「本物の花体験」を届け続けて120年。最高品質の生花にこだわる青山花茂本店の歩み

2024.05.10 13:20
1904年(明治37年)、東京・青山にて創業した青山花茂本店は、2024年に創業120周年を迎えました。
創業以来、最高品質の生花の仕入れと鮮度管理にこだわり、お客さまに「本物の花体験」をお届けすることに、日々努めてきました。お祝いやお供えのフラワーギフトを中心に、大規模な会場装花、ご自宅やオフィス用の花や観葉植物、いけばなの花材まで幅広く取り扱っています。長い業歴の中で培ってきた顧客層は、花の質にこだわる日本全国の個人のお客さまから、宮内庁をはじめとした官公庁、各種法人、芸能関係のお客さまなど、多岐にわたります。


青山花茂本店、120年の歩みをご紹介します。
はじまりは箱車に積んだお供え花。徳島から上京した初代・北野茂吉が創業
青山花茂本店の創業は1904年。当時、青山は電車も走っていない東京の郊外でした。徳島から上京し、西園寺公望公の邸宅の庭師として働いていた初代の北野茂吉は、仏前のお供え花を扱うささやかな生花店を青山善光寺の前に開き、「花茂」と名付けました。花を積んだ箱車を引きながら、青山一帯から麻布霞町、笄町、高樹町、原宿と少しずつお得意様を増やしていったといいます。
箱車(明治四十年頃)
最先端の電話の導入と、いけばな業界の発展を追い風に事業を拡大
1916年(大正5年)、2代目・北野豊太郎が、赤坂区青山北町6丁目(現在の港区北青山3丁目表参道交差点付近)に新店舗を開きました。当時はまだ明治神宮もなく、もちろん明治神宮の参道である「表参道」も存在しませんでした。そんな静かな寺町だった青山で花茂が当時の一流店としての地位を獲得するに至ったのは、大きく2つの要因があったと伝わっています。
大正5年の店舗


1つ目は、電話の設置による販路の拡大でした。
1日の店頭売上が1円の頃、電話設置料300円、年間使用料40円の超高級品でしたが、2代目豊太郎は必ず電話が普及すると見通し、早い段階から導入したのだそうです。電話のほかにも、当時発売されたばかりの自転車や地下足袋に代わる長靴など、新しいツールを積極的に取り入れ、青山花茂本店の営業形態を変革していきました。
当時、電話がある生花店は少なく、すぐに麻布や白金の大きなお屋敷のお客さまからのご注文が増えたそうです。この頃のご注文は、お墓へのお供え花や、ご自宅の仏壇用の花だったと推測されます。


2つ目は、いけばなの発展です。
1920年前後の大正末期、富国強兵政策の日本の好景気を背景に、裕福な家庭ではいけばなが流行し始めました。同時期に、大阪を拠点としていたいけばな小原流が東京へ進出した場所が青山で、いけばな花材を調達する先として青山花茂本店が選ばれました。その後、いけばなの発展によって大きく事業を拡大することができたと伝わっています。この頃の小原流様との縁は、現在の青山花茂本店の「いけばな事業部」へと続いています。
高級生花店としての礎は戦前に
大正時代の電話の設置と、いけばな顧客の増加により、良質な花を常に求める目線の肥えたお客さまが増えたことは想像に難くありません。戦前から、お客さまの求めに応じて、良質な花を仕入れ、鮮度管理にこだわってきた - そのことは、昭和の初めに2代目豊太郎が遺した「花を捨てるか、信用を捨てるか」という青山花茂本店の店訓に現れています。これは、「鮮度の落ちた花は決して販売せず、お客さまからの信用を守る」という意味です。高級生花店としての品質へのこだわりは、この頃から培われていたことがわかるエピソードです。


当時も今もそうですが、同じ種類の花でも色ツヤ・サイズ・日持ちは生産者によって大きく異なり、市場で定められる等級・価格もさまざまですが、そのような中で、常に良い生産者を選び、高い等級の花を仕入れることには、現在もこだわり続けています。また、花の水揚げ(下処理)の手法や鮮度管理のルールは今も店内に残っています。
右側が北野豊太郎
大空襲で店舗を失った戦後、再興を遂げて青山で事業再開へ
昭和の大戦の前には、いけばな事業を拡大し、青山花茂本店は大きく成長を遂げ、一流店としての地位を確立していましたが、1945年(昭和20年)年5月の大空襲で店舗を失い、事業規模を大幅に縮小せざるを得ませんでした。同時に、当時の番頭たちも戦争で失ったことで、一時は廃業の可能性もあったといいます。


