入社1カ月でジムカーナ参戦&リポートって無茶すぎません!? ……と思ったらTMSCが主催のジムカーナが新人にもフレンドリーで面白すぎた

2024.05.27 17:00
この記事をまとめると
■新人編集部員がTMSC富士ジムカーナ「GRクラス」へと参加した
■GRクラスは主催側が用意するレンタカーで気軽に参加できるジムカーナの競技クラスだ
■GRヤリスでのジムカーナを存分に楽しんで、クラス2位の結果をとることができた
入社早々に「ジムカーナ参戦!」……って超スパルタ編集部か!?
  ある日の編集企画会議でのことである。4月に入社して1カ月と経ってない入社したての僕は、右も左も分からない状態で編集会議へ参加していた。そんななかで、編集長から「編集部あてにジムカーナ大会への参加の誘いが来ています」との報告があった。するとすぐさま「立花は大学の自動車部でジムカーナを走ってたんだよな? 行ってこいよ」と局長。
  もちろん、僕は引き受けさせてもらうことにしたが、内心でははじめて自分で取材をして記事を書かせてをもらえることへの嬉しさと、そんなことがしっかり自分につとまるのかという不安が混ざり合って複雑な気もちだった。
  こうして僕が参加させてもらうことになったのは、トヨタ・モータースポーツ・クラブ(以下:TMSC)が主催するジムカーナシリーズだ。このTMSCというクラブの起源は、なんと1963年の「第1回日本グランプリレース大会」まで遡る。ちなみにこのレースでは、各クラスで計3台のトヨタ車が優勝を果たした。
  その翌年の1964年、そのトヨタ車をドライブしていたレーシングドライバーたちが主体となり、TMSCを発足させた。そしてなんと、第1号のJAF公認クラブとなったのだ。
  現在はトヨタ車のファンであることを参加条件に、トヨタ自動車公認クラブとしてTMSCは運営されている。毎年、ジムカーナはもちろんエコラン耐久やゴーカート、レースやラリーなど、幅広いジャンルのモータースポーツを主催し、クラブ員が参加もしているそう。
  そんな由緒あるクラブの主催ジムカーナで、今回僕が参加するのは「TMSC富士ジムカーナシリーズ」というシリーズの第2戦。そのなかの「GRクラス」だ。
「TMSC富士ジムカーナシリーズ」というのは、いわゆる地方選とは別にTMSCが独自に開催しているジムカーナのシリーズ。年間4回の大会が行われ、シリーズを通して優秀な成績を収めたドライバーは表彰される。
  そして、「GRクラス」というのはご存じ、トヨタの「ガズーレーシング」が主体となって進めている新しいクラスだ。
  これは、モータースポーツの敷居を下げ、モータースポーツ人口を増やすのを目的としたクラス。トヨタ車であれば愛車でも参加可能だが、毎回の大会で複数台GRのクルマが用意され、好きな1台をレンタルして出場できる。今回の大会ではGRヤリスのRZとRS、またGRコペンがレンタル用に用意されていた。
  つまり、クルマがなかったとしても、普通自動車免許とヘルメット&グローブがあればジムカーナを楽しめる、初心者に最適なクラスとなっているのだ。気になる参加費は、レンタル車両を使用する場合が1万円、愛車で参加する場合は6000円となっている。また、JAF競技ライセンスはなくても参加可能だ。ちなみに万が一クラッシュしたら修理費は実費で請求がくる……とのことらしい。
  こうして迎えた本番当日。6時の開場にあわせて、その15分後くらいに会場入りした。はじめての富士スピードウェイは幸いなことに気もちいいほどの快晴だった。雨男の僕には珍しいことだ。きっとこれは「お守り役」に来てくれる井上センパイのおかげだろう(笑)。
  まずはひとりで受付を済ませ、出走ゼッケンを受け取る。その次は競技車検の時間なのだが、僕の参加するGRクラスの車両は主催側が用意するため、その間コースを確認する。今回のコースレイアウトはターンをしないといけない箇所が多く、覚えるのが大変だ。
  その後まもなく、コースの確認をする「完熟歩行」が始まった。
  ジムカーナでは、コースを覚えるのと実際のコース上でのパイロンでの配置をつかむため、クルマで走行する前に歩いてコースを確認する必要がある。それが「完熟歩行」だ。
  実際に歩いてみると、通りたいライン上にうまく規制パイロンが置いてあり、コース攻略の難易度を上げている。そして、ターンが何度もあるため、右まわりか左まわりなのかなかなかにややこしい。本当はこのときにコースを走る戦略を立てるのだが、僕の場合は覚えるので精一杯だ……。
  そしてドライバーズブリーフィングを終えると、実際にクルマでコースを走ってみる「慣熟走行」の時間。こうしてはじめて本日の相棒と対面する。
  今回僕が乗るのは、モータースポーツの世界ではお馴染みのトヨタ GRヤリス RZ ハイパフォーマンスだ。小柄なボディから272馬力を発揮し、それを4輪を使って地面へと伝える高性能マシンだ。この慣熟走行のわずかな時間で、僕はこのモンスターとお友達にならないといけない。
  慣熟走行は当日の記録になる走行ではないのだが、この時点で僕はプレッシャーを感じていた。ちゃんと記事に出来るような走りをしなければいけないし、乗るのは272馬力のクルマだ。僕に扱いきれるのだろうか……。
ついに出走の時間がやってきた!
