araga株式会社(髙橋整髪店）は、「身だしなみを通じて新たな自分の発見と、新たな1日への一歩を応援する」を企業理念に、整髪料ブランドを展開しています。
araga株式会社(髙橋整髪店）は、「身だしなみを通じて新たな自分の発見と、新たな1日への一歩を応援する」を企業理念に、整髪料ブランドを展開しています。
2022年10月に同社最初のD2Cブランド、YS ORIGINAL PRODCTS（※以下YSシリーズ）が誕生しました。YSシリーズはポマード、ヘアケアミルク、ヘアスタイリングクリームで構成され、旧き良き時代に敬意を表しつつも時代に合わせた新たな価値を提供する本格志向の整髪料です。
今回は、なぜ今”ポマード”なのか。そして元々事務用品メーカー営業として全く畑違いだった私がどのような想いと、経緯でブランド立ち上げに至ったのかをご紹介します。
憂鬱な日々の中で出会ったバーバーがきっかけに、自身を助けてくれた業界へ恩返しを
20代はじめの頃、日々のストレスから私は慢性的な円形脱毛症に悩まされていました。はじめて発症した頃は周囲の視線も気になり外出するのも憂鬱な毎日でした。また髪型にも悩まされており気分が落ち込むような日々が続いていた時、あるバーバー（理容室）との出会いが大きな転機となりました。当時は席数も多くオープンな美容院に通っていたのですが、なんとなく周囲の視線が気になり通えなくなっていました。そんな時、通い始めたのが、プライベートな空間で上質なサービスを提供するバーバーでした。そこでは髪のプロに様々なことを不思議と相談でき、今まで一人で抱えていた悩みが解消され、更に今の自分のアイデンティティとも言えるスタイルに出会えたのです。
そんな出会いからバーバーカルチャーへの興味がひろがりました。そこからは様々なバーバーに通い、色々な技術者の方々とお話をすることが楽しみになりました。
そんな時に、ある課題を感じることになります。
とても拘りがあり、素晴らしい理念や技術を持ったサービスがあまり知られずひっそりと終わってしまう。そんなことも見聞きすることになりました。多くは、技術者としてサービス提供に集中して時間を使うことから’認知’に苦労されているということでした。
世の中には予約サービス等強力な集客ツールがあります。でも、本当の意味でそれぞれの想いや拘りを伝えられているのだろうか？そんな疑問が浮かびました。
落ち込んでいた時に助けてくれた「業界へのちょっとした恩返しがしたい」という些細な気持ちから、取り組みが始まりました。
趣味で集めていたポマードを通してバーバーカルチャーの発信へ
どうしたら少しでも力になれるのかを考えていた時、ふと趣味で集めていたポマードが目に留まりました。ポマードとバーバーカルチャーは密接な関わりがあり、ヘアスタイルやファッション、音楽、アートなど様々なカルチャーを背景として多種多様なポマードが存在します。
そんなポマードを通じてバーバーカルチャーに興味を持ってもらえないか。と様々なポマードを紹介する
をオープンしました。自分自身も様々な製品を紐解く中で、より深くカルチャーやスペック、処方などを理解していきました。そしてカルチャーや魅力を発信することからはじめました。
バーバーショップオーナー・須山さんとの出会い、「拘りを持った良質なサービスを世の中に広めること」を胸に創業
そんな活動のなか、現YS by yoshio suyama（バーバーショップ）のオーナーである須山さんと出会います。須山さんは20歳で渡英しロンドンでクラシカルなバーバー文化と出会い、その後ニューヨークやパリなどを訪れ 帰国後「フリーマンズスポーティングクラブ」で勤務されていたとても個性豊かな人物です。
当時私もバーバーカルチャーの中でもビンテージ・クラシックファッションがとても好きだったことも重なり、須山さんが独立されるタイミングでYSブランドの立ち上げを決意します。
やはりそこにあったのは「拘りを持った良質なサービスを世の中に広めること」という想いでした。また、身近にある大好きなコミュニティ・カルチャーを支えることからはじめよう、と企画をスタートします。
前職での経験が企画の一助に。使い心地や世界観づくりへのこだわり
私は化粧品業界の経験がなかったのですが、幸いメーカーに勤務していたときに、製造や販売、物流に関する知識がありました。そして100種以上にわたる国内外のポマードを触ってきた経験も助けになりました。幸運にも企画や想いにご賛同いただいた製薬メーカー様等多くの方々に助けられて企画をスタートすることができました。
とにかく拘ったのは、
１）ポマードという商品を通じて旧き良きカルチャーを伝えること
２）多くの方に使ってもらえるようにスペックはアップデートする
３）ポマードの概念を覆すような驚きを
