2038馬力のハイパーカー……は流行のBEVじゃない! 水素燃料の「XP-1」はボディがソーラーパネル化できる未来のマシンだった

2024.06.29 17:30
この記事をまとめると
■2020年にハイペリオンモーターズがワンオフカー「ハイペリオンXP-1」を公開
■ハイペリオンXP-1はバッテリー式水素自動車でウルトラキャパシタも搭載
■ボディにはソーラーパネルとしても機能するアクティブ・ダイナミック・エレメントが含まれる
水素自動車のハイパーカーが誕生
  自動車の電動化。この言葉が語られるようになって、もうかなりの時間が経過した。その間、自動車メーカーは各々の手法で電動化技術を搭載したニューモデルを発表し、現在はマイルドハイブリッドのHEVに始まり、外部電源からの充電が可能なPHEV、内燃機関を搭載しない100%エレクトリックモーターで駆動力を得るBEV、あるいは水素を燃料にこれまでの内燃機関に似たパワーユニットを搭載するFCEVまでが誕生している。
  ここで紹介するのは、アメリカのカリフォルニア州に本社がある自動車メーカー、ハイペリオンモーターズが独自に開発、製造したワンオフカーだ。そのデビューはいまから4年前の2020年で、同年8月には一般公開も行われている。
  水素を直接内燃機関の燃料として用いる案を徹底的に進めたメーカーにはほかに、水素燃料電池車を別に考えれば、BMWやマツダなどがあるが、過去に経験した彼らの水素自動車は、とくにネガティブな印象を与えるまでもなく、通常のガソリンエンジン車と同等の走りを披露してみせたことを思い出す。しかも水素燃料水素電池車では100%に限りなく近い純度が求められる水素も、直接エンジンのシリンダー内で爆発させてしまう水素では、そこまでの純度は必要としない。
  だが、ハイペリオンの選択はバッテリー式の水素自動車だった。ハイペリオンモーターズのアンジェロ・カファンタリスCEOは、将来的にはテスラのように、水素ステーションのインフラを整備したいと考えていることも理由のひとつだ。
  ハイペリオンXP-1の開発は、10年近い時間を投じて行われた。モノコックシャシーはカーボンチタン製で、その選択により車重はトヨタ・ミライやホンダ・クラリティといったほかの水素自動車と比較しても軽量な1248kgを実現している。XP1には3速ATが搭載され、それによって燃料電池から電気モーターへの出力を増大させ、大量の電力を供給するウルトラキャパシタの搭載も実現する計画だ。
新時代のハイパーカーの走りは異次元
  先鋭的なボディのデザインは、いかにも未来のクルマ、いや近いうちに訪れるであろう、新時代の自動車を予感させるものだ。
  ボディには、より多くのエネルギーを生み出すため、ソーラーパネルとしても機能するアクティブ・ダイナミック・エレメントのパートが含まれ、インテリアには134インチのガラスキャノピーとともに、ハンドジェスチャーで操作できる98インチのディスプレイも装備されている。
  ハイペリオン・モーターズによるとV字型に開くドアは、現在はルーブル美術館に展示されている、勝利の女神たる「サモトラケのニケ」にインスピレーションを得たものだという。
  注目の動力性能、そして運動性能は、最高出力が2038馬力、0-60マイル(約96km/h)加速が2.25秒で、最高速は221mph(約354km/h)という数字が公称されている。
  また、このXP1では、バッテリーの搭載量を125kW、250kW、375kW、1mWのいずれかから選択することができる。駆動方式は4Kモーターによる4WD。その走りが異次元感覚であることは、あえて言葉を連ねるまでもないだろう。
  ハイペリオン・モーターズでは、このXP-1のために12の特許技術を取得、またNASAとの親密な関係を築くことに成功した。新しい時代のスーパーカー、いや水素ハイパーカーが道を走り出す瞬間は、もう目前に迫っているのだ。

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