ひとりのスタッフの思いから、志を共にした外部パートナーの力を借りて、~医療的ケア児の旅行受け入れ~ を実現。みんなが安心して泊まれるホテルを目指す、MIMARUのSDGsストーリー。

2024.05.15 10:50
障がいの有無に関わらず、みんなが旅する喜びを感じられる社会へ。
対話を重ねて理解を深めていく。


世界中のホテル・観光業界で、SDGsへの貢献とサステナブル・ツーリズムの実現に向けての活動が加速しています。再び多くのインバウンドを迎えることになった日本でも、その地を訪れるゲストと、そこに暮らす人の両方で、よりよい社会をつくろうとする取り組みが増えてきました。また、2024年4月に障害者差別解消法が改正され、合理的配慮の提供が義務化、社会的なバリアを取り除く対応について、事業者と障がいのある人が対話を重ねていくことが求められています。


「MIMARU」は、中長期滞在に適した都市型アパートメントホテルを展開しています。今回、サステナビリティへの取り組みの中で、『医療的ケア児の旅行受け入れ』を実現するためのプロジェクトが発足しました。このストーリーでは、プロジェクトに尽力いただいた一般社団法人Try Angleの須田 麻佑子さんを交えて、プロジェクト担当者の早川三奈、明石真実が、誕生秘話をお届けします。
<医療的ケア児の旅行受け入れのための主な取り組み>
①医療的ケア児ご家族の意見を基に、宿泊時に必要なお風呂マットやおむつ入れなどの備品を用意
②障がい者・医療的ケア児等の予約時に「コミュニケーションシート」にて、ご要望の確認を開始
③MIMARU公式HP内に障がい者・医療的ケア児向けのご案内ページを作成
④ユニバーサルマナー検定3級を全取締役・従業員が取得
⑤難病と闘う子どもたちを応援するボランティア団体への宿泊支援を開始


― 多様なメンバーが集まった「MIMARU」のサステナビリティへの取り組み
明石:私たちは、2021年に”SDGsプロジェクト”を発足させ、全部署から希望者を募りました。役職、年齢、国籍も異なる15名のメンバーが集まり半年かけて検討を重ねた結果、「MIMARU」のサステナビリティのテーマとして、「人と働き方の多様性」「ゲスト・地域とのつながり」「環境配慮」の3つに決定。優先的に進める施策を推進していきました。
参考サイト:
「ゲスト・地域とのつながり」のテーマでは、<みんなが安心して泊まれる>環境を作ることは最優先でした。「MIMARU」は、家族や仲間と“みんなで泊まる”を楽しむアパートメントホテルだからです。どの国からのゲストでも、宗教が違っても、障がいを持った方でも、安心して泊まれるホテルにしたい。そのために、ムスリム向けの貸出備品を用意したり、車いすやベビーカーで移動しやすいルートのアクセスマップを作成したり、外国人旅行者にバリアフリー情報を発信している方から車いす目線のニーズを学んだりしてきました。
参考リリース:
― 『ESG×次世代』の社内コンペで医療的ケア児の旅行受け入れを選出、その実現に向けて
明石:2023年8月に親会社であるコスモスイニシアが、次世代のための取り組みとして、ESGのアイデアコンペティション「Next Generation Challenge」を実施し、グループ社員からもアイデアを募集しました。その中で「MIMARU」の元ホテルマネージャーの早川さんから「医療的ケア児受け入れ」の提案があり、応募総数131件の中、推進検討案件のひとつとして選出されました。


早川:重症心身障がい児の施設で働いていた母親から、「障がいを持つ子どもたちがすごくかわいいよ」とよく聞かされていて、いつも身近に感じていました。ホテルで働くようになりましたが、軽い障がいのあるゲストはいらっしゃるのですが、重い障がいを持つご家族をほぼ見かけませんでした。「MIMARU」は、部屋が広くキッチンもあって便利なはずなのに、知られていないのか、泊まりに来ることのできないハードルがあるのか…。その辺りをインターネットで調べていて、医療的ケア児の旅のガイドブックを出されている一般社団法人Try Angle(トライアングル)の活動を知りました。代表の須田さんとメールでやりとりができ、医療的ケア児とご家族の厳しい現実を知り、いつか何かしたいと温めていました。『ESG×次世代』の社内コンペの話を知り、これはチャンスだと思いました。
早川:このプロジェクトで伝えたかったことは、医療的ケア児とそのご家族が、気軽に旅行やお出かけができる社会になってほしいということです。見えない、知らない、わからないということが多いと思ったので、みんなが知るきっかけのひとつとして、医療的ケア児を「MIMARU」が受け入れて、積極的に旅に出られるように背中を押したいと思いました。上司やみなさんから、これはやるべきだと応援してもらえて感謝をしています。


