なぜぶつける? なぜ直さない? やたら見かける軽バンやミニバンやワンボックスの後ろの凹みの謎

2024.05.19 17:30
この記事をまとめると
■街なかではリヤゲートがへこんだ軽バンやミニバンをよく見かける
■リヤゲートをぶつけるのは視認性の悪さや油断などが原因と思われる
■へこんだリヤゲートの修理をしない背景などを詳しく考察する
ボコボコなバックドアはなぜ放置されるのか
  信号待ちをしている際などに気になって仕方ないもののひとつが、「軽バンまたはミニバンのリヤゲートにしばしば見られる縦状のへこみ」だ。
  おそらくは後進時にポール状の障害物などにぶつけてしまったのだろうが、「なぜそんなモノにぶつけるのか?」「なぜ修理しないのか?」「バックカメラは役に立たなかったのか?」「というかなぜ、箱型のクルマにばかり“あのへこみ”が顕著なのか?」など、信号待ちをしながら眺めていると、次々と疑問が湧いてきてしまう。
  ということで「あのへこみ」はなぜ発生し、そしてなぜ放置されるのかについて、少々考えてみることにしよう。
  まずは軽バンの場合から考えてみる。
  軽バンにおける“あのへこみ”の直接の発生原因は前述したとおり、バックする際にポール状の何かや塀の角などにぶつけてしまったのだと思われる。だが、ひとつ目の疑問は「車両感覚がつかみやすいはずの四角くて小さな軽バンなのに、なぜポールなどにぶつけてしまうのか?」ということだ。
  これは、おそらくは「リヤガラスの位置が高いから」というのと、「バックカメラが付いていないから」というのが主たる原因であるはずだ。
  たしかに四角くて小さな軽バンは車両感覚がつかみやすく、なおかつドライバーの視点も高いため、運転はしやすい。だが同時に「リヤガラスの位置も高い」という特徴もあるため、後方の低い位置にある障害物は死角に入りやすい。そして、商用軽バンというのは基本的には常に急いでいるため(急がないと配達時間などに間に合わなくなる)、どうしたって障害物の確認が甘くなってしまう局面は稀にある。
  そんな状況下でバックしていたハイゼットやエブリイなどが、じつは低い位置にあったポールなどにガチャンとぶつけてしまうわけだ。
「バックカメラは役に立たなかったのか?」と思うかもしれないが、後方の様子を確認できるバックカメラがおおむね装備されているのは最近の乗用ミニバンであって、商用軽バンの場合は、ディーラーオプションのバックカメラをそもそも装着していないケースも多い。
  そして、「ぶつけてしまったものは仕方ないとして、なぜ直さないのだ?」という疑問もあるが、これはもう費用対効果の問題であろう。
  そりゃ商用軽バンの運転手さんだってへこんだままでいいと思っているはずはないが、“あのへこみ”を修理するとなると安くても6万円前後はかかる計算で、新品に交換するには10万円以上のコストがかかる。
  運転手さんが個人事業主であった場合、そのコストを配達料でペイさせるためには何軒余計にまわらなければならないのか……と考えると、へこみを放置するのもある意味やむなしである。クルマが動かなくなる故障だと商売上がったりだが、リヤゲートが多少へこんでいたとしても、クルマは動く、一応。それゆえ、軽バンにおける“あのへこみ”は放置されがちとなるのだ。
  その気持ちは、職種は違うが同じ個人事業主である筆者にはよくわかる。筆者も、イマイチ調子が悪くなったプリンター兼スキャナーを買い替えたほうがいいのはわかっているが、「まぁ使えないことはないし、買い替えるとなると高いし……」ということで、いつまでもズルズル使い続けている。
ミニバンのバックドアのケースは?
  お次に乗用ミニバンにおける“あのへこみ”について考えてみよう。
  こちらも要するに後方の低い位置にあったポールなどにガチャンとぶつけてしまったわけだが、商用軽バンと違ってバックカメラの装着率は高いはずであり、比較的最近のモデルであれば、障害物に近づくとピーピー鳴る装置が付いている場合も多いはず。
  それなのになぜ、“あのへこみ”を発生させてしまうのか……?
  まぁバックカメラやピーピー音などの装置が付いていない乗用ミニバンにおける発生原因は軽バンの場合とほぼ同じなのだろうが、問題は「この世代なら、たぶんカメラとピーピーが付いてるんじゃない?」と思われるミニバンで見られる“あのへこみ”である。
  その発生原因は正直謎なのだが、推測するに、大変失礼ながら「下手くそだから」ということと「油断してるから」という原因の合せ技1本で、後方の低い位置にあったポールなどにぶつけてしまったのだろう。
  十分な目視とバックカメラを併用すれば、全部ではないが、ほとんどの障害物はあらかじめ発見できる。だがそれは「ほとんど」でしかないため、見落としてしまう可能性はいつだってある。そして、バックカメラのレンズが雨で濡れていると、障害物の存在がハッキリとは見えないこともある。
「上手いドライバー」というのはそういった可能性というか危険性もつねに考えながら慎重に運転しているため、そう簡単にはぶつけない。だが下手なドライバーは、妙にポジティブに「ま、大丈夫でしょ」みたいな感じで油断しているため(それが“下手”ということなのだが)、まれに確認が不足し、まれにガチャンとやってしまうわけだ。
  だが多くの場合、ガチャンとやる前に例のピーピー音が鳴るはずなのだが、それでもなぜポールにぶつけてしまうのかと問われたら……申し訳ないが本当に謎である。
  爆音で音楽をかけていたせいで聞こえなかったのか? それとも、聞こえたけど「まだギリ大丈夫でしょ!」みたいな感じで妙なポジティブさを発揮してしまったのか? 筆者に推測できるのはその程度である。あなた、おわかりになりますか? もしもわかったらぜひ教えてください。
  そして最後に「なぜ、“あのへこみ”を直さないままのミニバンをしばしば見かけるのか?」という疑問だが、これはもう直すお金がないか、手間をかけて直すだけの愛情がないか、もしくはその両方がないかの、いずれかだろう。
  もちろんこれはミニバンというカテゴリー全体の問題ではなく、そのドライバー個人の問題に過ぎない。愛とお金をたっぷり注がれているミニバンも世の中には多いということを、最後に添えておきたい。

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