クルマに「味の素、入ってる」ってマジ? 半導体なくして成り立たない現代の自動車に使われる「味の素」の技術とは

2024.06.18 13:00
この記事をまとめると
■自動車には欠かすことができない半導体には「味の素」の技術が使われている
■高性能なCPUの絶縁材として使われる「味の素ビルドアップフィルム(ABF)」がそれだ
■SDV時代となって今後もクルマなどにはABFが採用される領域が増えそうだ
味の素の技術はクルマにも大きな影響をもたらしていた
  最近、自動車産業界で大きな話題となっているのがSDVだ。ソフトウェア・デファインド・ヴィークルの略称で、文字どおりソフトウェアを主体として開発されるクルマを指す。
  周知のとおり、すでにクルマには多様なECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)が搭載されている。エンジンの燃料噴射や点火タイミングの制御、オートマチックトランスミッションの変速制御、エアコンやパワーウインドウの制御など、高級車になれば車載ECUの数は100を超えるといわれている。
  そうしたECUの機能やあり方を統合して、サイバーセキュリティへの対応能力を挙げるなど、SDV時代の車載ソフトウェア、またはクラウドを介して車載ソフトウェアをコントロールする仕組みなどについて、自動車産業界での議論が高まっているところだ。
  そんな車載システムで重要となるのが、半導体の存在である。コロナ禍と並行して発生した、半導体不足によって新車の製造が遅れるなど、クルマと半導体との関係の深さを認識した一般ユーザーも少なくないだろう。
  その半導体といえば、「インテル・インサイド(インテル入っている)」といった米半導体大手のインテル社のテレビコマーシャルが記憶に新しい。
  そんなインテルのマーケティング戦略を拝借すれば、半導体には「味の素、入っている」と、表現ができるかもしれない。
特殊なフィルムで絶縁をコントロール
  味の素といえば、一般ユーザーにとってとても身近な存在だろう。
  そもそもは、池田菊苗博士が見出した「うまみ」成分という画期的な発想を商品化した「味の素」が事業の主役だった。
  その後、調味料だけではなく、加工食品、冷凍食品、栄養ケア食品、またAGFブランドでのコーヒー関連商品など幅広い製品を取り揃えている。
  こうした多様な事業の中に、「味の素ビルドアップフィルム(ABF)」がある。同社の説明によれば「ミクロのフィルムで絶縁をコントロールする、層間絶縁材料」だ。高性能な半導体(CPU)においては、全世界の主要なパソコンのシェア100%という実績だ。
  ABFの開発の歴史を辿れば、1970年代にアミノ酸の研究開発を経て、絶縁性があるエポキシ樹脂のパソコン半導体向けの量産を進めた。
  特徴は有機物と無機物をミクロのフィルムで一体化させる技術。回路基盤への加工での最適化など、日夜技術は進化を続けているという。
  モバイル、そしてSDV時代のクルマなど、ABFは今後さらに採用される領域が増えていきそうだ。

あわせて読みたい

【社内外のブレーン】になる!新しいコンサルティングの形
antenna*
エヌビディア半導体に米ビッグテックの巨額マネーが殺到!トヨタは生成AIの巨額投資の波に乗るか、飲み込まれるか? - 今週の週刊ダイヤモンド ここが見どころ
ダイヤモンド・オンライン
このご時世に600kg切りのアルトが登場!? スイスポはパワフルハイブリッド化の軽量ホットハッチ化? 期待しかないスズキの10年先を見据えた技術発表の中身
WEB CARTOP
「手わたし」のシーンにしっくりと馴染む形を目指した新商品「わたしものふくさ」登場
PR TIMES Topics
トヨタ連合 vs ホンダ・日産・三菱連合が日本を二分して競い合う! 2030年代の勝負どころに向けて前哨戦が始まった
WEB CARTOP
スズキが四輪車の技術戦略を発表 コンパクトなクルマづくりで“エネルギー極少化”を追求
webCG
アレルゲン28品目・動物由来の原料・油を使わずに作ったカレーソース「ウェルビーイングカレー」発売
PR TIMES Topics
日産とホンダで何をやる? 会見で示された5領域の中身
ドライバーWeb
ホンダと日産の協業で、本田宗一郎氏の理念「技術は人のために」はどうなる?テスラを追って大事なものを失う懸念 - エコカー大戦争!
ダイヤモンド・オンライン
【養命酒製造】体験型複合施設『くらすわの森』グランドオープン
PR TIMES Topics
インフィニオンとMediaTekがスマートコックピットソリューションを発表
Ubergizmo Japan
ホンダ・日産・三菱自連合の誕生で王者トヨタと2強体制が鮮明に、「弱者連合」の揶揄を跳ね返せるか - モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫
ダイヤモンド・オンライン
【SPECIAL】“LE LABO” City Exclusive Collection
Lula JAPAN
インテル「独り負け」招いたCEO肝煎り事業の混沌
東洋経済オンライン
最先端のその先に新たな市場がある──次世代デバイス向け電子材料にかける「想い」
talentbook
「track」よりホリデーシーズンにピッタリなブランド初のホリデーコフレを発売
PR TIMES Topics
日産とホンダが協業を加速 SDVを共同開発しバッテリーやモーターなどを共通化
webCG
【西田宗千佳連載】Copilot+ PCで「AMD・インテル・クアルコム」の競争が激化
GetNavi web
ホンダと日産 協業に向けて前進も…今後の展望
ニッポン放送 NEWS ONLINE
ポルシェ「カイエン」のシステム統合。推進システムとシャシーの大部分を開発
CARSMEET WEB