― 医療的ケア児とその家族の旅を支援する一般社団法人Try Angle(トライアングル)との協業
須田:一般社団法人Try Angle(トライアングル)では、病気や障害の有無にかかわらず誰もが旅行を楽しめる社会を目指して活動をしています。医療的ケア児とは、人工呼吸器やたんの吸引や鼻や胃からの経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な児童のことをいいます。国内の0歳から18歳までの医療的ケア児人口は約20,000人と言われていて、この10年で倍増しています。医療技術の向上などで、医療機関の外で生活できる児童が増えましたが、家族でお出かけしたり旅行をしたりという楽しみのハードルはまだまだ高いのが実情です。医療的ケア児の保護者の方、福祉の事業所にお勤めの方、学校の先生からも、旅行のしかたについてご相談をいただくことがあります。医療的ケア児の旅については、社会全体でサポートをする体制がまだ不足している状況だと思います。私たちにいま何ができるかと考え、活動の一つとして、医療的ケア児のご家族と受け入れ先のホテルをつなぐコーディネーションを始めました。実際に会っていただき、改善点を一緒に見つけるなどのサポートをしています。
― 医療的ケア児を育てる2つの家族が「MIMARU」にご試泊。
ホテル側が積極的にどうしたら良いか聞いてくれる姿勢が嬉しい。
須田:今回は、「MIMARU東京 浅草STATION」と「MIMARU東京 錦糸町」に2家族にそれぞれ試泊していただき、お部屋にお伺いしてインタビューを行いました。事前に「コミュニケーションシート」をもとに、お風呂マット等の必要備品や希望されることを確認いただいたのですが、ホテル側が積極的にどうしたら良いか聞いてくれる姿勢が嬉しいと話されていました。「MIMARU」の施設のハード面では、4人家族でも同じ部屋で一緒に泊まれること、洗い場のある浴室なので入浴介助がしやすいこと、大量のタオルを洗って乾かせるランドリーがあること、キッチンがあるので、注入ボトルを洗ったり、食事の加工がしやすいことなど、良いところがたくさんありました。選ばれたお部屋は、車いすで過ごしやすいよう、キッチンの高さが少し低めで、浴室も引き戸で出入りできるアクセシブル仕様となっていました。


明石:宿泊の準備として、須田さんにお尋ねして、お風呂マットなどの必要な備品を揃えていきました。現状で足りない備品を確認できたほか、コンセントの位置や荷物の置き場があることも重要ということがわかりました。また、事前に何が貸出可能か、何を持参すればよいかわかると便利で、エレベーターのサイズ、駐車場の有無、荷物の事前預け入れなど、旅行前に多くの確認事項があることを確認できました。ご試泊されたお部屋については、須田さんとご家族が間取り図を見て選んでくださったのですが、今後、各施設でおすすめのお部屋を選んでご紹介していきたいと考えています。