私たちの強みは、ビンテージカルチャーを体現する須山さんの感性と機能や市場に対しての提供価値を考える私の相互作用だと考えています。
共通の嗜好は持ちつつも全く異なる２つの個性が合わさった商品を生み出したいと思いました。
▼初期ラフ案
須山さんが提案するヘアスタイルや使用シーンなどをしっかりと押さえた上で、
今までポマードを使ったことがない方にも使いやすいような使い心地の実現に向けて開発を進めました。並行してYSが織りなす世界観を須山さん主導のもと、バーバーショップ（YS by yoshio suyama）という形で表現する為に店舗デザインやロゴデザインなどが進められました。弊社では顔となるロゴデザインの作成を行い、プロダクトと店舗両方で多くのお客様に世界観を感じていただけるコンセプトを作っていきました。
▼初期書き起こしデザイン
試行錯誤の末に辿りついた拘りのポマード、従来のイメージを覆すスペックが完成
開発をスタートして試行錯誤をすること6か月、ようやく我々が納得できる処方が完成します。私たちがたどり着いた答えは「見た目はクラシックで尖っていても、日々使う人たちがストレスなくケアしながらヘアスタイリングできるもの」でした。
ポマードの一般的な印象といえば「オヤジくさい」「べたべたしている」「油ぎって落ちない」ではないでしょうか。そんな印象を覆すべくＹＳシリーズではクラシックなヘアスタイルを美しく仕上げつつも、毎日の洗い落としが驚くほど良い。というスペックに仕上げたいと開発を進めました。近年では水溶性ポマード（別名：グリース）は一般的になってきていますが、水溶性基材を軸にすると本来ポマードが持つ自然な艶感が損なわれる傾向にあります。油性ならではの自然な艶感と洗い落としやすさの両立の実現に向け須山さんと試行錯誤を繰り返しました。
セット力と洗い落としやすさのバランスが非常に再現が難しいポイントでしたが、油分の微調整を繰り返すことで納得のいくスペックの実現に至りました。私たちは毎日のようにポマードでヘアセットをします。スタイルを仕上げる為のスペックだけでなく、ヘビーユースするからこそ、リセットしやすく髪への負担を減らすことに拘ったのです。
また「ポマードはくさい（香りが強い）」という点についても、ＹＳシリーズではオリジナルのアプローチをしています。ポマードと合わせて3種の商品を揃えました。ヘアケアミルク2種とヘアスタイリングクリームです。それぞれ毛髪を保湿コーティングするケア機能を持ちつつも、3種の香りでヘアコロンのように使って頂くことができるものとなっています。これらをYSポマードと合わせて使う事でポマードの個性でもある香りも楽しんでいただく事ができます。YSポマード単体は無香料に近い微香なので、単体で使用するとTPOを問わず使うことができます。
それぞれのライフスタイルやシーンに合わせて寄り添う事で、その人独自の使い方がひろがって欲しいと願っています。
目標を胸に、YSブランドが目指す未来と新しいチャレンジ
お陰様で発売後、三越伊勢丹新宿店様でのPOPUPや西武池袋本店様、松屋銀座本店様等でお取り扱い頂くことができました（※現在は松屋銀座本店DRESSKIN直営店にて常設）。我々のような小さなブランドとしては異例の機会だったと思っています。
大量生産大量販売では無いため、一部ECを除いてはD2Cという形で世界観や価値の届け方を大切にしながら丁寧にに販路を拡げていっています。ただし今後は、元々カルチャーが好きな人だけでなく、より多くの方々にYSブランドを通じて周辺のファッションや音楽、食などのカルチャーを伝えたいと考えています。その為のオフラインイベントなども注力していきたいと考えており、より多くのお客様とお会いできることを楽しみにしています。
それらをきっかけに少しでも興味を持ってくれる人々が表れ、そして新しい楽しみや自分を発見することで人生が豊かになるお手伝いを微力ながらできればと願っています。
余談ですが、私は現在複業という形で製造メーカーからスタートアップ、ITメガベンチャーへと転職をしました。なぜ異業種かつ2社に身を置き続けるのか。私は今後、スモールビジネス業界のひとりとして、そしてカルチャーを共に盛り上げる仲間としてスタートアップ的なアプローチと感性豊かなスモールビジネスの世界を掛け合わせて業界活性化にチャレンジしたいと考えています。
「拘りを持った多くの良質で個性的なサービスを陰で支えつつ世界に広める」この目標を胸にこれからも挑戦をつづけたいと思います。
商品情報他
YS ORIGINAL PRODUCTS
YSポマード 定価3,300円（税込）
YSヘアケアミルク各種 定価2,200円（税込）
YSヘアスタイリングクリーム 定価2,530円（税込）
公式HP:
