いまやクルマは「ソフト」や「インフラ」とセットで作るもの! 北京モーターショーに見る「異業種」の参入

2024.06.10 06:20
この記事をまとめると
■北京モーターショー2024では自動車メーカー以外の異業種の展示が目立っていた
■スマートフォンメーカーなども積極的にクルマを開発している
■クルマ以外にもアプリなどもセットで開発して展開することがキーとなっている
4年ぶりに北京モーターショーが開催された
  中国の首都である北京で4年ぶりに開催された「北京モーターショー(北京国際汽車展覧会)」。中国完成車メーカー、欧米、日本、韓国などの主要完成車メーカーを中心として多彩な出展者が数多く集まっており、そのショーの傾向をひと言で語りつくすことはできない。
  日本での報道を見ていると、異業種、つまり完成車メーカーや自動車関連企業以外の存在感が目立っていたことを報じていた。中国通信大手のファーウェイが技術提携したBEVやバッテリー電気自動車、総合家電メーカーであるシャオミが開発したBEVの展示などが話題となっている。BEVの世界的な普及により、異業種が自動車産業に参入するケースはいま始まった話ではないが、日本での報道を見ている限り、今回の北京モーターショーはアメリカ・ラスベガスで年初に開催されているCES(コンシューマ・エレクトロニクス・ショー)の自動車版のようなものであったように感じた。
  筆者は4月に台湾の台北市を訪れたときに、街を「FOXTRON」というBEV路線バスが走っていることに注目した。そもそも、いままでの路線バスも四角いのだが、さらに先鋭化させた「真四角」で、いままでの路線バスとはイメージもだいぶ異なるその車体から発するオーラの強さに驚かされた。
  このバスは「FOXTRON モデルT」と呼ばれる車両であり、FOXCON(鴻海精密工業股份有限公司)、つまり日本の家電メーカーであるシャープの親会社と、台湾の裕隆汽車との合弁会社である、「FOXTRON VEHICLE TECHNOLOGIES」にて生産されている。ちなみに、バスのほかにも乗用BEVもラインアップしている。路線バスを見ている限りでは、やはり異業種が絡んでいると感じさせるインパクトの強さを感じざるを得なかった。
クルマだけでなくアプリ開発も重要課題
  いままでは中国やアメリカを中心に、新興BEVメーカーが注目されていたが、ここのところはBEVにおける異業種参入が注目されている。
  少し前にBEV路線バスでは各メーカーが、導入したバス事業者向けに保有車両の蓄電状況などを管理できるエネルギーマネージメントにかかるアプリも個々に開発していると聞いたことがある。そのアプリの使い勝手も導入車両を決める判断になるとも聞いている。そのため、車両から随時通信機能を使って車両の状況を送信していることもあり、BEV路線バスの導入に積極的なタイの首都バンコク市では、BEV路線バスの導入とともに「バスロケーションシステム(路線ごとに待っているバス停にいつごろ到着するかなどをバス停のモニターなどに表示するシステム)」も一部路線のようだが普及も進んでいる。
  乗用車においても、BEVかどうかを問わず、コネクティッドシステムの普及は進んでいる。BEV及びコネクティッドシステムの普及を進めようとするならば、通信業界大手や家電メーカー大手が車両開発を行ったり、完成車メーカーと提携して車両開発を進めるのは自然の流れでもあり、日本メーカーも当然積極的な姿勢を見せていると北京モーターショーのリポートでは報じていた。
  ホンダがソニーとBEV開発で異業種コラボを進めているのはその代表例といえるだろう。
  少し前に「クルマの白物家電化」とよくいわれていた。世間的にクルマへの興味が薄れ、洗濯機や冷蔵庫を買うようなノリで、単なる移動用機器としてクルマを購買するような状況を「白物家電化」と呼んでいた。これとはだいぶ意味合いは異なるが、ある意味100年に1度の変革期を迎え、新たな“クルマの家電化”というものが、電動化とともに進んでいくことになるのだろうか。

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