しかし、食料の入手に苦労する状況でも、お客さまからの「花茂の花が欲しい」という声は絶えず、3代目の北野太郎を中心として再興を志ざし、渋谷駅のガード下の露店で花を売り、用賀駅周辺に仮店舗を構えるなどして、お客さまの要望に応えたといいます。終戦から2年が経った頃には、バラック同然の店ではありましたが、港区北青山3丁目(現在の青山花茂ビル所在地)に店舗が完成し、事業を再開しました。
1950年代の店舗


3代目の北野太郎は、戦前からのお客さまに支えられ、青山花茂本店の再興に成功し、現在の事業の礎が築かれました。各地での農場経営や資本提携をはじめ、八丈島や沖縄、オーストラリア、ハワイなどの地域を訪問し、当時日本では珍しかった花々を次々に紹介。業界の発展にも大きく貢献しました。そして、昭和三十年代後半からは、フラワーギフトの全国発送をはじめ、フラワーデザインスクールや、いけばな教室を設置するなど、さまざまな事業を展開し、顧客層も大きく広がっていきました。宮内庁からの御用命を頂いたのもこの頃です。
右側が北野太郎
オンラインショップやSNSの強化など、時代のニーズを捉えた事業展開
現在の青山花茂本店は、フラワーアレンジメント・花束・胡蝶蘭などの高級フラワーギフトの販売を主力事業としてブランドを確立し、オンラインショップのリニューアルやSNSによる情報発信を通じたオンライン事業の強化、花のサブスクリプションサービスの提供など、時代を捉えた事業展開を進めています。
一方で、戦前・戦後の青山花茂本店の隆盛を支えたいけばな事業は、現在は品川区東大井に移転し、都内でも希少ないけばな専門店として、小原流様はじめいけば諸流派の多くの方にご利用いただいています。
お客様に「本物の花体験」をお届けするため、変革を続けていく青山花茂
120年を振り返ると、青山花茂本店は、時代のニーズに合わせてさまざまな変革を続けながら事業を継続してきたことがわかります。これからも、この変化の激しい時代の中で、お客さまに喜んでいただける新たな商品やサービスを提供すべく変革を続けていきます。


一方で、「最高品質の花だけを仕入れ、鮮度管理を徹底する」という、生花小売の専門店としての本分にはこれからも決して妥協することなく、常に皆さまに「本物の花体験」をお届けできる青山花茂本店でありたいと考えています。
お客さまと共に在りたいという思いを込めた、120周年記念ロゴをリリース
青山花茂では、120周年記念ロゴをリリースしました。
2016年のリブランディングの際に採用した現在の青山花茂ロゴにも使われている円形のレリーフ。青山花茂ビルの壁面の、蓮の花やツタをあしらったデザインは、1975年のビル竣工時に設置されたものです。120周年のロゴには「0」の中にこのレリーフを入れ、これから先の時代も花を通じて豊かな暮らしのお手伝いをし、お客さまと共に在りたいという思いを込めています。
現在の青山花茂ビル
120周年特設サイトをオープン
120周年を迎え、特設サイトをオープンしました。120周年記念アレンジメントやプレゼントキャンペーンなどのコンテンツも公開しています。ぜひ、ご覧ください。
青山花茂120周年記念特設サイト:
青山花茂本店について
1904年創業・宮内庁御用達の最高品質のフラワーギフトを青山から全国へ。青山花茂は創業当初より変わらず、色つや、大きさ、鮮度など、最高級の生花をご用意することにこだわり続け、お客さまの日常に、そして特別な瞬間に、「本物の花体験」をご提供します。
 花一輪一輪を大切に、自社のフラワーデザイナーが丁寧にお作りしたアレンジメントや花束、名人達が丹精こめて育てた蘭鉢や花鉢をご用意しています。
 ​電話番号:03-3400-0871 (受付時間 10:00~17:00)

 ・オンラインショップ:
 ・Instagram:
 ・LINEアカウント: 
会社概要
名称:株式会社花茂本店 (通称屋号 青山花茂本店)
代表者:代表取締役 北野雅史
本社: 〒107-0061 東京都港区北青山3丁目12-9
設立:1953年4月4日(創業1904年2月)
ブランドサイト:

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