文学界の巨星ミラン・クンデラ氏の逝去からまもなく１年。集英社文庫から6・7月に著作が発売、命日である7月11日（木）には、ベストセラー『存在の耐えられない軽さ』『不滅』など、4タイトルが電子書籍化。

株式会社集英社

2023年7月11日に亡くなった、チェコスロヴァキア生まれのフランスの作家、ミラン・クンデラ氏。集英社文庫は、クンデラ氏の『緩やかさ』を2024年6月20日（木）に、『ほんとうの自分』（『ほんとうの私』改題）を7月19日（金）に新たに文庫化。そして、命日である7月11日（木）には、既刊『存在の耐えられない軽さ』『不滅』『笑いと忘却の書』『別れのワルツ』、計4冊の電子書籍を一斉刊行いたします。なお、『笑いと忘却の書』『別れのワルツ』の紙版はカバーを新装します。
■『緩やかさ』（ミラン・クンデラ＝著／西永良成＝訳）
　2024年6月20日（木）文庫版発売。〈8月1日（木）電子書籍発売〉
■『ほんとうの自分』（ミラン・クンデラ＝著／西永良成＝訳）
　2024年7月19日（金）文庫版発売。〈9月5日（木）電子書籍発売〉
■『笑いと忘却の書』（ミラン・クンデラ＝著／西永良成＝訳）
　新装カバー。2024年7月11日（木）電子書籍発売。
■『別れのワルツ』（ミラン・クンデラ＝著／西永良成＝訳）　
　新装カバー。2024年7月11日（木）電子書籍発売。
■『存在の耐えられない軽さ』（ミラン・クンデラ＝著／千野栄一＝訳）
　2024年7月11日（木）電子書籍発売。
■『不滅』（ミラン・クンデラ＝著／菅野昭正＝訳）　
　2024年7月11日（木）電子書籍発売。

【著者略歴】　ミラン・クンデラ1929年チェコスロヴァキアのブルノ生まれ。父ルドヴィークは作曲家ヤナーチェクの弟子で、ブルノのヤナーチェク音楽院の院長を務めた音楽家。クンデラ自身も幼いころからピアノ・作曲を学びつつ、詩を書き始める。プラハ音楽芸術大学卒業後、67年に小説『冗談』が国内外で注目されるが、「プラハの春」で改革支持を表明したことにより、70年全著作が発禁処分に。75年フランスに亡命、81年フランス市民権を獲得。89年にチェコスロヴァキアが民主化された後もフランスにとどまり、精力的に作品を発表する。なかでも『存在の耐えられない軽さ』は、映画化の影響もあり世界的な話題作となる。小説のほかにも評論集『裏切られた遺言』など数多くの著作がある。79年に剥奪されたチェコスロヴァキア（現チェコ）市民権は、2019年に回復された。23年7月パリで死去。

写真：Mondadori/アフロ

【ミラン・クンデラ＝著　集英社文庫　６・７月新刊】

■書誌情報
書名：『緩やかさ』
著者名：ミラン・クンデラ
訳者：西永良成
発売日：2024年6月20日（木）
〈2024年8月1日（木）電子書籍発売〉
定価：935円（10％税込）
判型・ページ数：文庫版　176ページ
ISBN：978-4-08-760791-8
カバーデザイン：田中久子
イラストレーション：横山雄
【内容紹介】
20世紀末。パリ郊外の城に滞在するため車を走らせるクンデラ夫妻。速さに取りつかれた周囲の車は、まるで猛禽のようだ。クンデラ氏は、18世紀の小説に描かれた、ある貴婦人と騎士が城に向かう馬車の旅、そしてその夜の逢瀬に思いを馳せる。一方、城では昆虫学会が開催されていて――。ふたつの世紀のヨーロッパの精神を、軽やかに、優雅に、哲学的に描く、クンデラ氏初のフランス語執筆による小説。

■書誌情報
書名：『ほんとうの自分』
著者名：ミラン・クンデラ
訳者：西永良成
発売日：2024年7月19日（金）
〈2024年9月5日（木）電子書籍発売〉
定価：990円（10％税込）
判型・ページ数：文庫版　200ページ
ISBN：978-4-08-760792-5
カバーデザイン：田中久子
イラストレーション：横山雄
【内容紹介】
幼い子供を亡くし、夫やその家族の言動に傷ついていたシャンタルは、年下の男性ジャン＝マルクと出会って恋におち、離婚して彼と暮らすようになる。彼女は広告代理店に勤める有能な女性。ジャン＝マルクは職業を転々としている。シャンタルが更年期の症状を感じ始めたある日、一通の匿名の手紙が届く。「私はスパイのようにあなたの後をつけています、あなたは美しい」。それを機に、ジャン＝マルクとシャンタル、ふたりの愛の糸は絡まり、幻想が現実を脅かしていく。



【7月11日（木）電子書籍化　既刊情報】
■『存在の耐えられない軽さ』

■『不滅』

■『笑いと忘却の書』

■『別れのワルツ』