ホンダN-VAN e:は大先輩の三菱ミニキャブEVに対してどこが勝ってる? 2車をガチンコ比較した!

2024.06.19 17:30
この記事をまとめると
■ホンダが軽商用EV「N-VAN e:」を発表した
■N-VAN e:のライバルとなるのが三菱ミニキャブEVだ
■軽商用EVのライバルであるN-VAN e:とミニキャブEVを比べた
ホンダN-VAN e:登場で軽商用車バトル勃発
  ホンダは2050年までに全社的にカーボンニュートラルを実現することを目指している。そこに向けた商品ロードマップとして、お膝元である日本向けのラインアップとしては2030年までには100%電動化(ハイブリッドカーを含む)とし、2040年には100%電気自動車(EV)にすることを掲げている。
  そんな日本向けEVの第一弾として発表されたのが、軽商用EV「N-VAN e:」となっている。発売予定は2024年10月10日。2025年には軽乗用EVのローンチもアナウンスされている。軽自動車については、マイルドハイブリッドさえも採用してこなかったホンダだが、一気に電動化・ゼロエミッション化を推進しそうな勢いを感じさせる。
  さて、あらためてN-VAN e:のプロフィールを簡単に整理してみよう。
  助手席側ピラーレスの大開口という特徴をもつボディ自体はガソリンエンジン車のN-VANと同様だが、ナンバープレートがセンターに異動していることからわかるように、フロントバンパーは専用デザイン。EVの使い勝手に影響する充電口はリサイクル素材で作られたというフロントグリルにインストールされている。
  モーターはフロントベイに置かれ、当然のようにフロント駆動となる。29.6kWhという軽自動車としては最大級に大きな電力量をもつリチウムイオンバッテリーはキャビンの床下に置かれているが、荷室高など商用車としてのスペックには悪影響を及ぼしていないというのは“はたらくクルマ”としてのこだわりのひとつ。また、これほど余裕のバッテリーを積むことで一充電航続距離は245km(WLTCモード)とライバルを凌駕するものとなっている。
  そう、N-VAN e:にはキャッチアップすべきライバルモデルが存在している。それが三菱ミニキャブEVだ。旧名のミニキャブミーブとしてデビューしたのは2011年と大先輩的なのだ。配達業務を中心にミニキャブEV(ミーブ)が活躍する姿を目にすることは多い。
  こちらも、もともとはガソリンエンジン車として販売されていたミニキャブのボディをベースとしているが、後輪を駆動するモーターはリヤアクスルに置かれるなど、エンジン車とは異なるパワートレインのレイアウトとなっている。デビュー当初は最大でも16kWhのバッテリーだったが、最新モデルのミニキャブEVでは総電力量20kWhのリチウムイオン電池を搭載するなど最新テクノロジーによってアップデートされるなど、決して昔のスペックのまま作られているわけではない。
  そんな軽商用EVのライバルであるN-VAN e:とミニキャブEVを比べてみよう。N-VAN e:にはホビーユース向けのFUNグレードやひとり乗りグレードなども用意されているが、ここではガチンコのライバルとなるビジネス向けの2シーター、4シーターで比較してみたい。
4人乗りモデルの価格差は21万円
  まずはメーカー希望小売価格から見てみよう。
 N-VAN e: L4(4シーター):269万9400円 L2(2シーター):254万9800円
 ミニキャブEV CD(4シーター):248万6000円 CD(2シーター):243万1000円
  いずれもN-VAN e:のほうが高価で、4人乗りの価格差は21万2400円、ふたり乗りでは11万8800円となっている。一台の購入を検討する自営業者にとっても無視できない価格差であり、まして複数台を導入する運送会社などからすると価格差が大きすぎると感じるだろう。
  もっとも、4人乗り仕様についていえば、N-VAN e:には先進運転支援システム「ホンダセンシング」が標準装備になっているという違いがある。ミニキャブEVにも歩行者を検知できる衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報機能は標準装備されているが、やはり安全予防性能の差は大きいといえそうだ。
  なお、N-VAN e:のふたり乗り仕様は衝突被害軽減ブレーキや路外逸脱抑制機能を標準装備するのみで、先行車両に追従するACCなどは備わらない。そう考えると価格差ほど安全性能の違いはないようにも思えるが、N-VAN e:が備えるサイドカーテンエアバッグ(軽商用車初)や衝突後ブレーキシステム(軽自動車初)といった衝突安全性を考えると、この価格差も致し方ないといえそうだ。
  荷室の使い勝手については、それぞれユーザーの好みもあるだろうから単純に広さだけでは評価しがたい部分もある。ただし、小まわり性についていうと、N-VAN e:の最小回転半径が4.6mとなっているのに対して、ミニキャブEVは4.3mとかなり小さい。数字的には0.3mの違いだが、片側一車線の道路でのUターンのような配達業務ならではのシチュエーションを考えると、ドライバーのストレス的にはミニキャブEVが優位といえるかもしれない。
  電動パワートレインのパフォーマンスについても互角といえる。N-VAN e:のモーター最高出力は4人乗り仕様が47kWで、ふたり乗りは39kW。それに対してミニキャブEVは31kWとなっている。最高出力を見るとミニキャブEVが見劣りするかもしれないが、最大トルクで比べるとN-VAN e:が162Nmとなっているのに対して、ミニキャブEVは195Nmとなっている。フル積載での力強さでいえばミニキャブEV有利といえそうだ。
  商用バンとしては重要スペックとなる最大積載量については、ミニキャブEVは乗車定員にかかわらず軽商用車の上限である350㎏となっている。一方、N-VAN e:はふたり乗りこそ350㎏だが4人乗り仕様では300㎏となっているのはビジネスユーザーとしては気になるところだろう。もっとも配達業務で使うユーザーが4シーターを選ぶことは少ないだろうから、互角といえる。
  N-VAN e:とミニキャブEVの両モデルを比べて、もっとも違いを感じるのは一充電航続距離だ。N-VAN e:は前述したように245km、ミニキャブEVは180kmとなっている(いずれもWLTCモード)。ちなみに、4シーターの車両重量はどちらも1130㎏と同じで、交流電力消費率(電費)についても127Wh/kmと同じ。航続距離の違いはバッテリー総電力量の差といえる。そう考えると、2シーターで比べたときの約11万円という価格差は、むしろN-VAN e:のコスパの高さを感じさせるといえそうだ。
  そして、N-VAN e:とミニキャブEVを比較していて気になるのはトヨタ・ダイハツ・スズキ連合で開発中の軽商用EVの行方だ。ダイハツの認証不正により発売の見通しが立っていない状況だが、その一充電航続距離は200km以上が目標と聞いている。ミニキャブEVとの比較であれば200kmというのは十分なスペックだが、N-VAN e:が発表されてしまったいま、その航続距離では正直見劣りしてしまう。
  はたして、トヨタ・ダイハツ・スズキ連合の軽商用EVは、ライバルと同等の航続距離まで伸ばしてくるのか、それとも車両価格を抑えることでトータルでのコスパをアピールしてくるのか……。いずれにしても、ライバルが切磋琢磨することで使いやすく、買いやすいモデルが揃ってくることはユーザーにとっては大いに歓迎すべきことであり、そうした状況になることを期待したい。

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