早川:医療的ケア児のご試泊準備をする段階で、須田さんから言われた「ハード面やソフト面でできないことがあっても、代替案を考えるとか、なんとか受け入れをしたいという気持ちが伝わってくることが嬉しい」という言葉が印象に残っていて、その気持ちを持つことを大切に、コミュニケーションシートを作りました。
障がいの有無に関わらず、みんなが旅する喜びを感じられる社会へ。
対話を重ねて理解を深めていく。
明石:今回の取り組みに対応するため、2024年3月に「ユニバーサルマナー検定3級」を、MIMARUの全取締役・従業員約230名が取得し、まずは心構えのベースを全社で作っていきました。ご試泊で得た学びを踏まえて、「MIMARU」の全施設で医療的ケア児等に必要な貸出備品を拡充し、アクセシブルルームのご予約や車いすのご利用、障がい者・医療的ケア児とのご旅行であることのお申し出があったゲストに「コミュニケーションシート」での対話や情報提供を開始しました。ユニバーサル情報や車いすレンタル先のご紹介もしており、日本語・英語・中国語で対応しています。海外に向けて、世界的規模のボランティア団体 Make A Wish Japan(
)への支援も開始しました。今後は、医療的ケア児のご家族が旅行したいと思うようなきっかけを作っていくこと、そして、わたしたちの活動を共有知として取り組みを広げ、障がいのある方が泊まりやすい環境が広がることに貢献できれば、このプロジェクトは成功だと思っています。まだ分からないながらも、外部パートナーや当事者の力を借り、学びながら進んでいきたいと思います。
須田:「MIMARU」は、自分たちのペースで気軽に旅を楽しみたいというご家族に合っていると思います。ここに行きたい、こんな条件のホテルがいいという選択肢が増えていくことが大切ですね。宿泊事業者の方が、障がいのある方を受け入れるにあたって難しさを感じることは常にあると思います。一方で泊まる側も、過去に受け入れてもらえなかったという辛かった経験や、逆にすごく良かったという経験からの期待を持つ方もいらっしゃいます。そういう過去の経験や期待を、ホテル側が全部受けとめて要望を叶えていくのではなくて、泊まる方の気持ちの調整も必要だと考えています。また、障がいのあるお子さんを一つの事例だけで決めないで欲しいなと思います。車いすに乗っている子もいれば、乗っていない子もいて、状況は一人ひとり違います。対人コミュニケーションに帰着すると思いますが、医療的ケア児の旅を良いものにするのは泊まる側も受け入れる側も、両方が取り組んでいくことが必要です。双方の意見や経験を調整しながら、良い結果に繋げていくお手伝いをしていきたいと思います。


早川:「MIMARU」は、その名前の通り、どんな国籍の方でも、ハンディキャップを持った方でも、“みんなで泊まれるホテル”を目指しています。医療的ケアのあるお子さまとご家族も決して特別じゃなく、みんなで家族旅行をしたいから「MIMARU」に泊まりたいなと思ってもらえようになりたいですし、活動の輪を広げていきたいと思います。


● 一般社団法人Try Angleについて
一般社団法人Try Angle(トライアングル)は、”病気や障害の有無にかかわらず誰もが安心して旅行を楽しめる社会”をつくるというビジョンの元、主に医療的ケア児の外出・旅行の支援、観光事業者向けの研修などを実施。活動を通して、ユニバーサルツーリズムの発展をめざしています。人工呼吸器や胃ろうなど、医療デバイスと共に生きる医療的ケア児者の方が旅行しやすくなるよう、『医療的ケア児の旅行ガイドライン』を作成、販売しています。
代表理事:須田 麻佑子
所在地:石川県金沢市菊川1-26-4
設立:2020年12月
ホームページ:
●ユニバーサルマナー検定:
●サステナビリティの取り組み
コスモスホテルマネジメントでは、「人と働き方の多様性」「ゲスト・地域とのつながり」「環境配慮」の3つのテーマで、SDGsの取り組みを進めています。「ゲスト・地域とのつながり」では、世界各地から訪れたゲストが、言語、文化、生活習慣などの異なる日本でも、誰もが安心して快適に過ごせる環境をお届けすること。そして、ホテル滞在だけでなく、ゲストがその街を楽しみ、地域とつながることができるよう、全力でサポートしていきます。
サステナビリティページ:
| コスモスホテルマネジメントについて |(本社:東京都港区、社長:藤岡 英樹)
コスモスホテルマネジメントは、 “みんなで泊まる”を楽しむアパートメントホテル「MIMARU」を運営しています。ただ寝るためだけのホテルではなく、キッチン、リビング・ダイニングスペースを備えた約40㎡からの広い客室で、家族や仲間とみんなで団らんをしたり、一緒にくつろいだり、暮らすように過ごすことができます。旅をサポートするのは、世界中から集まった日本が大好きな多言語対応のスタッフたち。頼れる“旅先の友人”のように、一人ひとりの希望や思いに寄り添いながら、心に残る旅をつくっていきます。


MIMARUでは、”Unwinding time. Endearing ties.”をブランドメッセージに掲げ、MIMARUを拠点にすることで、一緒に旅する人との仲や、旅で出会う人との距離、旅先の街との関係が、もっと縮まり、深まっていくことをめざしています。


MIMARU公式HP:

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