  そうこうしているうちにあっという間に僕の走行時間だ。とりあえず場内を動かしてみるかぎり、そのスペックとは裏腹にGRヤリスはとてもフレンドリーな感じがした。
  そして慣熟走行本番だ。走り出してみると、想像以上にヤリスは扱いやすく、まったく扱いに困ることはなかった。コースも1カ所あやふやだった部分はあったものの、なんとか復帰でき、結果的にはまずまずのタイムを残すことが出来た。
  そしてそのまま本番1本目が始まった。ゼッケン番号の若い順にふたたびクルマが並びはじめる。僕の参加するクラスは出走順だと最後のため、1時間前後経って僕たちの出走になった。
  慣熟走行で少し自信をもつことができたこともあり、少し思い切った運転をした。それでも慣熟走行よりまとまった走りをすることはできたのだが、勢いあまって2本のパイロンにフェザータッチ。これがプラス10秒のペナルティとなり、1本目終了時点ではクラス5番手となってしまった。
  1本目の走行が終わり、お昼休みとなる。この時間には1本目の反省を生かしてもう1度完熟歩行をしたりして、昼食をとり、午後の2本目の走行に備えた。
  そして、本番2本目の出走の番がやって来た。1本目の反省を生かし、着実に走ることに努めた。その甲斐あって、パイロンタッチもなく、それなりのタイムを残すことができた。とはいえ、1本目の走行のパイロンタッチがなかった場合のタイムより1.5秒ほど遅くなってしまったのが悔やまれるところだ。
  ジムカーナでは、本番の2本で良かったほうのタイムをその選手の結果とし、それを比べて順位を決定するのが通例。そして、幸いにも僕はクラス2位のタイムを獲得することが出来た!
  最後に、閉会式が行われてそのなかで表彰式が行われる。その後は16時まで2時間ほどフリー走行だ。参加者は思う存分クルマを振りまわし、練習に励んでいた。
  TMSC富士ジムカーナは、文字どおり初心者から上級者まで楽しめるものとなっていた。実際、クルマをもってない僕だって、用意されていたレンタカーで十分以上に楽しめたし、ほかの参加者は、参加者同士はもちろんのこと、TMSCの方々とも親しげにお話されていた。このような参加型モータースポーツイベントは、クルマを全開で走らせる機会としての楽しみはもちろん、クルマ好き同士があつまるコミュニティとしての楽しさがあると思う。
  そして、このTMSC富士ジムカーナのGRクラスは、もっとも敷居が低いモータースポーツイベントのひとつである。また、GRクラスや各ジムカーナシリーズのクローズドクラスには、B級ライセンスがなくても参加でき、完走することができればB級ライセンスが申請可能となっているため、モータースポーツの最初の一歩としてこの上なく最適だ。
  今年度の残りのTMSC富士ジムカーナは、7月7日(日)と9月22日(日)に行われる。また、ほかでもGRクラスを設けているジムカーナイベントが存在する。気になった方はぜひ、今後のイベントに気軽に参加しよう!

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