。子どもの車内置き去りによる痛ましい事故撲滅に向けて、社会全体で力を合わせていきたいですね。

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